未払い賃金「56円」求め、JR西日本と運転士が裁判…回送ミスで給料「1分間分」カット

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 JR西日本岡山支社の男性運転士が、1分間分の未払い賃金「56円」の支払いを求め、岡山地裁でJR西と訴訟で争っている。回送列車の入庫作業の1分遅れを理由にした賃金カットに対し、運転士側は「ダイヤへの影響はなく、会社に損害も発生しておらず、不当だ」と撤回を求めた。JR西は「遅れた1分間は働いておらず、カットは妥当」と真っ向から対立している。(松久高広)

ホームを間違えて

 訴状などによると、男性運転士は2020年6月18日朝、JR岡山駅(岡山市北区)で回送列車を車庫まで移動させる作業を担当。しかし列車の到着を待つホームを間違え、駅まで運転してきた運転士との引き継ぎ作業の開始が指定時刻より2分遅れた。その結果、発車が1分遅れ、入庫完了も1分遅れた。

 これを受け、JR西は当初、「乗り継ぎが遅れた2分間は労働実態がない」として、男性運転士の7月分の月額給与の2分間分85円をカット。運転士は岡山労働基準監督署に相談し、JR西は労基署から是正勧告を受けたが、全面的には譲らず、最終的に発車が遅れた1分間分をカットした。

 男性運転士はこれを不当とし、今年3月、カットされた43円と、作業のずれ込みで生じた割り増し分の残業代13円に加え、精神的苦痛を受けた慰謝料など計約220万円の支払いを求め、JR西を相手に岡山地裁に提訴。10月までに2回の口頭弁論が開かれている。

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