【番記者通信】獰猛な本能を呼び覚まし、マドリーに「地獄」を|バイエルン

カテゴリ:メガクラブ

パトリック・シュトラッサー

2014年04月25日

「アウェーでの0-1」をひっくり返したのは過去に5回。

ボールを支配しながら、カウンター一発に沈んだ第1レグ。ただ、バイエルンにとって決して絶望的なビハインドではない。 (C) Getty Images

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 レアル・マドリーに0-1で屈したチャンピオンズ・リーグ(CL)準決勝・第1レグの敗北で、いくつかの驚きの事実が分かった。
 
 まず、バイエルンがCLのアウェーゲームに負けたのは、2012年9月以来だったという事実。そして、R・マドリーのようなチームでも、ポゼッションサッカーを突き詰めるジョゼップ・グアルディオラのチームを相手に、ホームであっても守備的な戦い方をするという事実だ。
 
 さらに、これはバイエルンから見ればネガティブなことだが、闘志を前面に押し出したアグレッシブさ、相手に噛みつくような闘争本能を、バイエルンの選手たちが見せたのは、試合が終わってからだった。
 
 バイエルンは次の火曜日(4月29日)の第2レグで、このビハインドを挽回できるだろうか? バイエルンのCLでの戦いを振り返れば、「アウェーでの0-1」をひっくり返して次ラウンドに勝ち上がった例は5回ある。逆転できずに敗れ去ったのは、たったの一度だ。最後に逆転で勝ち進んだのは11-12シーズン。バーゼルとの決勝トーナメント1回戦だ。ホームのアリアンツ・アレーナで7-0の大勝を収め、トータル7-1のスコアで準々決勝に駒を進めた。
 
「我々がどれほどのクオリティーを持っているのか、それをホームでレアル・マドリーに見せつけるつもりだ。彼らはセカンドレグで地獄を味わうだろう」
 
 カール=ハインツ・ルムメニゲCEOは試合後、そう言い放ち、こう付け加えてチームに檄を飛ばした。
 
「ドルトムントでの試合が、まだヤワなものだったと思い知るだろう」
 
 R・マドリーは準々決勝でドルトムントと対戦し、アウェーの第2レグで0-2の完敗を喫している。
 
 バイエルンが5月24日のリスボンでの決勝に進むためには、「伝統」を取り戻す必要があるだろう。それは、闘志を前面に押し出した、アグレッシブで、相手に噛み付くようなサッカー。食らいついたら離れない、獰猛な肉食動物のような闘争本能を剥き出しにしたサッカーだ。
 
 そのうえで絶対不可欠なのは、トップフォームのフランク・リベリとアリエン・ロッベンと、前線の“執行人”だ。トーマス・ミュラーを起用すべきではないだろうか。
 
【記者】
Patrick STRASSER|Abendzeitung
パトリック・シュトラッサー/アーベントツァイトゥング
1975年ミュンヘン生まれ。10歳の時からバイエルンのホームゲームに通っていた筋金入りで、1998年にアーベントツァイトゥングの記者になり、2003年からバイエルンの番記者を務める。2010年に上梓した『ヘーネス、ここにあり!』、2012年の『まるで違う人間のように』(シャルケの元マネジャー、ルディ・アッサウアーの自伝)がともにベストセラーに。今年5月にはバイエルンのCBダンチの自伝を出版予定。
 
【翻訳】
円賀貴子
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