2試合で11得点の専修大が駒澤大を撃破 [写真]=内藤悠史
関東大学1部リーグ第18節が18、19日に各地で開催。味の素フィールド西が丘で行われた19日の第2試合では、専修大学と駒澤大学が対戦した。
リーグ4連覇を目指す専修大は、第17節終了時点で首位・順天堂大と勝ち点差3の2位につけている。前日に試合があった順天堂大の勝利を知った上で臨む一戦、しっかりと勝って首位に食らいついていきたい。一方の駒澤大は1部復帰1年目の今季、8勝3分け6敗の勝ち点27で7位と健闘を見せている。開幕節での対戦で6-0と大差がついた両校の激突は、またも専修大が大量得点を記録。5-3で打ち合いを制し、2連勝を果たした。
前節の中央大戦で6得点を挙げ、5試合ぶりの勝利を挙げた専修大。前期11試合で30得点を記録した本来の破壊力に復調の兆しが見え始めた中、今節は電光石火のゴールラッシュを見せる。開始早々の2分、FW仲川輝人(4年・川崎フロンターレU-18出身)がドリブルで中央を持ち出し、右側で待っていたMF北出雄星(3年・三菱養和SCユース出身)へラストパス。北出は右足ダイレクトでゴール左隅へ決め、均衡を破った。6分に同点に追いつかれたが、8分には右サイドからDF北爪健吾(4年・前橋育英高校出身)が中央へ折り返すと、左ウイングで先発に抜擢されていたFW中村駿介(2年・浦和レッズユース出身)が右足で押し込んだ。
めまぐるしい展開は以降も続く。3点目の直後の9分、FW仲川がゴールネットを揺らしてスコアは3-1に。専修大は22分にFW中村が自身2点目を決めると、駒澤大も31分にMF小牧成亘(4年・ルーテル学院高校出身)が鮮やかな右足シュートを決めて食らいつく。40分には専修大が左CKからFW山川翔也(3年・新潟西高校出身)のヘディングシュートで5点目を決めるが、45分に駒澤大もFW菊池将太(3年・浦和東高校出身)が得点。終わってみれば5-3、45分間で8得点が決まる乱戦となり、ハーフタイムを迎えた。
打って変わって、後半はゴールネットが揺れることはなかった。専修大DF北爪は「まずは4点目を取られないこと。1点差になるとプレッシャーを感じるので。点を失わずに、優位に試合を運べればという意識で入った」と振り返る。「個の意識の差。先にボールに触るという執着心は間違いなく相手の方が(強く)持っていた。その差を試合中に埋められなかった」という前半を踏まえて、守備へ軸足を置いて臨んだ後半は対人での厳しさや当たりの強さが向上し、結果として無失点で終えることができた。
ただ、終盤に残念なアクシデントが発生。FW仲川が自陣ペナルティーエリア内での守備でカバーに入り、ドリブルでサイドへと持ち出した際にタックルを受けて負傷。右ひざを痛め、長期離脱が見込まれる事態となってしまった。昨シーズンのリーグ得点王、今シーズンも7得点6アシストとチームをけん引してきたエースの離脱が与える衝撃は大きい。
エース不在という新たな苦境に直面し、残りは4試合。王者の底力が試されることとなる。DF北爪は「2試合で5失点は良くない。失点を減らしていかないと、今後の緊迫した試合では厳しい」と課題を挙げ、2得点で先発抜擢に応えたFW中村も「前節も今日もまだまだ点を取れる場面があった。そこを決めていけばもっと楽になる」と更なる向上を期した。
関東大学1部リーグ第18節の結果および順位表は以下のとおり。同リーグは2回戦総当たり方式で開催され、後期日程は11月16日まで行われる。
順天堂大2-0桐蔭横浜大
明治大3-0東京国際大
国士舘大1-3筑波大
早稲田大0-1流通経済大
専修大5-3駒澤大
慶應義塾大0-2中央大
1位:順天堂大学(勝ち点40/得失点差+18)
2位:専修大学(勝ち点37/得失点差+24)
3位:明治大学(勝ち点37/得失点差+16)
4位:早稲田大学(勝ち点34/得失点差+10)
5位:国士舘大学(勝ち点27/得失点差+4)
6位:慶應義塾大学(勝ち点27/得失点差+2)
7位:駒澤大学(勝ち点27/得失点差-5)
8位:流通経済大学(勝ち点19/得失点差-9)
9位:桐蔭横浜大学(勝ち点16/得失点差-16)
10位:東京国際大学(勝ち点13/得失点差-11)
11位:筑波大学(勝ち点12/得失点差-14)
12位:中央大学(勝ち点11/得失点差-19)
文=内藤悠史