覚醒剤取締法違反(所持と使用)の罪に問われ、1審の千葉地裁で懲役1年4月の実刑判決を受けたKAT―TUN元メンバー・田中聖(こうき)被告(37)の控訴審が12日、東京高裁であり、結審。大善文男裁判長は「いささか重すぎる結果」だとし1審判決を破棄し、懲役1年を言い渡した。

 田中被告は昨年9月から11月末まで、名だたる〝薬物有名人〟らが頼った専門医の治療を受け、その医師は意見書で「再犯の恐れは極めて小さい」と〝お墨付き〟を与えている。また同10月からは地元・千葉の回復支援施設に通い、同12月には入寮、今は準職員として生活。施設長も上申書で田中被告の「強い更生意欲」をつづった。そして本人が前回公判で明かした反省と、今後に向けた決意――この3つを、大善裁判長は刑期を4月短くした理由として挙げた。

 田中被告は初公判と同じ黒いスーツ姿に金ブチ眼鏡、グレーのマスク姿で入廷。ソバージュをかけたミディアムヘアはストレートのツーブロックにし、整髪料でオールバックに固めていた。ピアスを外した右耳たぶの大きな穴が目立った。傍聴したファンは「ちょっとやつれたように見えた」という。

 大善裁判長が閉廷間際、「今やっている取り組みに関しては、評価できるものとします。今後も今の気持ちを忘れずに、二度と薬物に手を出さないよう、犯罪に手を出さないようにして下さい」などと声を掛けると、田中被告は大きくうなずいていた。