2022年W杯はカタールで開催される [写真]=Corbis via Getty Images
2022年のワールドカップに立候補した日本が、当時のFIFA(国際サッカー連盟)の会長であるゼップ・ブラッター氏や複数の理事に、高額なギフトを贈っていたことが明らかとなった。
FIFAは27日、ワールドカップ招致における不正疑惑を追求した調査報告書「ガルシア・レポート」の全文を公開。2014年に作成された同報告書によると、2022年大会に立候補した日本については、2010年に規定を超えるギフトをFIFA理事やその妻などに贈っていたことが調査の対象となっていたようだ。
公開されたリストによると、10万5000円の価値がある「日本の屋久杉で作られた“ヤクスギ・ボール”」を、ブラッター氏、理事のミシェル・プラティニ氏やフランツ・ベッケンバウアー氏ら計13名に贈り、10万8290円〜11万40円の価値がある「デジタルカメラ」を理事9名に贈呈したという。
また、10万359円の「ペンダント」を3人の理事の妻に、5万4810円〜6万2370円の価値がある「ペンダント」を7人の理事の妻にプレゼント。この時点で合計300万円を超えるが、さらに18万9000円の「日本の伝統的な細工職人によるクラッチバック」を“複数名”の理事の妻に贈っている。
このリストはJFA(日本サッカー協会)が提出したもので、報告書によると、「日本は、証人の提供や書類の提出、追加要請に対応し、調査に対して全面的な協力を行った」という。そのため、「FIFA倫理規定の基準や招致に関するルールに沿った行為ではなかったかもしれないが、調査への協力によって問題の大部分が明らかとなったという事実から、本件に関する責任は軽減される」と記されている。
その一方で、調査部門による事情聴取を受けた理事3名は、日本の招致チームからギフトを受け取った記憶が曖昧だったという。これに対し、報告書では、各理事が「ルールを把握しておらず、ギフトを正当なものと理解していた」可能性、もしくは「ギフトを受け取ったことを隠し、虚偽の証言や調査への協力をしなかった」可能性、そして「4年前に受け取ったギフトが印象あるものではなく、純粋に忘れている」可能性を指摘。そして、どんな理由であれ、「今後の招致活動のために、より明確なギフトに関するルールと報告義務を適用する必要がある」と締めくくっている。
By サッカーキング編集部
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