こんにちは、
ともやんです。
牛牛(ニュウニュウ/Niu Niu)という中国福建省出身の若いピアニストがいる。
1997年7月11日生まれというから26歳になったばかり。
日本人からすると牛牛と書いて(ニュウニュウ)と発音するので憶えやすいが、本名なのか、それとも芸名なのかよくわからない。しかも日本には牛田智大というやはり1999年生まれの若手のピアニストがいて、偶然だろうが同時期の東アジアに牛の付く有望な若手ピアニストがいるのがなぜか面白い。
ニュウニュウ アルバム ライフタイム
さて、フルート奏者Cocomiのデビュー・リサイタルの映像ソフトが発売されたということで、チェックしているとニュウニュウと共演してる演奏も収録されているので、まずニュウニュウの録音から聴いてみることにしました。
ニュウニュウが、昨年2022年にベルリンで録音した小曲17曲を収録してアルバム「ライフタイム」。
小曲ばかりと言ってもテーマに沿って選曲されたもので、第1曲から第8曲までが「Feelings(感情)」、第9曲から第17曲が「Passages(時の経過)」と大きく2つに分かれ、さらにそれぞれの曲にテーマが与えられています。
ニュウニュウの神童ぶり
さて、ニュウニュウは現在26歳で、この年代で世界的なピアニストというとそれなりにいますが、彼の神童ぶりには目を見張ります。
経歴を調べてみると、
・3歳で初心者用の楽譜1冊を全てを弾き、両親を驚かせる。
・6歳で地元の廈門市で聴衆1000人以上の前でデビューリサイタルを開いた。
・8歳で上海音楽学院の歴史最年少の学生として中等部に入学。
・2005年(8歳)にフランスでデビュー。
・2006年に9歳でアメリカとベルリンでデビュー
・2006年11月には英国王室の招きで、ロイヤル・アルバート・ホールでリサイタルを開いた。
・2009年の来日公演ではサントリー・ホールで演奏。同ホール最年少記録を3歳も更新(それまではキーシンの15歳)。
僕なんかは、逆にこれだけの神童ぶりを発揮するとちゃんとした大人になれるのか?なんて変な心配をしてしまいますが、アルバム「ライフタイム」では、人生の岐路で体験する感情などを表現する選曲をしていて、何かしたたかさを感じさせてくれます。
小曲だから、より感情を表現しやすいのかもしれません。
かと言って、感情過多な表現は控え、逆に抑制された表現に好感を持ちました。
これからも注目していきたいピアニストです。
ニュウニュウ アルバム ライフタイム
フランツ・リスト – Franz Liszt (1811-1886)
1.(03:37) ロッシーニ – 歌劇「ウィリアム・テル」序曲 S552/R237
Rossini – Overture to the opera William Tell, S552/R237
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ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
2.(05:36) ロンド・ア・カプリッチョ ト長調 「失われた小銭への怒り」 Op. 129
Rondo a capriccio in G Major, Op. 129, “Rage over a Lost Penny”
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牛牛(ニュウニュウ) – Niu Niu, (1997-)
3.(05:25) 即興曲第2番「Miss」
Impromptu No. 2, “Miss”
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アール・ワイルド – Earl Wild (1915-2010)
4.(03:06) ガーシュウィンによる7つの超絶技巧練習曲 – 第4番 エンブレイサブル・ユー
7 Virtuoso Etudes after Gershwin: No. 4. Embraceable You
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何占豪(ヘ・チャンハオ) – Zhanhao He (1933-)
5.(03:34) ヴァイオリン協奏曲「梁山伯と祝英台」 – アダージョ・カンタービレ(ガン・チェンによるピアノ編)
The Butterfly Lovers Violin Concerto: Adagio cantabile (bar 1) (arr. Gang Chen for piano)
編曲 : ガン・チェン – Chen Gang
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アレクサンドル・スクリャービン – Alexander Scriabin (1872-1915)
6.(02:04) 12の練習曲 Op. 8 – 第12番 嬰ニ短調 「悲愴」
12 Etudes, Op. 8: No. 12 in D-Sharp Minor
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セルゲイ・ラフマニノフ – Sergey Rachmaninov (1873-1943)
7.(03:21) パガニーニの主題による狂詩曲 Op. 43 – 第18変奏(アンダンテ・カンタービレ)
Rhapsody on a Theme of Paganini, Op. 43: Variation 18: Andante cantabile (arr. Niu Niu for piano)
編曲 : 牛牛(ニュウニュウ) – Niu Niu,
