主に漢字に対して、その読み方を示すために、
その字の周りに添えるものである「振り仮名」。
江戸時代までは読み下し文のためにある、
補助記号として主に機能していましたが、
江戸時代になって出版が盛んになると、
幅広い層の人たちに読んでもらうための補助として、
徐々に、特定の時期では一気に普及していきました。
現代ではとりわけ漫画やライトノベルなどで、
その場限りの訓を当てる「義訓」が多く用いられます。
有名な例は「本気」を「マジ」と読ませるケースですが、
日本語版で漫画などを読んでいる外国人からすると、
本来の読み方とは違う振り仮名が振られているため、
困惑してしまうことも少なくないようです。
現在この義訓がXで話題となっており、
以前からこの日本語独特の表現は、
日本語を学習する外国人には謎だったようで、
関連投稿には様々な意見が寄せられていました。
その一部をご紹介しますので、ごらんください。
「日本語は本当に特殊だ」 日本語に3種類の文字がある理由に外国人から驚きの声
翻訳元
■■■■■ グラフィックノベルを読んでる。
フリガナはたくさんあるんだけど、
中には漢字と一致しないという奇妙な物も……。
「予見」のフリガナが「さっき見た」だったり。
「紋章」のフリガナが「マーク」だったり。
これは単なる言葉遊び?
■ 単語の意味に深みを与えたり、
作者が望む特定の解釈を、
読者に導いたりする事もできる。
文脈の中で「予見」を使うことで、
ある種の先を見通す力や占い、
あるいはありふれたもの以上の何かを、
特定の言葉で示唆してる可能性が高い。
+5 ■ 例えば、「山田」を「こいつ」って読ませるパターン。
話し手は隣に立ってる「山田」を、
実際には「こいつ」って呼んでるんだけど、
「山田」と呼ばれてるのが山田である事を明確にするために、
彼の名前も入れるっていう場合もある。
+21 ■ 元の漢字が読めないと、
その辺の機微を汲み取るのは難しいね🙃
+4 ■ マンガ以外、例えば普通の小説でも時々見かける。
「時の車輪」の日本語版を読み始めたんだけど、
オリジナルの英語版で出てきた造語には、
全部説明的な漢字がつけられてた。
例えば「異能者(アエズ・セダーイ)」とか、
「春祭り(ベル・タイン)」とかって感じで。
そもそもタイトルになってる「時の車輪」も、
「タイム・ホイール」ってルビが振られてるし。
+5 ■ うん。日本語のまま読むのが好きになったけど、
本当の読み方を載せてくれないと、
ちょっと面倒な事になるかもw
+2 ■ こういう特殊な振り仮名を振るのは、
日本のマンガではよくあることで、
ダジャレや二重の意味を追加できる。
古風な漢字の言葉に、俗っぽいふりがなや、
英語のふりがなをつけることもよくある。
呪文や忍術が登場する作品はこの傾向が強い。
+7 ■ これなんてもう古典的な例よね。
+9 ■ でもフリガナの意味を理解するだけでも、
読み進めるのに十分だと思う。
完全に理解したわけじゃないかもだけど、
文脈上の意味は理解できたはずだし。
+3 「ひらがなは偉大だ!」 NHKが在日外国人に発信した台風情報に称賛の声が殺到■ 「愛にできることはまだあるかい」
っていうRADWIMPSの曲の歌詞で、
全く同じような例を見た事がある。
本来「永遠」は「eien」のはずだけど、
「towa」って歌われてるの。
■ 私は日本語で色々読んでるうちに、
日本語の二重表現にはほぼ慣れた!😅
+4 ■ ちなみにこういう用法を表す言葉はあるの?
