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青森山田のMF山田武典が魅せたルーニー級のスーパーゴール

2014.03.26

 本連載の著者である安藤隆人氏は、元銀行員という異色の経歴を持つサッカージャーナリスト。今では、高校サッカーを中心に日本列島、世界各国を放浪し精力的な取材を行っている。巷ではユース教授と呼ばれる。本連載では安藤氏の“アンダー世代”のコラムをお届けする。

文=安藤隆人

 日本高校選抜の優勝で幕を閉じた第22回全国高校サッカー選抜大垣大会(大垣市長杯)。今、世間ではマンチェスター・Uのルーニーの約60メートルのロングシュートが話題となっているが、日本高校選抜と筑陽学園高による決勝戦でも同じようなゴールが生まれた。

 決めたのは、日本高校選抜のボランチ、山田武典。先の選手権では青森山田高のキャプテンを務め、チームの中核としてプレー。的確な判断力を備え、正確なパスを武器に、質のの高いプレーを披露した。“青森山田の山田くん”として、一昨年から注目していた彼は、着実に成長。プロも狙えるレベルだったが、彼は多くの先輩たちと同様に大学進学を選んだ。

 そして、日本高校選抜の一員として出場したこの大会。決勝のピッチに立った彼は、19分、ハーフウェーライン付近でボールを持つと、前掛かりとなっていたGKを見るやいなや、ロングシュートを放つ。鮮やかな放物線を描いてボールはGKの頭上を越え、ゴールに吸い込まれた。同試合の決勝点となった先制点は、的確な判断力と正確なキックを備えた彼を象徴するようなスーパーゴールだった。

 山田とマンチェスター・Uのルーニーはステータスは違えど、同じようなゴールを生んだ。ルーニーのゴールはニュースやユーチューブで確認できるが、山田のゴールをメディアで目にするのは容易ではない。現場だからこそ出会えたゴール。これだから高校サッカーはやめられない。

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