せっかく長いのに、首ガッチガチだった
タニストロフェウスが現れたのは、約2億4200万年前の三畳紀中期です。当時の世界は、大型爬虫類が水中を支配し、陸上には恐竜が出現し始めた頃でした。
タニストロフェウスの化石は、現在のスイスに当たる地域で出土しており、大型とそれによく似た小型の標本が見つかっています。
Credit: Stephan Spiekman
大型は全長が約6メートルで(
その半分の3メートルが首)
、小型は全長1メートルほどです。既知の脊椎動物の中では、全長に対して首の長さが占める割合が最も大きな生物とされています。
しかし、首の長さのわりに骨の数は少なく、柔軟性にも乏しかったようです。首はせいぜい左右に振れる程度で、曲げ伸ばしは出来なかったとか。
研究チームのオリビエ・リエッペル氏(フィールド自然史博物館)は「タニストロフェウスは、極端に長い首に、胴体が太ったワニのような生き物で、その奇妙な体つきは、陸上にも水中にもそぐわないように思われる」と話します。
水中暮らしと判明!
研究チームは今回、タニストロフェウスが陸棲か水棲かを調べるため、大型個体の頭蓋骨の断片をCTスキャンし、デジタル上で再構成しました。
同チームのステファン・シュピークマン氏(チューリッヒ大学)は「3Dで再構築したことで、化石では観察できない骨内部の形態学的な詳細が明らかになった」と話します。
再構築された頭蓋骨/Credit: Stephan Spiekman et al.
その結果、タニストロフェウスは水棲生物であることが判明しました。
頭蓋骨に確認された「鼻孔」は、現代のワニのようにアゴを水に沈めた状態で呼吸する最適の構造であり、水中暮らしを示す証拠となります。
おそらく、ガッチガチの首のせいで機敏には動けなかったため、水中でじっと待ち構えて、獲物を捕食したのでしょう。
産卵のために陸に上がってきた可能性もありますが、大方は水中暮らしだったようです。
大型と小型は別種だった!ニューネームも決定
加えて、小型標本が大型と同種か別種かを特定するため、骨に成長や老化の痕跡がないかを調べています。
骨の断面分析の結果、小型の骨に多くの成長痕が見つかりました。これは、
小型生物が十分に成熟しており、大型の幼体ではなく、まったくの別種であることを示します。
Credit: cell
さらに、
大型の歯は円錐形、小型は王冠型をしていることから、それぞれ食料となる獲物が違っていたと見られます。(大型は魚やイカを好物とし、小型はもっと小さなエビなどを食べていたと思われる)
それゆえに、同じ生息域にいながら、競合することなく共存できたのでしょう。
大型のタニストロフェウス、鼻孔があった/Credit: Emma Finley-Jacob
また、今回初めて2種のタニストロフェウスを特定できたことで、それぞれに新しい学名も付けられています。
大型は、ギリシャ神話のヒドラにちなんで「
タニストロフェウス・ヒドロイデス(
Tanystropheus hydroides)」、小型は、オリジナルの「
タニストロフェウス・ロンゴバルディカス(
Tanystropheus longobardicus)」と名付けられました。
リエッペル氏は「30年間、タニストロフェウスを研究し続けて、2つの大きな謎を解明できたことにとても満足している」と話しています。
研究の詳細は、8月6日付けで「Current Biology」に掲載されました。
以下、不思議netコメント欄の反応
3: 不思議な名無しさん 2020-09-04 17:17:37
不思議ネットらしく「ろくろ首竜」と名付けましょうやw
4: 不思議な名無しさん 2020-09-04 17:23:45
キリンみたいに高いとこの葉っぱ食べるみたいな理由で伸びたのか?
大小別種で同じような進化してるならその時期になんかあったんかな。
13: 不思議な名無しさん 2020-09-04 19:05:12
>>4
多分浅瀬の岩場の穴に首突っ込んで獲物を捕まえるためだと思う
5: 不思議な名無しさん 2020-09-04 17:24:02
長い長すぎる、十万石サウルス
6: 不思議な名無しさん 2020-09-04 17:28:05
水棲生物の想像図は信用できないわ
7: 不思議な名無しさん 2020-09-04 17:50:56
キリンもそうだが首か長くても骨の数は人間と同じなんだな
どういう理屈か知らないけど増やしちゃ駄目なんかな?
14: 不思議な名無しさん 2020-09-04 19:07:58
>>7
フタバスズキリュウとかの首長竜とか、ブラキオサウルスとかの竜脚類は首の骨いっぱいあるよ
首ちゃんと上下左右いっぱい動くやつもいるのに、こいつの進化はなんのためなんだろうね
18: 不思議な名無しさん 2020-09-04 21:51:04
>>7
それは哺乳類だけに大まかに共通してることだ
例えば鳥類を含めた恐竜の多くは頚椎が多くてグリングリン動く
9: 不思議な名無しさん 2020-09-04 18:24:26
古代の一時期、水中で首が長い方が生存に有利な環境があったわけだ…どんな環境やねんヾ(--;)
12: 不思議な名無しさん 2020-09-04 18:37:37
>>9
胴体から頭の先が距離あることで隠密性が上がるんだろう
待ち伏せして獲物を待つタイプだから
胴体はどうしても動きとかで感知されやすいから、感知されにくい首を伸ばして頭だけ動かさないように待機して待ち伏せたんじゃね
獲物が目の前に現れたら槍で突進するような感じで捉える形で
11: 不思議な名無しさん 2020-09-04 18:30:54
ナッシーのアローラの姿を想像してたのに違った
16: 不思議な名無しさん 2020-09-04 21:37:13
この時代の生物って進化の色々な可能性を模索してるみたいで面白い。
17: 不思議な名無しさん 2020-09-04 21:39:13
だから人間を2m計算で比較対象にするのやめーや
平均がデカすぎんねん
19: 不思議な名無しさん 2020-09-04 21:52:31
収斂進化なのかもしれないけど首長竜もああ見えて首の柔軟性に乏しいのよね
20: 不思議な名無しさん 2020-09-04 22:01:11
体調の半分が首という言葉から
もっと気持ち悪いやつを想像したけど
画像見てみたら、首長竜っぽいような感じなのね
よく考えたら首長竜も異様な首の長さではあるよな
現代にはいない生物なのに、図鑑や映画とかで馴染み深くなってるとは不思議なかんじ。
21: 不思議な名無しさん 2020-09-04 23:15:17
不思議ネットさんぼくは当たり前のように黒で
22: 不思議な名無しさん 2020-09-04 23:42:43
かわいくてすこ
25: 不思議な名無しさん 2020-09-05 08:24:19
巨大生物図鑑って本に載ってて印象に残ってるな
本当に半分首で描いてあった
23: 不思議な名無しさん 2020-09-05 02:38:56
焼き魚食ってて喉に骨が刺さったら致命傷だな