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“村社会”ゆえのライバル関係、新興国による番狂わせ、アメリカというハード...残すは決勝戦のみ。見どころは?【コパ・アメリカ戦記】

カテゴリ:国際大会

浅田真樹

2024年07月14日

注目は、両チームのキャプテンにして10番のメッシとハメス

アメリカで開催されたコパ・アメリカ2024。様々な可能性が示された大会に。写真:浅田真樹

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 コパ・アメリカを取材していて感じるのは、南米は“村社会”だな、ということだ。

 たとえば、同じ大陸選手権であるユーロは、ヨーロッパ以外の国からも多数の取材陣が訪れ、それを前提に大会運営がなされている。つまり、外に向かって開かれている印象を受けるのだ。

 しかし、コパ・アメリカは、自分たちの勝ち負けに対するこだわりは強いが、世界中の人たちに見てもらおうという意識は乏しい。

 実際、今大会はアメリカで開催されているにもかかわらず、メディア向けのアナウンスは、ほぼスペイン語のみで進められている。

 CONMEBOL(南米サッカー連盟)に加盟しているのは、わずか10か国。しかも、ブラジルを除けば、主要言語はスペイン語。それで自分たちには問題もないのだから、当然のことなのだろう。

 しかし、狭い社会だからこそ、ライバル関係が生まれやすい。結果として、準決勝のウルグアイ対コロンビア戦後の事件のようなことも起こってしまうのは残念だが、むき出しのライバル意識が、大会を盛り上げる大事な要素になっていることは間違いない。

 加えて、10か国だけでは対戦カードのマンネリ化が避けられなかっただけに、CONMEBOLは1990年代以降、加盟10か国以外の国を招待し、大会を開いてきた。

 今回も開催国のアメリカをはじめ、CONCACAF(北中米・カリブ海サッカー連盟)から6か国が出場したが、南米勢にしてみれば、メキシコやアメリカならともかく、新興のカナダやパナマが決勝トーナメントに進出したことは明らかな番狂わせであり、大会に新たな興味を加える要素になってきたと言えるだろう。

 アメリカは、サッカー人気という点では発展途上ながら、スポーツが非常に盛んで充実したスタジアムも数多い。そうしたハードと、コパ・アメリカというソフトが結びついた今大会は、今後さらにこの大会が盛り上がっていく可能性を示したと言えるのかもしれない。
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 そんなコパ・アメリカも、いよいよ決勝を残すのみとなった。

 頂上決戦に駒を進めたのは、前回大会に続く連覇とともに、歴代単独最多となる16回目の優勝を狙うアルゼンチンと、地元開催の2001年大会を除けば、初優勝となるコロンビア。優勝回数には大きな差のある顔合わせだが、ここまでの勝ち上がりを見る限り、両者の実力は拮抗している。

 注目ポイントは、やはり両チームのキャプテンにして、ともに背番号10を背負うリオネル・メッシと、ハメス・ロドリゲスだろう。

 メッシが37歳、ハメスが32歳と、年齢は5つ違うが、全盛期とは異なるプレースタイルでチームを決勝まで導いてきたという点で共通する。

 とりわけ今大会のハメスの活躍は、サプライズと言ってもいいかもしれない。

 自国開催の2011年U-20ワールドカップから2014年ワールドカップの頃にかけての躍動感はなくなったものの、ピッチ上のあちらこちらに顔を出しながら、ここぞという場面でいまだ健在のテクニックや視野の広さを見せつける。そんなプレーが際立っている。

 メッシにしろ、ハメスにしろ、それを衰えと見るか、新たなスタイルと見るかで、印象はまったく異なるものになるが、精神的な部分でも彼らがチームの柱になっている様子は、試合中のちょっとしたやり取りのなかにうかがえる。

 新たな魅力を携えてチームを引っ張る、ふたりのキャプテン。最後に頭上高くカップを掲げるのは、どちらになるのだろうか。

 両チームは3年前の前回大会でも準決勝で対戦し、1-1からのPK戦で勝利したアルゼンチンがそのまま頂点に駆け上がったという、因縁のカードでもある。

 激戦必至のコパ・アメリカ決勝は、日本時間で15日の9時にキックオフ予定だ。

取材・文●浅田真樹(スポーツライター)

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