NHK党の「ポスタージャック」最終的な「売り上げ」は? 供託金はどうなった? 東京都知事選

2024年7月12日 19時03分
 政治団体「NHKから国民を守る党(NHK党)」の立花孝志党首は12日、東京都知事選後では初の定例記者会見に臨んだ。党に一定額を寄付した人がポスターを掲示できるようにしたことで得た最終的な「売り上げ」や、今後の選挙方針について語った。(デジタル編集部)

NHK党のポスター掲示板を巡る経過 NHK党は、東京都知事選で19人の公認候補と関連する5人の計24人を擁立。一定の金額(5000円~2万5000円程度)を寄付すれば、都内約1万4000カ所にあるポスター掲示板のうち1カ所で、寄付者が独自に作成したポスターを最大24枚貼れるという活動を行った。候補者と無関係の格闘家や動物の写真、女性向け性風俗店などのポスターが貼られて物議を醸した。

記者会見する「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首=国会内で

◆「もうからなかった」

 NHK党によると、最終的に延べ520人から計550万円程度の寄付があり、1000カ所にポスターが貼られた。
 立花氏は会見で「売り上げが高いか低いかでいったら大失敗で、もうからなかった」と話した。理由を「マスコミにマイナス面だけを報道された」と主張した。
 一方、立花氏は、選挙の目的は「政見放送ジャック」だったため、ポスター掲示は「選挙に出られないお金のない人や30歳未満の人が政治的な主張ができるなら、皆さんに使ってもらおうと思った」と話した。「無料にするとでたらめな人も出てくる」と有料にしたという。
 当初はインフルエンサーなどが「投票に行こう」と呼びかけるようなポスターを想定していたが、「なし崩しになってしまった」と話した。

NHK党が「販売」した掲示スペースが同一デザインのポスターで占められた掲示場=7月3日、東京都渋谷区で

◆供託金計5700万円は…

 今回の都知事選で、関連候補24人全員が有効投票総数の10分の1に達せず、一人当たり300万円の供託金は没収となった。
 党公認19人の供託金5700万円については、「党が立花氏から借りた」という形で、全額党が負担したという。

◆次期参議院選でも「24人擁立」、ポスターは?

 立花氏は「大量の候補者を出すのは今後も続けていく」として、2025年の参議院選挙でも、予算が集まれば、東京選挙区で、ポスター掲示板の半分を埋める24人を擁立すると宣言。
 一方、ポスター枠の「販売」については「今回のメディアによるマイナス印象で、ポスターにお金を出して貼るメリットはほぼなくなっている」と見合わせる可能性を示唆した。

◆枠外ポスターの元候補者には「申し訳ない」

 都知事選では、NHK党が関連候補を24人擁立した影響もあり、立候補者は56人となった。48人分のポスター掲示板は枠が足りなくなり、都選挙管理委員会は、届け出が49番目以降の候補者にクリアファイルや画びょうなどを支給し、既設の掲示板の端に取り付けるよう要請した。枠外に貼ることとなった元候補者の小林弘氏らが「不公平だ」などとして都に損害賠償を求めている。

掲示板の枠外でめくれた小林弘氏のポスター=7月5日、東京都杉並区で

 立花氏は3日、自身のYouTubeチャンネルで、小林氏と対談する動画を公開。小林氏に「僕の責任もあって、小林さんところに負担がかかったことは申し訳ない」と謝罪した。小林氏は「あれは立花さんの戦略なので、それに対して恨みはない」と答えた。
 政府・与党は、選挙と無関係のポスターが大量に掲示された問題や不適切な政見放送が相次いだことを受け、公職選挙法の改正を検討している。

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