319(日) 1400Pikaraスタジアム

 

J3リーグ 第3節 讃岐x相模原(10

                  

天気:晴れ 気温:15℃ 風:弱風 動員:1,789

 

・讃岐の最近の2試合

 

沼津 〇10H) ※起死回生の劇的勝利

 

北九州 ●03A) ※内容は良かったが完敗

 

ここまでの成績 第13位 勝ち点 3 得失点 ‐2

 

・対戦相手(相模原)の最近の2試合

 

鳥取 ●23H

 

福島 〇21H

 

ここまでの成績 第9位 勝ち点 3 得失点 0

 

雑感

 

 今日は勝利であった。これで開幕戦に続いてのホームゲームでの連勝となった。最高の滑り出しであり、想像の遥か上を行く喜ばしい状況と言えよう。皆が声高に叫ぶ訳ではないが心の奥底に抱えている残留への不安。こういう物を払拭するには十分過ぎる勝ち点6である。これから紆余曲折あるのだろうが、この勝ち点が減る事はないの残留への説得力を持ちうる。

 スタメンに関しては1枚の変更であった。奈良坂に代えて小松が起用されている。前節特別奈良坂が悪いという感想は持たなかったが、監督の評価は違ったのだろう。小松については怪我さえ無ければ当然レギュラーという選手である。足もとの技術やキック精度には不安があるのだが、それを補って余りある対人能力やスピードを有している。米山監督のサッカーは比較的DFにもフィード能力を求めているように思う。そういう意味ではこれは意外な人選であり、今日のゲームプランが透けて見えるような気もする。そしてベンチに目を移すと下川鳥飼がいなくなっている。怪我なのかも知れないが、この采配からは守備での貢献度が低い者は序列を下げられるという意思が感じられる。身体能力が無いとなかなか試合に絡めないのではないか。代わりにベンチに入ったのが武下小山である。このアカデミー上がりの2人に身体能力があるのか謎であるが、チャンスであるのでモノにしてほしい。

 試合の内容に関して、序盤は両者ともアグレッシブに試合に入ったように思う。互角の展開ではあったが、やや讃岐が相模原をリスペクトした布陣であったように思う。私は当初4バックであるように考えていたが、相手の両サイドが極端にライン際に張っていたので、讃岐はこれに対して特殊な対応をしていたように思う。両SH(森と川崎)は相模原が同サイドでボールを持った時に、最終ラインに吸収されて張った選手を見ていた。結果としては5バックで対処する事が多かったが、相手のCFは不在というゼロトップである。讃岐は無駄にスペースをケアするような恰好になっていた。そんな折に讃岐に先制点が入る。キーパーからのフィードがスムーズに後藤まで繋がる。これを逆サイドのオープンスペースに展開するとフリーの金井がダイレクトでペナの中の赤星にクロスを上げる。これを決めた。赤星のトラップミスがDFと入れ替わるような形になった事が、決定的な要素となった。縦に速い攻撃のお手本であった。金井は技術が高いのでダイレクトという選択が当然のように出てくるのが素敵である。

 ここから讃岐はリトリートする。プレスは前の選手がミドルゾーンから行くくらいで、基本的には5バックで中を閉めていた。振り返るとこの時間帯が最も危ない時間帯であったように思う。球際では戦えていたので選手は奮闘していた。しかし人を捕まえる事が出来ていなかったので、かなり相模原にペナの中への侵入を許していた。相模原は裏抜けに関してはかなりハイレベルであったように思う。完全なハーフコートゲームで決定機を幾つも作られていた。このままハーフタイムまで様子を見る事は危険であるので、米山監督は川崎を左WBに持ってきて5バックにした。後藤と森がシャドーである。これが奏功したのは後半であるが、人を掴む事に関してはハッキリして良かった。

 後半も基本的にはずっと相模原がボールを握っていたが、前半のように裏を取られてバタバタするような事は無くなった。割り切った守備という言い方が相応しいと思う。後半の相模原のチャンスは、讃岐のミスか複数の質の高いプレーの連続によってもたらされた。讃岐のミスが無い訳ではないが、以前に比べれば激減しているので、この点の心配は不要なのであろう。そして相模原にそこまで質の高いプレーヤーはいなかった。最後の10分ぐらい、相模原は裏に蹴るようになった。それが全くの無駄とは言わないが、讃岐が対処可能な範囲内でもあった。少なくともやりたいサッカーではなかったように思う。結局そのまま讃岐が逃げ切った。

