とある工場経営の方が社員間の情報伝達の手段として社内に特定省電力トランシーバーを導入しました。
同じ部屋内だと問題ないみたいですが壁一枚あると雑音だらけでとても話になるレベルじゃないらしいです。
そこである業者に無線LAN型のトランシーバーを見積もってもらいました。
機器はアイコムのIP100H

トランシーバー20台と仮定してシステムを組むとざっとこんな見積りが出ました。
mitsu

これに配線工事や設定費用が加わればおそらく150万を軽く超えるでしょう。

ということで格安・・・というか無料構築プランを提案

いるもの

  • 余っているパソコン
  • 余っているスマホ台数分

こんだけです。
Wi-Fi環境は既存の物でOKで、別途専用の物を買う必要なし。

パソコンにフリーのPBX(交換機)のサーバーをインストールし、内線電話の親機とします。
スマホにはSIPクライアントのソフトを入れて子機とします。
もし子機となるスマホが足りなければ最近では新品でも1万円弱出せば入手できます。

PBXサーバーはAsteriskNOWを使わせてもらいます。
こちらからISOファイルをDLし、余っているパソコンでブートしインストール。
インストールが終わればルートでログインし、静的IPに設定変更します。
たったこれだけでサーバーはできあがりですからビックリです。

できあがったサーバーへ別のPCからブラウザでアクセスするとGUIの管理画面へ移動できます。
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ApplicationsのメニューからExtensionを選択しSIPクライアントを登録します。
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User Extensionに内線番号、Display Nameに名前、
ちょっとスクロールしてSecretがデフォルトでは長い文字列になっているので覚えやすい物に変更。
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Submitで追加します。
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メニューにApply Configというのが出ているので反映します。
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続いて子機側
SIPクライアントソフトはいっぱいあるのですが今回はCSipSimpleをインストールしました。

アカウント追加でBASICを選択し、アカウント名とユーザー名に先ほどサーバーにて設定した内線番号、サーバーにサーバーのアドレス、パスワードに先ほど設定したパスワードを入力すれば子機の完成です。

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登録した内線番号にかけてみます。
見事通話できました。
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電話と同じくクリアな相互通話が可能で、SIPクライアントソフトを入れればPCとも通話可能です。
重くて通話品質の悪いトランシーバーは蚊帳の外となりました。