2023年 09月 22日
ちょっぴり作る楽しみ |
クッキーを焼くとき、手間は同じだからと、レシピの二倍の量で生地をこしらえて、焼かないぶんは冷凍する。
パウンドケーキも2本焼いて、ひとつは冷凍。
味噌を仕込むのも同じ理由でたくさん仕込んで食べきれなくて黒く酸化して廃棄したことがある。
なんでも大量に作る傾向がある。
そうすればひとつあたりの手間が軽減されるだろうという計算だが、作ったことに満足して食べきれなくて、そのうち忘れてしまった挙句無駄になるということがある。
そんなことは、もうやめたい。
ほとんどの日本のレシピを見ると、こんなままごとみたいな分量では手間が勿体ないと倍にしていた。
ここに住んでも日本人でいることに変わりなく、体も胃袋も大きくなったのでもないから、食べる量も日本基準で良いはずなのに。
なんでも大きいほうがいい、たくさんあったほうがいい、という性質は、アメリカに住んでいるからかというと、実は母にもあった。
生業が自営業で、卸値を知ると、何を買うのも卸値で買わないと損をする、というので、果物など箱買いをいうのが常であったのを見て育ったのが、いまのわたしの性癖の根源かもしれない。
あまり量を食べられなくなったし、いろんなものを少しづつ食べたいから、手間や時間を惜しまず、ちまちまと料理したいと思うようになった。
食べるごとに食材を求めて、食べきる習慣を身に着けたい。
作り置きをしないように心がけよう。
雑草や野の花や実を摘んで、かまぼこ板みたいな小さなおもちゃのまな板とプラスチック製の包丁で、ままごとの料理をして遊んだ童心に還りたい。
ままごとの楽しさを思い出したい。
クッキーの生地を作るのにバターがたった100gというものでも、ちょっときっちり丁寧に作って焼いて、焼きたての香りを嗅いで味わいたい。
成田空港の近くの航空会社系のホテルに宿泊した際、室内のデスクにお土産カタログというのが館内の案内冊子と並べられていた。ヨーロッパなどに出かけても、日本にいながら現地の土産を購入できて、わざわざ遠方から持ち帰る手間が省けるというものだ。
お土産のほとんどが焼き菓子で、銘柄の知られるものばかりで化粧箱もきれいだから、なるほど見栄えするが、中身のお菓子は果たしていつ焼かれたものなのか。
レシピが特別であるとか、どこのバターを使ったものだとか、それらの人気の理由はさまざまでも、家で自分の納得のいった材料で焼くほうが、新鮮でおいしいに決まっている。
粗食でいい。
独り暮らしを始めたときのように、易しいレシピを少しだけ作りたい。
素材によっては、ただ洗って切ればじゅうぶん美味しいものも多い。
by ymomen
| 2023-09-22 02:45
| 食
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