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□大泉秀治 オーイズミ代表取締役副社長

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■時代ニーズに呼応し存在意義を強化

遊技市場を俯瞰(ふかん)すれば、ファン人口の減少など、そのシュリンクが問題視されている。そもそも、業界の構造自体に無理が生じている。世間や業界の現実を鑑みれば、もはや経営を健全に成り立たせるためにも、システム自体を適切な形に変えていくしかない。

まず、分かりやすいところでは遊技機価格の上昇。それぞれの企業事情もあると思われるが、パチンコホールが健全に経営できることを前提に、その価格を決める視点は重要だ。

ただ、弊社も周辺機器にとどまらず、遊技機を製造・販売している背景で、開発リスクを考えれば、極端に安価でマシンを提供することは不可能だ。異論はあるかもしれないが、ファン満足に軸足を置き、メーカーとパチンコホールのWIN-WINの関係を実現していくためにも、カジノやゲームセンターで導入されている「レベニューシェア」での機械運用など、抜本的な構造の見直しも視野に入れるべきだろう。

また、持続可能な産業の成長に向けた規制緩和や既存の仕組みを打破するためには、まず遊技業界が社会に受け入れられる形に持っていくことが必要だ。それには、われわれが大衆娯楽として何を試すべきか、どう在るべきかを考え、行動することが前提に求められる。

まず「社会にふさわしい形」を模索したとき、少子高齢化社会を背景にした対応は急務だろう。現状、スケールメリットを打ち出した大型店舗が増えているが、将来的に地域のコミュニティーにおいて、コンビニスタイルで店舗展開し、高齢者の娯楽やコミュニケーッションをフォローする志向は重要だと思われる。規模は小さくても、立地的にも精神的にも人々の身近にあり、高齢者が安心して遊び、集える場所として機能するパチンコホールの在り方を私は提案したい。

このアイデアにとどまらず、時代ニーズに呼応した形での遊技産業の在り方やビジョンを社会に示し、存在意義の強化を図ることは重要だ。変わることを恐れず、業界の存続に向けチャレンジし続けること。それがわれわれ次世代に課せられた使命だと感じている。


【プロフィル】大泉秀治
おおいずみ・しゅうじ 1973年神奈川生まれ。97年オーイズミ入社。2000年オーイズミ取締役、02年常務取締役、06年専務取締役を経て07年、代表取締役副社長に就任。ダイシン代表取締役社長など関連企業の経営にも携わる。

レベニューシェア(英: Revenue share)とは、アライアンス(提携)手段のひとつ。支払い枠が固定されている委託契約ではなく、パートナーとして提携し、リスクを共有しながら、相互の協力で生み出した利益をあらかじめ決めておいた配分率で分け合うこと。

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