インバウンドコラム

水際対策緩和で入境者増加の香港、最大規模の旅行イベント・香港国際観光展開催

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香港では厳格な入境規制などによって2021年末まで域内感染をほぼゼロに抑え込んできたが、12月末以降はオミクロン株の影響で第5波に見舞われ、新規感染者が急拡大した。しかし、今年春頃には感染者が減少し、4月以降は水際対策の緩和を段階的に行っている。今回は、香港の水際対策緩和の話題を中心に、現在の状況をお伝えする。

 

香港、強制隔離3日に短縮で、入境者増加

香港政府は8月12日より、海外からの入境者に義務付けている指定検疫ホテルでの強制隔離を、これまでの最短7日間から3日間に短縮した。強制隔離が短縮された翌日の8月13日には入境者数が約7000人、出境者数が約5700人となり、香港政府が水際措置を緩和した4月以来、最大の人数に達した。

なお、3日間の強制隔離期間の終了後は4日間の健康観察が求められるが、自宅または一般のホテルに滞在できる。健康観察期間中は、飲食店、フィットネスセンター、美容院、老人ホームなどに立ち入ることができないが、当日の抗原検査が陰性の場合は、公共交通機関の利用、通勤、通学のほか、ショッピングモール、デパート、市場などへの出入りが可能だ。

入境の際には渡航48時間以内に実施したPCR検査の陰性証明書、指定検疫ホテルの予約票、ワクチン接種証明書の提示と、健康申告の入力が義務付けられている。防疫を目的としたスマートフォン向けの追跡アプリ「LeaveHomeSafe」をインストールし、入境時にQRコードを読み取る必要がある。QRコードは「赤、黄、青」の3種類で区分され、陽性者は赤色、海外からの入境者は黄色が表示される。

 

香港最大規模の旅行イベント「香港国際観光展」日本ブースも多数出展

JNTOの8月17日の発表によると、7月の訪日香港人数(推計値)は前年同月比の約4.3倍となる延べ1100人だった。前月比では37.5%増加し、コロナ禍前の2019年同月比では99.5%減となっている。今年1〜7月の総数は前年同期比568.6%増の4600人で、2019年同月比では99.7%減だった。8月12日から開始された香港の水際対策の緩和で、今後さらなる増加も期待できそうだ。

香港では8月18日から4日間の日程で香港国際観光展が開催された。個人旅行を好む富裕層が多く訪れる香港最大規模の旅行関連イベントで、日本や韓国などの政府機関や自治体が参加した。新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着き、各国の出入国制限が続々と緩和されたこともあり、今年は参加国・地域が昨年より大幅に増加し、一般公開された後半の2日間にも多くの来場者があったという。

日本のブースには、山陰、北関東、埼玉、兵庫、熊本など、あわせて15の自治体・団体が出展した。

韓国では香港人観光客のノービザ渡航が再開されたため、韓国の旅行会社も相次いで香港人観光客向けのプランを打ち出した。訪韓香港人は大幅に増加しており、2022年6月の約600人から7月には1200人に増え、8月は2000人に達する見込みだという。

 

香港最大の食の展示会「フードエキスポ」開催、日本産米おにぎりが人気

香港国際観光展に先立つ8月11日〜15日には、香港貿易発展局が主催する美食博覧(フードエキスポ)、家電・家品・博覧、美与健生活博覧(ビューティ&ウェルネスエキスポ)、香港国際茶展がそれぞれ開催され、約1000社が出展、延べ43万人が来場した。日本貿易振興機構(ジェトロ)は、全日本コメ・コメ関連食品輸出促進協議会、香港でおにぎり店を100店舗以上展開する百農社国際と連携し、日本産米の食育ブースを出展した。ブースには連日多くの来場者が集まり、日本米への理解を深めていったほか、配布したおにぎり作成キットも瞬く間に配布終了になった。

 

キャセイ航空は前年同月比約4倍の旅客数、香港エクスプレスは日本線を増便へ

香港の航空最大手キャセイパシフィック航空は8月16日、7月の旅客数が前年同月比約4倍となる延べ21万9746人だったと発表した。香港政府が4月以降、水際対策の緩和を続けていることで、旅客数が増加している。同社が8月10日に発表した上半期決算は、最終損失が50億香港ドルとなり、前年の75億7000万香港ドルから赤字が縮小した。

香港のLCC香港エクスプレスは8月28日以降、「成田=香港」線、「関西=香港」線、「福岡=香港」線を順次増便する。現在はそれぞれ週1便の運航となっているが、28日以降はそれぞれ週3便運航するなど、国際観光再開に向けた動きも加速している。

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