妖精の熱い夏が幕を開ける!「スターダム」の人気ナンバーワン女子プロレスラー・なつぽい(27)が、異例の特訓を敢行だ。16日のセンダイガールズ後楽園ホール大会での“怪物”こと橋本千紘(31)との初対戦に向け、訪れたのが神奈川県内の田んぼ。宮城で米作りに従事する怪物の強さを知るため、自らも田植え作業を行った。スターダム真夏の祭典「5★STAR GP 2023」(23日、大田区で開幕)も控える中、今夏の「なつぽい最強計画」を掲げた真意に迫る――。
――田植えを終えて
なつぽい これから農業の妖精になれそうです! 体験して「最強」っていうものが見えてきました。稲を植える時の体勢もきつくて足にめちゃくちゃ効くし、田んぼに足を取られて息が上がるんです。それに自然と触れ合うことで心が洗われたし、お米への感謝の気持ちも感じることができました。橋本さんと戦う前に最強の一部を知れて、新たなぽいが現れるんじゃないかな。
――橋本の印象は
なつぽい 全てが2倍だから、ぽい、ぺしゃんこにされる可能性はありますね…。ひめかもMIRAIも結構こてんぱんにやられてたイメージがあるし、本気でぶつからないと潰される。体格的には負けるけど、妖精のちょこまかムーブと、この気持ちで勝ってやるつもりでいます。橋本さんに期待以上の驚きを植えつけたいです。
――なぜ戦いを挑んだ
なつぽい 今年の夏、なつぽいは最強になります。橋本さんはぽいの「最強計画」のスタートなんです。きっかけは(2日横浜大会での安納)サオリとの「インディアン・ストラップ・マッチ」について考えながらツイッター見ていたら、橋本さんが「強くなるための理由はいくつあってもいい」ってツイートされてて刺激を受けたんです。
――どんな刺激を
なつぽい 今までぽい的に強さっていうイメージがなかったと思うし、強くなりたいより、かわいくなりたいみたいな生き方をしてきた。もともと女優さんを目指してたけど、プロレスを始めて目の前のことに一生懸命で、やる意味をあんまり深く考えてこなかった。改めてやる意味とか、「最強」とは何かを知りたくなったんです。答えを見つける夏にしたいんです。
――5月に親友のSareeeが橋本と対戦
なつぽい「私が一番橋本のことを知ってるから」ってアドバイスとか注意事項を教えてくれました。あの試合を見て、Sareeeの負けず嫌いさが出ているなと思って。私も持ち続けないといけないなと確信しました。今思うと、強さの根源はSareeeと伊藤薫さんのディアナでの練習だったりするのかも。
――デビューして約1年たったころの出稽古か
なつぽい いきなり「ドロップキック打て」って練習つけてもらったり、先輩にボコボコにやられても「立ち上がれ」って言われて育ってきた。アクトレスガールズに1期生として入ったから、プロレスの基礎、受け身とかをしっかりと教えてもらえる機会がなかったんです。だからディアナで初めて教わり、Sareeeの練習している姿を見て学んだことが自分の大もとになってる。強さの根っこは備わっていると思うので、それを目覚めさせる時が来ました。
――「5★STAR GP」も控える
なつぽい 去年、私の中では(岩谷)麻優さんから3カウントを取ったことはすごく大きな功績だったって思うんですけど、全体的に見たら特に何も残せなかったと思う。強さとか最強ってものに興味がなかったので、どこかで5★STARは私のものじゃないっていう気持ちがありながら戦ってた。今年は一戦一戦の重みが違う。試練を乗り越えた先に優勝と王冠、私の一番欲しいベルトも見えてくるんじゃないかなって。この夏は妖精の物語を見せます。
――優勝後に目指すものは
なつぽい 白いベルト(ワンダー王座)はスターダムに来る前から欲しかったベルトなので、プロレス人生の「やることリスト」最上位にある。ほかにもプロレス人生のプランみたいなものが自分の頭の中にあって、(中野たむとのタッグ)メルティアで武道館に行きたいとか。あと、いつか自主興行をやりたい!
――なぜ自主興行を
なつぽい ひめかの引退でプロレス人生でやり残したことはないかとかも考えるようになって。お世話になった人たちがプロレス界にたくさんいるけど、交わる瞬間ってなかなかないじゃないですか? なので私が女子プロレスが一つになる興行ができたらいいなって。この夢をかなえるためにも、最強にならないといけないんです。
【初体験に絶叫】
なつぽいが訪れたのは、小田原市内の「かなごてファーム」だ。生まれて初めて入る田んぼに絶叫しながら、社長の小山田大和氏に田植えのコツを教わった。田んぼに足を取られ転倒する場面もあったが、無事に作業は終了。小山田氏から「いつでも農家のお嫁さんに来てください! 試合、頑張って!」とエールを送られた妖精は、「これでぽいも最強に。橋本千紘、楽しみにしとけ! ぽい!」と泥のついた手で汗を拭った。
☆なつぽい 1995年7月19日生まれ。横浜市出身。3歳からタレントとして活動し、小学生時代からバトントワリングで活躍。万喜なつみのリングネームで2015年5月31日のアクトレスガールズ新木場大会でデビュー。22年8月に中野たむとの「メルティア」でゴッデス王座を戴冠し、今年4月にはCDデビューを果たした。必殺技はフェアリアルギフト(変型ダイビングボディープレス)。150センチ、47キロ。