+1 ■ 熟字訓が成立していない場合は、
「義訓」って呼ばれてるよ。
マンガとかでよく見られるもので、
単語の読みを「上書き」したり、
他の意味を付け加えたりする。
見方を変えればすべての熟語は、
かつて義訓だったという事かな。
+161 ■ ギクンは日本語の一番好きな面だ。
下の動画のキャラクターのように、
大嫌いな人もいるようだけど。
+664 ■ クンヨミは何でもありになってる。
これじゃ全ての漢字が何とでも読めるじゃないか。
+1 ■ こういうのは昔からだよ。
日本では1000年前からやってるぞ。
+16 海外「千年前の歌詞って本当?」 君が代の翻訳歌詞が外国人に大好評■ みんなの回答を読んでてさらに疑問が。
何のためにこの当て字が使われるの?
何で通常の読み方とは違う読み方を、
作者は使いたがるんだろう?
読者たちにあるメッセージを伝えるため?
この用法を使うことで得られる効果って?
+7 ■ それはケースバイケースだね。
その時々で作者の意図を分析するしかない。
分かりやすくするためっていう、
実用的な方法でもあるだろうし。
+5 ■ 単純にクールに見えるからだと思う。
+4 ■ 一番右の点線内は英語の日本語読みの例。
赤枠の右は義訓の例。
赤枠中央は無用だが創造的なフリガナの例。
赤枠左が音訳ではなく翻訳&言い換えの例。
+24 ■ 俺は特にクールだとは思わないな。
無意味に言葉を複雑にしてるだけだし。
■ ライトノベルはこう言うのがやたら多いから、
読んでるときは悪夢のようだった。
特に日本語をちゃんと勉強する前は。
■ 英語で再現するのは不可能だ。
日本語から英語に翻訳する上で、
どうしても失われてしまう物の1つだね。
+461 「天才的な発想だw」 とある日本人の英訳センスが素晴らし過ぎると話題に ■ と言うか同じスペースで再現出来ない。
+100 ■ 批判を恐れなければ英語でも一応可能。
+40 ■ 日本語を勉強し続けてるけど、
このように、日本語はかなり複雑なんだ。
+5 ■ 最近「セーラームーン」を日本語で読んでて、
「王女様」に「プリンセス」ってルビが付いてて、
少し奇妙に感じられた。
■ そういうことはよくある。
一種の文体上の選択なんだ。
少なくともそのシナリオ上では、
「プリンセス」の方がキャラに適してた。
基本日本人にとって英語はクールらしい!
■ DBの「超サイヤ人」の「超」は、
「スーパー」って英語読みだね。
+6 ■ 小説「ハリーポッター」の日本語版だと、
「一角獣(ユニコーン)」だった。
+2 「まさか本当に実在するとは!」 三種の神器の存在に外国人から驚きの声が殺到■ ゲームの「時のオカリナ3D」だと、
「強敵」を「ボス」って読ませてたな。
通常「きょうてき」って発音して、
「強力な敵」を意味する言葉なんだけど。
■ 日本語のウィキペディアで「義訓」を調べたら、
「ルビ芸」って言い方もあるらしい。
+3 ■ 例えば「ハリーポッター」シリーズの魔法、
アバダケダブラは許されざる呪文の1つだけど、
アバダケダブラだけじゃ意味が通じないよね。
だからこの日本語の手法はつまり、
アバダケダブラという意味不明瞭な言葉に、
「許されざる呪文」ってルビを振るのと同じ。
■ 初めて見る人からするとかなり奇妙だよね。
「漢字と読みには強い結びつきがある」
って一般的には思われがちだけど、
それはそのように教えるのが最も単純で、
例外が少ないからってことなんだろう。
こういうのは 「言葉とは何か?」
っていう疑問を抱かせるね。
+8
今から1200年以上前の奈良時代末期に成立した、
万葉集にも義訓の例は複数見られます。
本格的に多用されるようになったのは明治以後で、
その後の文章に影響を与えた「明治元訳聖書」には、
生命(いのち)、天空(そら)、羽翼(つばさ)など、
とりわけ多くの義訓が見られます。
聖書ということで、深い意味合いを伝えたいという、
強い想いの表れだったのかもしれません。
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