インバウンドコラム

【コロナ:世界の動きまとめ】世界の感染者数2000万人超。Go To トラベル宿泊施設の登録は3割程度。韓国、台湾などで人気の旅のトレンドは?

2020.08.12

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感染拡大に歯止めがかからない新型コロナウイルス。米ジョンズ・ホプキンス大学(CSSE)の集計によると、世界の累計感染者数は11日、2000万人を突破した。最多は509万人が感染しているアメリカで、全体の4分の1にあたる。続いてブラジル305万人、インド226万人と続く。また同日、日本国内の累計感染者数も5万人を超えた。日本では7月下旬以降、感染者が増加している。
そんな中、日本では「Go To トラベル」事業が実施されているが、同事業に登録済みの宿泊事業者は、8月11日13時時点で1万5976となっており、全国に4万9000軒あるとされるホテル・旅館の約3割にとどまっている。
アジアの他の国では、どのような国内観光需要喚起策が取られているのかを中心にお伝えする。

 

韓国:旅のトレンドは「オートキャンプ」「9月の夏休み」「即決旅行」

海外旅行ができないため海外旅行を取り扱う旅行サイトはすべて国内旅行一色となり、宿泊トレンドが変わってきている。密集を避けた一戸建ての宿泊施設が人気で、その他、自然の中で過ごすことができるオートキャンプが韓国各地で300〜400%以上成長したことが分かった。済州島の一戸建てヴィラは一週間で1400部屋を販売。リモート授業の小・中・高校の子供たちの夏休みは9月に分散される予定で、新羅・ロッテなどメジャーホテルが集中している済州島のホテルでは8月末までの週末予約はすべて終了し、9月初めまでに80%台に迫る稼動率を記録している。

また、これまで海外旅行に出掛けていた人達からは、国内リゾート地のスイートルームなど高価な宿泊商品が人気を集めているという。ハンファリゾートの8月中旬までの平均客室予約率は80%だが、価格が2倍以上の高価なスイートルームの予約率は90〜95%となっている。このような高額商品のニーズの高まりを受け、ホテルではラグジュアリープランを続々と出しており、JWマリオット東大門スクエア・ソウルは1泊1000万ウォン(約90万円)の宿泊プランを販売している。

コロナウイルス感染拡大状況を鑑み、旅行を即決で決める人が増えてきている。これまでは半月から1カ月前に旅行の計画を立てて予約をするパターンが多くを占めていたが、コロナ後は旅行の計画を半月から1カ月前に立てる人は、13%減少。予約日と宿泊日の間の期間が0〜1日である場合が全体の32%を占め、前年同期(11%)に比べて3倍程度の急増となった。

 

農村旅行を推奨「K-農活旅行」、農畜産物購入割引券などを配布

新型コロナウイルスに落ち込んだ農村経済に活力を吹き込むため、韓国政府は予算748億ウォンを投入し「K-農活旅行」キャンペーンを開始している。

農村旅行に対して6万人に旅行費用などの補助を行うもので、割引券所持者が農村体験休養村・酪農体験牧場・観光農園など農村観光地を訪問すると、食事や宿泊施設、体験プログラムを利用したり、農特産物を買うときに提携カードで精算すると、30%(最大3万ウォン)を補助する。

農畜産物購入に対しても、20%割引券(最大1万ウォン)を400万枚発行する予定だとしている。スーパー、オンラインショッピングモール、市場などで農産物、生鮮農畜産物を買うときに使用することができる。企業も次々と消費促進キャンペーンを行う予定だという。

農食品部政策企画官は、「コロナウイルス感染拡大により農畜産物の消費が大幅に減少している。早期克服のためには、国民の関心が必要だ」とし「安全に消費したり、観光したりしてもらうために消毒するなど、最善を尽くしているので、今回のキャンペーンに多くの国民に参加してほしい」と述べた。

 

台湾:出国疑似体験ができる航空チケットが大好評

新型コロナウイルス感染症の流行により海外旅行ができない状況が続いている中、台湾では航空各社が疑似出国体験商品を続々と企画し発売。人気を集めている。

格安航空会社タイガーエア台湾は、現地ツアーなどのオンライン予約サイトKKdayとコラボし、出国疑似体験商品を7月28日に発売し20分で完売、8月6日に第一回目が実施された。このプランでは実際に桃園國際空港から搭乗し、福岡まで向かい着陸せずに台湾に戻ってくるプラン。飛行時間は約4時間で、飛行機内ではソーシャルディスタンスを保つため、3人席を2名で使用。機内食にはミシュラン一つ星の高級焼肉レストランの牛タンセットが提供される。また、上空からはパイロットによるガイドで台湾と日本の景色を楽しめるほか、割引価格での免税品販売が行われる。さらに、海外旅行解禁後1年以内に使える台湾―日本間の往復チケットを搭乗者にプレゼントする。

初日である8月6日の福岡までの擬似出国体験のフライトは雲に阻まれ、上空からの景色は楽しめなかったという。

 

マカオ:観光地の店舗賃料が10年前の水準に低下

米不動産サービス大手ジョーンズ・ラング・ラサール(JLL)によると、マカオ屈指の観光地であるセナド広場にある店舗物件に、賃料相場を7割下回る水準で一部テナント企業が入居した。マカオ・デーリー・タイムズ(電子版)は新型コロナウイルスの影響で観光客が激減する中、10年前の水準まで低下したことになると伝えた。   

JLLは観光地では店舗物件の空室率が急上昇しており、提示価格を昨年同期の水準から3割に引き下げても投資家の関心を引きつけられなかったと分析しており、一部の物件オーナーは、短期的に賃料の支払いを免除するか、最大で2~5割下げることを申し出たと推察している。

 

香港:飲食店2,000~3,000軒が倒産危機

香港内の新型コロナウイルス感染者は8月9日までに合計4007人、死者合計は47人となっており、病院ベッドの不足により自宅待機の感染者が増えていることも問題となっている。4~6月のGDPは9%減、1~3月は9.1%減で1974年の統計開始以来で最悪となった。

香港餐務管理協會(ケータリング管理協会)の楊会長は「店内飲食禁止により、テイクアウトを提供しない中華料理店の経営が厳しい。9月は通常、結婚式の宴会で繁忙期となるが、新型コロナウイルスの影響でキャンセルが増えれば大きな損失となる。2,000~3,000軒が倒産するだろう」と話した。

 

宿泊客にコロナ検査キットを提供

新型コロナウイルス感染疑いのある人の宿泊を受け入れている帝盛酒店集団(ドーセット・ホスピタリティー・インターナショナル)は22日から、宿泊客を対象に感染の有無を調べるための検査キットの提供を始めた。
検査キットは香港政府指定の検査機関から提供されるもので、利用者は検査機関のガイドラインに従いオンライン上で必要な情報を登録し、サンプルの回収を依頼。検査機関は24~48時間以内に検査結果を通知する。検査キットは要望があれば市民にも985HKドル(約1万3500円)で販売するという。
香港医学会の梁子超・伝染病顧問委員会主席は「感染していても陰性判定となる『偽陰性』の可能性もあるため、症状がある場合などは医師による診断が必要」と注意を促した。

 

やまとごころでは、重点20市場における入国規制の状況を一覧にまとめています。
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各国・地域の入国規制まとめ

 

 

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