長野電鉄子会社 業務上横領事件 元課長に懲役6年の実刑判決

長野電鉄の子会社、「長電建設」の口座から3億6千万円あまりを不正に引き出した罪に問われた元総務課長に対し、裁判所は17日懲役6年と罰金100万円の実刑判決を言い渡しました。

長野市に本社を置く長電建設の元総務課長で経理担当だった小沼義博被告(54)は、2017年からおととしまでの6年間に、会社の口座からあわせて3億6千万円あまりを不正に引き出したとして業務上横領の罪などに問われました。
これまでの裁判で検察側は「下請け業者からの工事代金の請求などを装って金を引き出し、借金の返済や競馬などに充てるという常習的で悪質な犯行だ」などとして懲役7年と罰金100万円を求刑していました。
これに対し弁護側は「被告には返済の意思がある」などとして情状酌量を求めていました。
17日の判決で長野地方裁判所の坂田正史裁判長は「立場を悪用した長期的な犯行で額も高額だ」と指摘したうえで、「反省の弁は述べているが、返済の見通しは立っておらず、情状酌量の余地はない」などとして懲役6年と罰金100万円を言い渡しました。
判決後の取材に対し被告の弁護士は「本人と相談した上で控訴するかを検討したい」と話していました。