2024年 10月 13日
コロラド土産は |
もうじき義母と叔母3人に会う。
叔母は義母の妹たちで、義母は89歳。
叔母たちは70代から80代。
義母は10人きょうだいの4番目。
わたしたちが結婚して32年になるから、彼女らに初めて会ったのは、彼女らが40代なのだけれど、あのときからいままでずっと婆さんのような気がするのは失礼なことだ。
だけど、知らない婆さんはいかにも老いているけれど、叔母たちは長く知っているせいか、それほど婆さんぽくない。
自分だっていつのまにか婆さんになってしまった。
リタ叔母の家に二晩世話になる。
最後にニューヨーク州の彼女の家を訪れたのは、みあが産まれた年の感謝祭のことだから25年前のことになる。
リタ叔母は余命を限られた母を引き取って看護していて、次女のイロナは中学生であった。
イロナが祖母の世話を助けるのがかいがいしく、試験の成績の褒美にリタ叔母が持ち帰った柘榴の実をたいそう喜んだのが清々しく、わたしもこんなふうにみあを育てたいと思ったものだった。
夫にとっての祖母に面会するのが最大の目的の旅だった。
初めて会う義母方の祖母は、もはや寝たきりだったけれど、信仰のせいか悟ったような安らかさがあった。
もともと整った顔立ちの穏やかな顔には、高齢なのに不思議なほど皺も染みもなく、美しかった。
同行した義弟がみあを抱いて、リタ叔母とつれあいのラヴェンタ叔父が丹精する果樹園を散策した。
まだ若かったダンが、水色の前に抱くねんねこにみあを抱いて笑っている写真がある。
彼もとっくに50を過ぎたけど、独身のまま。
会うたびに、35歳未満のモデルのような美女を連れている。
イロナはいま、当時のわたしよりも年をとって3人のこどもに恵まれて大学教授の夫と、ふるさとを離れて暮らしている。
手土産を考えた。
リタ叔母に、となると、ほかの叔母、それを目撃する義母にもなにかを用意せねばなるまい。
姉妹だから、ひとのこどものたったひとりに土産をやると角が立つのと同じ。
コロラド土産というものもない。
着るものも、装飾するものも、喜ぶとは思えない。
おはこのバッグを縫うことにした。
トートバッグなら、使い道があるだろう。
スーパーマーケットで販売しているエコバッグは、ありがたがられるようだから、そういう扱いで役にたってくれればうれしい。
ばかの一つ覚えのバッグだけど、きれいな布で縫えば、喜んでもらえると思う。
4つ縫って、4人に同時に見せて、好きなものを選んでもらおう。
容量がいくらか違う。
うちふたつは大きな葡萄柄。
もうひとつは黄色に花。
もうひとつはキャンパー。
しばらく広げなかった厚手の布をこの機会に使ってしまおうとしたら、淵にジヴァンシーだの、ラルフ・ローレンだのとプリントされていて、そんなこと、いまのいままで気づかなくて、惜しくなって、そうではないのを使った。
確かに垢ぬけていて鮮やかな花柄が気に入っていたけれど、ジヴァンシーだなんて知らなかった。
買い物バッグに縫うなんて、贅沢の極みではないか。
ラルフ・ローレンのは昔、これで座布団カヴァーを縫った。
このときもブランドのプリントに気づかなかった。
義母は施設で暮らしているから、もうスーパーマーケットには行かなくて、車椅子で移動しているからあんまり大きなバッグは迷惑だろう。
果樹園に住んでいるリタ叔母は、果実を摘むときにも使うかもしれないから、どれも持ち手を頑丈に縫った。
栗の木もある。
去年はできが悪かったらしいけど、今年はどうかしら。
25年前の叔母は黒々とした長い巻き毛を垂らして、ハンガリーから亡命してきた夫がピアノを弾いて彼女が歌う姿は、イタリア直輸入のオリーブオイルの缶に印刷されている美女みたいだった。
スーパーマーケットに行くと、数時間何かしらじっくり見ているアリス叔母には、こういうのが相棒になると思う。
ふだんから持ち物の多いカミラ叔母は、サブバッグとして使ってくれそうだ。
by ymomen
| 2024-10-13 01:42
| 布と糸あそび
|
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Comments(6)
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mchappykun3 at 2024-10-13 03:03
こんにちは。
手作りの頑丈なトートバッグ、気に入って下さること、間違い無しですね。こういう素敵なバッグをチャッチャと作ってしまうもめんさん、素晴らしいです。
手作りの頑丈なトートバッグ、気に入って下さること、間違い無しですね。こういう素敵なバッグをチャッチャと作ってしまうもめんさん、素晴らしいです。
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Ziggyus at 2024-10-13 03:11
momenさん、こんにちは!
