初の開幕一軍を目指す広島の高卒2年目右腕・斉藤優汰投手(19)が24日、巨人とのオープン戦(コザ)で、2回7安打6失点と〝炎上〟した。

 3回に2番手で登板したが「緊張からか、リリースが合っていない感じがあった」と制球に苦しみ、巨人打線の餌食となった。先頭・門脇に左前打、続く4番・岡本にはストレートの四球を与えて走者をためると、大城、佐々木、泉口と3本の適時打を浴び、まさかの6失点。打者11人、この回だけで51球と、G打線に完全に打ちのめされた。

 意気消沈してベンチに戻った右腕に〝親心〟を見せたのが新井貴浩監督(47)だ。「抑えても打たれても、彼の場合は勉強。あのまま打たれても彼も納得いかないと思うし、もう1回いって代わろうと」と声をかけ「続投」を指令。気持ちを奮い立たせた19歳は、続く4回のマウンドにも上がり、内野安打1本は許したものの、無失点で投げ終えた。

 2回で72球を費やした斉藤は「あれだけ初回、球数を投げてしまって、その上で続投させてもらって、すごいありがたかった」と悔しさを押し殺しながらも、実際の試合の中で「立ち直り」の機会を与えてくれた指揮官に感謝した。

 目指した開幕先発ローテーション入りは、一歩後退となった。とはいえ、初の一軍キャンプで、チーム内〝競争〟に身をおいたこの1か月の経験を生かすチャンスは、今年のシーズンにまだ残されている。

 新井監督も「今日の経験を、また明日からの練習につなげてもらいたい」と今後の巻き返しに期待を寄せた。