大ブレークの予感だ!17日、ロッテと練習試合で広島の3年目・田村俊介外野手(20)が、初の対外試合で攻守に大暴れした。

 今年初の対外試合で「4番・右翼」に名を連ねた初回の第1打席。二死一塁で迎えた場面のファースト・スイングだった。ロッテ・東條の3球目、真ん中にきた失投を完璧に捉えた。「自分のポイントで打てましたし、しっかりしたスイングのなかでホームランが出たので良いスタートが切れたと思います」と会心の一撃を右翼席へ。非公式戦とは言え、新井監督の4番起用に一発回答で応えた。

 さらに5回には右翼守備でも美技を披露。松川の右翼ファウルゾーンへの打球を、トップスピードで追いかけ落下地点のフェンス際でジャンプ一番で捕球。守りでも球際の強さを見せつけた。

松川の打球をキャッチする田村俊介
松川の打球をキャッチする田村俊介

 昨季は高卒2年目ながら終盤に昇格し、一軍でも22打席でプロ初安打を含む8安打と、飛躍のきっかけをつかんだ。背番号60の躍動に新井監督は「去年の経験が自信になっている。打席でも落ち着いているしね。若い選手は誠也みたいに二段跳び、三段跳びでバーンと跳ね上がる可能性を秘めている」と、手放しで喜んだ。かつての赤ヘルの4番で、現在はメジャーリーガーとなった鈴木誠也(カブス)のように高卒3年目で一気に一軍のレギュラーに成長したサクセスストーリーの再現を予感した。

 その才能は日本代表、侍ジャパンの井端監督にも見いだされ3月の強化試合に抜てきされるなど、さらなるブレークの期待が高まる。「侍ジャパンでも変わらず、自分のやるべきことをやりたい」と意気込む20歳。まずは赤ヘルでの定位置確保へむけ、目をぎらつかせている。