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2024年05月25日 (土) | Edit |
今回は、「アコルデオン」というシャンソンを弾いてみました。
アコルデオンとはもちろん、アコーディオンのことです。
前記事に書いた、Native American Fluteの練習の合間に、教会のアップライトで遊び弾きしたのを録りました。

シャンソンというと、「オー・シャンゼリーゼ」のように明るくポップなもの、あるいは「愛の讃歌」のような情熱的な恋歌を思い浮かべる人が多いと思いますが、シャンソンの中には、人生の現実の悲哀や苦悩をテーマにした「シャンソン・レアリスト」というジャンルがあり、今回の曲もそれに属するものです。
身よりもなく、友もなく、文字通り天涯孤独の主人公(おそらく、かなり年老いた、流しの芸人)にとって唯一の相棒だったのがアコーディオン。しかし貧困のため、長年連れ添ったその大事な楽器を売り払うことになってしまいます。
冒頭にTempo di Java (ジャヴァのテンポで)と指示があります。Javaとは3拍子の速いテンポの舞曲で、アコーディオンの伴奏で歌われるのが通例だったようです。この曲にも繰り返し現れる三連符は明らかにアコーディオンの音色を模したものでしょう。相棒と一緒だった幸せな日々を懐かしんでいるのでしょうね。
作詞、作曲の、セルジュ・ゲンスブール(Serge Gainsbourg)はフランスのシャンソン作家・歌手で、「夢見るシャンソン人形 」はじめ有名なシャンソンを多数作っています。

それにしても最愛の楽器を貧困のために手放すなんて哀しすぎる・・・
この主人公に具体的なモデルがいたのかどうかわかりませんが、同じような経験をした人は実際いたでしょうし、貧困でなくても、戦争やあるいは天災などのせいで、愛する楽器との別れを余儀なくされることは、つらいことですが今もあるでしょうね。
日頃当たり前のようにピアノ(や、他の楽器)を演奏している我々ですが、それは大きな恵みであり、感謝すべきことなのだと、心から思ったタワシなのでした。

それでは、どうぞ。



テーマ:シャンソン
ジャンル:音楽
コメント
この記事へのコメント
嘆きのフレーズ
本当に、今この時も世界のあちこちで天災、戦さ、病に見舞われている人々の事を思うと、こうして好きな事をできる幸せは、本当に稀有な事ですよねぇ。

繰り返すフレーズが、「何故なんだ?どうしてなんだ?」と我が身の不幸、この世の不条理、を嘆き悲しんでいるようですね。

いつも色々な曲をありがとうございます(^^)。
2024/05/29(Wed) 16:28 | URL  | happypianon123 #bbidr2Zk[ 編集]
happypianon123さん>
happypianon123さん、こんにちは!
ピアノWEB発表会の締切が昨日だったことに加え、例の伴奏の練習、NAFの特別賛美の合わせ練習などで慌ただしく、お返事がすっかり遅くなってしまいました。ごめんなさい。

>本当に、今この時も世界のあちこちで天災、戦さ、病に見舞われている人々の事を思うと、こうして好きな事をできる幸せは、本当に稀有な事ですよねぇ。
→はい、本当に!
好きなこととはいえ、決して楽なことばかりではなく、悩んだり落ち込んだりすることもありますが、そんな苦しみさえ実はすごく幸せなことなんですね。

>繰り返すフレーズが、「何故なんだ?どうしてなんだ?」と我が身の不幸、この世の不条理、を嘆き悲しんでいるようですね。
→繰り返すフレーズ=リフレインの部分の歌詞は「さあさみんな起きなさい 陽気にうたうアコルデオン」と明るい内容なんですよ。前半(1,2節)では貧しくてもアコーディオンという唯一無二の友がいるので救いがありますが、3節でアコーディオンを売りに出して4節では主人公もアコーディオンも一人ぼっち、というなんとも痛ましい状況になってしまいます。そこでもリフレインの歌詞は変わらないので一層切ないですね。

>いつも色々な曲をありがとうございます(^^)。
こちらこそ、いつも拙い演奏に付き合ってくださって感謝しています。今後とも宜しくお願いします。
2024/06/03(Mon) 12:02 | URL  | 私はタワシ #5eVrhZok[ 編集]
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