こういうお土産、絶対喜ぶはず!! 人によっては手作りのものは好まない人もいるけど私は作ってくれた人が自分の事を考えながら、喜ぶのを期待して手間暇かけて作ってくれたことを知ってるから すごく嬉しいです! お義母さんも義叔母さん達もきっとそんな気持ちだと思うな。
こちらでも例えばNaturary Groceryのようにプラスチックバッグがなかったり、Sproutsのようにプラスチックバッグ一枚いくらとチャージしたりするお店がでてきたので私も常にバッグの中に折り畳みできるエコバッグを持ち歩いています。
こういうお土産、絶対喜ぶはず!! 人によっては手作りのものは好まない人もいるけど私は作ってくれた人が自分の事を考えながら、喜ぶのを期待して手間暇かけて作ってくれたことを知ってるから すごく嬉しいです! お義母さんも義叔母さん達もきっとそんな気持ちだと思うな。
こちらでも例えばNaturary Groceryのようにプラスチックバッグがなかったり、Sproutsのようにプラスチックバッグ一枚いくらとチャージしたりするお店がでてきたので私も常にバッグの中に折り畳みできるエコバッグを持ち歩いています。
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hanamomo60 at 2024-10-13 16:41
こんばんは。
今日の秋田はいいお天気でしたがもう日が陰ってきました。
blogを拝見し、母方の叔母たちや今は亡き義母の妹たちの事を思い出していました。
こういうプレゼントはとてもいいと思います、喜ばれるでしょうね!
歳を取ると手の器用な人でも自分で縫ったりすることが億劫になるのです。
そして普段使いのものが一番うれしいと思います。
木綿さんの縫われた手提げはどれも素敵ですが、私は黄色の花柄の生地が好きです。
どうぞ気をつけて楽しんできてくださいね。
↓の胡桃クッキーも美味しそうですね。
クルミっ子も大好物です。
今日の秋田はいいお天気でしたがもう日が陰ってきました。
blogを拝見し、母方の叔母たちや今は亡き義母の妹たちの事を思い出していました。
こういうプレゼントはとてもいいと思います、喜ばれるでしょうね!
歳を取ると手の器用な人でも自分で縫ったりすることが億劫になるのです。
そして普段使いのものが一番うれしいと思います。
木綿さんの縫われた手提げはどれも素敵ですが、私は黄色の花柄の生地が好きです。
どうぞ気をつけて楽しんできてくださいね。
↓の胡桃クッキーも美味しそうですね。
クルミっ子も大好物です。
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ymomen at 2024-10-14 00:49
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ymomen at 2024-10-14 00:57
ziggyさん
おはようございます。
コロラドでは、どこの小売店でもバッグは有料になって久しいです。
小さく畳めてハンドバッグに入れておけるのもいいですよね。
どこに出かけるのも車が足のここでは、バッグを畳むのも面倒になってきたのか、いくつも繰り返し使えるバッグを手にしてスーパーマーケットに入るひとが多いようです。
片思いのひとからのセーターは困る、というように、自作のものは、っていうの、あるのでしょうね。
もの、によるでしょうか。
あんまりしつこい思いが込められているものは怖いかもしれない 笑
おはようございます。
コロラドでは、どこの小売店でもバッグは有料になって久しいです。
小さく畳めてハンドバッグに入れておけるのもいいですよね。
どこに出かけるのも車が足のここでは、バッグを畳むのも面倒になってきたのか、いくつも繰り返し使えるバッグを手にしてスーパーマーケットに入るひとが多いようです。
片思いのひとからのセーターは困る、というように、自作のものは、っていうの、あるのでしょうね。
もの、によるでしょうか。
あんまりしつこい思いが込められているものは怖いかもしれない 笑
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ymomen at 2024-10-14 01:10
hanamomoさん
おはようございます。
こちらはきょうも晴天です。
昼間はまだまだ暑いです。
義母も叔母叔父たちもみんなわたしによくしてくれました。
アリス、カミラ叔母は信仰に人生を捧げて結婚しなかったこともあって、ますます姪や甥を可愛がっていたようです。
喜んでくれるといいです。
わたしも黄色いのがいちばん好きです。
黄色は着ない色なので、持ち物に黄色があると元気がでます。
大好きなレモンの色です。
くるみっこ、それまで知らないお菓子でした。
日本を発つ日が迫って昼食に会ったとき、なにも持ってこないでね、と言ったのに、そのともだちはくるみっこと、文庫本2冊をくれて、どっちも大当たり。
彼女が呉れるものは、はずれたことがない、贈り上手なひとなのです。
おはようございます。
こちらはきょうも晴天です。
昼間はまだまだ暑いです。
義母も叔母叔父たちもみんなわたしによくしてくれました。
アリス、カミラ叔母は信仰に人生を捧げて結婚しなかったこともあって、ますます姪や甥を可愛がっていたようです。
喜んでくれるといいです。
わたしも黄色いのがいちばん好きです。
黄色は着ない色なので、持ち物に黄色があると元気がでます。
大好きなレモンの色です。
くるみっこ、それまで知らないお菓子でした。
日本を発つ日が迫って昼食に会ったとき、なにも持ってこないでね、と言ったのに、そのともだちはくるみっこと、文庫本2冊をくれて、どっちも大当たり。
彼女が呉れるものは、はずれたことがない、贈り上手なひとなのです。