2009年07月01日
「激変」の謎
1)ウーハーの取り付けネジを締めたら激変。昨日までの低音は何だったのか!
2)古い機器の端子をクリーニングしたら激変、ベールが2枚も3枚も剥がれた。接点は悪だ、直結してしまおう。
3)アンプの脚にダンプ材を挟んだら激変。S/Nが一桁上がった。アンプの脚ってこんなに重要だったのか!
…などなど
オーディオいじりを始めてから25年、毎月のようにこんな発見と感動があった。
しかし、一通り経験してみてここ1〜2年すっかり落ち着いてしまい、「激変」なんて感じることは滅多に無くなり、音が変わっても極めて冷静に「素材の音が乗ってるだけだ」と判断してしまう自分がいる。
スピーカーを換えようが、アンプを換えようが、普通に(!)使えばどれも良い音がするし、音色が違うだけのような気がしてきた。
よく「これまで聴こえない音が聴こえてきた」という最上級の誉め言葉があるが、ハイ上がりになってそう聴こえる場合もあるので、必ずしもクオリティが上がっているわけではない。
今考えると、解像度が上がった、透明度が上がったなんていうのは鳴り方がデッドに変わっただけではなかったか?染みを隠してアイシャドウで目元パッチリみたいな…。気がついたらピエロになってたりでこれまたビックリなんて…。
それはともかく、1)の「激変」について考えてみる。僕は経験がないのだが、久しぶりにネジを締めたら1回転して、音も激変した。ところが翌日に聴いてみると昨日ほどの感動はない。更に1週間したらもう増締めしたことすら忘れている。
あれ?、こないだの「激変」は一体なんだったんだ?って疑問が湧いてこないだろうか。
以下は僕の勝手な推測である。………
ここでは機械と人間の両方を考えなければならない。
スピーカーのネジを締めた当日はフレームに強いストレスがかかり(変形する)ので、パッツリとしたメリハリのある音が出てくる。
しかし時間が経つにつれてフレームがバッフルに食い込んでいって歪みが取れて、締める前の状態に戻る。当然ながら音も元に戻る。
これだけでも十分説明はつくが、聴く側の問題もある。よほど訓練された人ならともかくとして、普通は音を「変化量」でしか捉えられないので、増締めした直後は違いに驚く。激変だ。
ところが一晩聴いているうちに「慣れ」の現象が出てきて何とも思わなくなるのだ。
選挙ポスターの右側を見てもらいたい。長崎幸太郎は普通だ。これがネジを締める前の音だとする。
次に目を左に移すとつんく♂が出ている。ネジを締めた直後だ。これはビックリ、激変だ(笑)。誰かに見せたい!(変化量に対する反応)
ところが何度も繰り返し見ているうちに、不思議と違和感が薄れてくることに気がつく。つんくだってちゃんとネクタイにスーツ着てるし、髪もそんなに茶色くないし、ハンカチまで入れてていいじゃないか。顔は長崎幸太郎よりいいし、これもアリではないか!と思うわけだ。(慣れの段階)
2種類のケーブルをA→B→Aと替えて聴き比べると、大抵の場合、A→Bに比べてB→Aの変化は少なく感じる。これは長崎→つんく→長崎と考えてもらえばよい。新しいBの音(つんく)を経験して耳の許容範囲が広がるのだ。
このように「激変」の謎は機械と人間の双方から作り出される現象なのだ。(完全に推測だが)
2)古い機器の端子をクリーニングしたら激変、ベールが2枚も3枚も剥がれた。接点は悪だ、直結してしまおう。
3)アンプの脚にダンプ材を挟んだら激変。S/Nが一桁上がった。アンプの脚ってこんなに重要だったのか!
…などなど
オーディオいじりを始めてから25年、毎月のようにこんな発見と感動があった。
しかし、一通り経験してみてここ1〜2年すっかり落ち着いてしまい、「激変」なんて感じることは滅多に無くなり、音が変わっても極めて冷静に「素材の音が乗ってるだけだ」と判断してしまう自分がいる。
スピーカーを換えようが、アンプを換えようが、普通に(!)使えばどれも良い音がするし、音色が違うだけのような気がしてきた。
よく「これまで聴こえない音が聴こえてきた」という最上級の誉め言葉があるが、ハイ上がりになってそう聴こえる場合もあるので、必ずしもクオリティが上がっているわけではない。
今考えると、解像度が上がった、透明度が上がったなんていうのは鳴り方がデッドに変わっただけではなかったか?染みを隠してアイシャドウで目元パッチリみたいな…。気がついたらピエロになってたりでこれまたビックリなんて…。
それはともかく、1)の「激変」について考えてみる。僕は経験がないのだが、久しぶりにネジを締めたら1回転して、音も激変した。ところが翌日に聴いてみると昨日ほどの感動はない。更に1週間したらもう増締めしたことすら忘れている。
あれ?、こないだの「激変」は一体なんだったんだ?って疑問が湧いてこないだろうか。
以下は僕の勝手な推測である。………
ここでは機械と人間の両方を考えなければならない。
スピーカーのネジを締めた当日はフレームに強いストレスがかかり(変形する)ので、パッツリとしたメリハリのある音が出てくる。
しかし時間が経つにつれてフレームがバッフルに食い込んでいって歪みが取れて、締める前の状態に戻る。当然ながら音も元に戻る。
これだけでも十分説明はつくが、聴く側の問題もある。よほど訓練された人ならともかくとして、普通は音を「変化量」でしか捉えられないので、増締めした直後は違いに驚く。激変だ。
ところが一晩聴いているうちに「慣れ」の現象が出てきて何とも思わなくなるのだ。
選挙ポスターの右側を見てもらいたい。長崎幸太郎は普通だ。これがネジを締める前の音だとする。
次に目を左に移すとつんく♂が出ている。ネジを締めた直後だ。これはビックリ、激変だ(笑)。誰かに見せたい!(変化量に対する反応)
ところが何度も繰り返し見ているうちに、不思議と違和感が薄れてくることに気がつく。つんくだってちゃんとネクタイにスーツ着てるし、髪もそんなに茶色くないし、ハンカチまで入れてていいじゃないか。顔は長崎幸太郎よりいいし、これもアリではないか!と思うわけだ。(慣れの段階)
2種類のケーブルをA→B→Aと替えて聴き比べると、大抵の場合、A→Bに比べてB→Aの変化は少なく感じる。これは長崎→つんく→長崎と考えてもらえばよい。新しいBの音(つんく)を経験して耳の許容範囲が広がるのだ。
このように「激変」の謎は機械と人間の双方から作り出される現象なのだ。(完全に推測だが)