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セルゲイ・プロコフィエフ – Sergey Prokofiev (1891-1953)
8.(02:37) 4つの小品 Op. 4 – 第4曲 悪魔的暗示
4 Pieces, Op. 4: No. 4. Suggestion diabolique
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フランツ・シューベルト – Franz Schubert (1797-1828)
9.(05:06) 白鳥の歌 D. 957 – 第4曲 セレナード(C. トーマスによるチェロとピアノ編)
Schwanengesang, D. 957: No. 4. Standchen (Serenade) (arr. C. Thomas for cello and piano)
編曲 : カミーユ・トマ – Camille Thomas
カミーユ・トマ – Camille Thomas (チェロ)
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エリック・サティ – Erik Satie (1866-1925)
10.(01:39) ピカデリー
Le Piccadilly
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クリストフ・ヴィリバルト・グルック – Christoph Willibald Gluck (1714-1787)
11.(03:47) 歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」 – 第2幕 精霊の踊り(G. ズガンバーティによるピアノ編)
Orfeo ed Euridice, Act II: Dance of the Blessed Spirits, “Melodie”(arr. G. Sgambati for piano)
編曲 : ジョヴァンニ・ズガンバーティ – Giovanni Sgambati
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ジャコモ・プッチーニ – Giacomo Puccini (1858-1924)
12.(04:00) 歌劇「トゥーランドット」 – 第3幕 誰も寝てはならぬ(P. シャープによるピアノ編)
Turandot, Act III: Nessun dorma (arr. P. Sharp for piano)
編曲 : フィリップ・シャープ – Philip Sharp
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フレデリック・ショパン – Fryderyk Chopin (1810-1849)
13.(05:12) 子守歌 変ニ長調 Op. 57
Berceuse in D-Flat Major, Op. 57
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ヨハン・ゼバスティアン・バッハ – Johann Sebastian Bach (1685-1750)
14.(03:39) 平均律クラヴィーア曲集 第1巻 BWV 846-869 – 前奏曲 ホ短調 BWV 855a (A. ジロティによるピアノ編)
The Well-Tempered Clavier, Book 1, BWV 846-869: Prelude in E Minor, BWV 855a (arr. A. Siloti for piano)
編曲 : アレクサンドル・ジロティ – Alexander Siloti
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坂本龍一 – Ryuichi Sakamoto (1952-2023)
15.(03:58) エナジー・フロー
Energy Flow
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ロルフ・ラヴランド – Rolf Lovland (1955-)
16.(03:57) シークレット・ガーデンからの歌(ニュウニュウによるフルートとピアノ編)
Song from a Secret Garden (arr. Niu Niu for flute and piano)
編曲 : 牛牛(ニュウニュウ) – Niu Niu,
Cocomi – Cocomi, (フルート)
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伝承 – Traditional
17.(04:45) アメイジング・グレイス(ニュウ・ニュウによるピアノ編)
Amazing Grace (arr. Niu Niu for piano)
編曲 : 牛牛(ニュウニュウ) – Niu Niu,
牛牛(ニュウニュウ) – Niu Niu, (ピアノ)
録音:2022年ベルリン、エミール・ベルリナー・スタジオ
1997年、中国・福建省の厦門(アモイ)生まれのピアニスト。ピアノ教師である父の手ほどきを受け、幼少時から才能を開花させる。
6歳にして厦門でデビュー・リサイタルを開き、その後上海へ移住。8歳で上海音楽学院の中等部に史上最年少で入学する。
ロンドンのウィグモア・ホールでのリサイタルをはじめ、世界の一流コンサートホールや音楽祭のステージに立つ。2007年、EMIクラシックスと契約し、2009年にデビュー・アルバムをリリース。2010年5月にセカンド『ショパン:エチュード全曲集』を発表した。
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