昔職場にいた勘違い野郎の話。

とにかく仕事のできないやつだった。
さらに、なぜか自分は正しいという思い込みがあり、
上司や先輩に注意や指導を受けるとふてくされ、悪いのは他のやつだの一点張りで、
後で「あんな上司とは働けないよなあ」などと、我々に同意を求める有様。

また、社会人歴10年以上とは思えないほど社交性.がなく、
社内ですれ違った他部署の社員に挨拶されても、
視線をそらして気づいてませんアピールをしつつ通り過ぎるのみ。
他部署に書類を届けに行ったのに、
「誰もボクに声をかけてくれなかった」という理由でそのまま持って帰ってきたこともあった。

そんなやつだったので、入社１年経つころには完全放置されてたんだが、
そいつが妙な自分ルールで勝手に仕事を進めたため、他部署から猛抗議を受ける事態になった。
上司が叱ってもいつものふてくされと俺は悪くない主張を繰り返すのみ。

そいつに手を焼いていた教育係の先輩（仮にＡ子さん。美人でまじめで笑顔を絶やさない人）が、
責任を感じて、それから何日か、遅くまで残ってそいつを再教育した。
厳しく言ったらふてくされて反発するだけだから、
なるべく優しく、「がんばろうね」というスタンスでやったそうだ。

そうしたらそいつ、何日目かの退社時（深夜）、Ａ先輩に向かって、
「俺は結婚してるから真剣なお付き合いはできないけど、
　一夜限りの火遊びなら、付き合ってあげるよ？」とか抜かしたそうな。
深夜までの指導を、自分に惚れてて気を引きたいからだと思ってたのかと、Ａ先輩、大激怒。
翌日怒り狂って上司に報告し、教育係から降ります宣言をして、
以降そいつとは口も利かなくなった。
問題の男のほうはめげないもんで、
「真剣な付き合いはできないと言ったら、Ａ子が怒ってしまった」
と同期の連中に言って回り、誰からも訂正すらしてもらえなかったそうだ。