 今日の讃岐の良かった点については、ゲームの趨勢(すうせい)に応じてシステムを柔軟に変更できた点が挙げられる。相手が5トップのような時に、どのように対処する事が賢いのか。極端にディフェンシブな思考ではあるが、5バックという解決法もアリではある。また人が足りていても、デュエルで負けていたのでは結局破られてしまう。そういう意味では選手達は球際で全く負けていなかった。選手達も監督の戦術に応えたと言える。そして奪ったボールを失う事なく、しばらくゲームを作る必要もある。この点で過去の讃岐は散々失敗してショートカウンターでやられてきた。今日は捨てる所は捨てる。繋ぐ所は繋ぐ。その判断と繋ぐだけの技術や練度が見られた。それすらできない、本当に下手な選手は試合には出られない。最低限のビルドアップが根付いている点に安心した。

 逆に悪かった点は露骨な時間稼ぎである。リードしてからというもの、プレーが止まってからの再開が遅過ぎる。確かに相手のリズムにしない為に有効ではあるが、見ていて気分の良いものではない。後半終了間際であれば理解できるがゲームを通じて終始やるべきではない。このようなやり方に慣れてしまうと、90分間走るという部分で退化してしまう。もう1つの残念な点はカウンターがほぼ見られなかった事である。ベタ引きは結構であるが、カウンタ―を撃たなければいずれ決壊してしまう。今日は守備で上回れたが、毎回成功するようなやり方ではない。この部分は残留争いをする上での必須条件であるので今後の課題である。

 対戦相手の相模原に関しては、前半は可能性を感じるサッカーであったように思う。中央の3レーンでは面白いように裏を取れていた。讃岐の対応が悪かった点もあるが、この時間帯がチャンスタイムであった。よく訓練されている。後半は手詰まりになったが、これは引かれた相手を崩せないという、選手の技量による問題である。スペースがより狭い後半にはミスを連発していた。J3をかつて席巻した藤枝や宮崎や熊本のような、中速度で走りながらの技術が備わっていない。止まって足もとに付ける事ではブロックは崩れない。ただものすごく若いチームであるようなので、練習を積めば今季の途中から崩せるようになるかもしれない。そうなれば来季以降は昇格候補となる。

 

選手個人について

 

・奥田 この試合のMOMである。1つだけミスがあったが他は完璧であった。全てにおいてハイレベルなプレーをしている。足もとやキック、対人や読み予測、頼りになる存在である。

 

・赤星 素晴らしいポストプレーであった。長身であるので空中戦は強いのだろうが、それだけでは片づけられない圧倒的な勝率である。滞空時間が長いジャンプを持っているので相手からすると厄介である。今日は得点も決めており現状外せない。

 

・加藤(相模原の2番) この選手はJ3では余裕を持ってプレーしてしまうだろう。このまま行けば個人昇格するように思う。

 

監督について

 

 今日は現実的なサッカーを予定していたように思う。先制した事でそれがより極端な形になったが、勝つ事や勝ち点を取る事が讃岐には何より必要であるとマジで思っているようだ。私などより真剣に勝負に徹している(当然だが)。北野監督もそうであった。そして後に何も残らなかった訳であるが、そうはならないでほしい。現在のサッカーでは勝負師というだけでは残留なり昇格なりという結果さえも達成できないと思う。今日のような試合も必要ではあるが、勝ち点を積む為には攻撃的でなければ効率が悪い。

 

次節について

 

 次節はアウェイの鳥取戦である。鳥取はおそらく今年昇格争いに参加する。相模原のようなこれからのチームではなく、もう既に基盤を持っているチームである。真っ向からやり合うと大敗するのでベタ引きになるのだろうが、カウンターが撃てないとトラウマ級のスコアが待っている。カウンターを撃てる仕組みやメンバーを期待したい。

 

コメント歓迎です。

 

以上

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