『管理者研修』 (382) 「経営理念の 部下への周知徹底は 管理者の役割」
ID:8559fx
寺子屋ラッキー
おはようございます。当書庫前回(『管理者研修(381)』)に続けます。
さて、難しいことを難しく話すのは学者です。聞き手はこれを格調高い、高尚な話として感心して聞き入ることもあります。そのためか、易しいこと敢えて難しく話すことを公言して憚らない方も数多い講演者の中にはおいででした。ですが、こうした話し方は職場の管理者には不向きと考えます。
部下は「十人十色」です。考え方・属性あるいは「習熟度」だけでなく「理解度」も皆違います。そのため部下を十把一絡げにして、一度言っただけで分からせた〝つもり〟は用心です。
その点は以前申した、人を動かすための『説得』(頭・心・行→ズシンギョウ ☞ 当方の造語)と同じです。
その観点から前回申し上げたことはどこに問題があるのでしょう? 勉強会では管理者の中には極まれに経営者の経営理念を理解・納得していないと思える方もいます。あるいはそれを知ってはいても部下に正しく徹底させる努力をしていない人がいるかもしれません。
それでは「笛拭けども踊らず」となり、どんなに立派な「経営理念」を掲げていても役には立ちません。
したがって、経営理念を全社員に徹底させることは、各管理者の大きな役割であり責務だと考えます。そのために必要なことを次に三点申します。
第一は、管理者が何よりも先ず「経営理念」を正しく理解し、それを自分の<信念>にすること。
第二は、その真髄を知りそのことを固く信じること。
第三は、その経営理念を具体化して部下に<徹底>させることです。
要は、経営理念が職場の末端まで徹底すればいい訳ですから、その方法は自由です。
時々「経営理念が現場に思うように浸透しない」ということを耳にすることがあります。「お題目」では意味がありません。米国の経営学者リッカートの<連結ピン>としての管理者が咀嚼(そしゃく)して、部下に正しく理解・納得させる工夫をしていないからではないでしょうか。
ただし、自分が分かっていることを他人に理解・納得させることは、口で言うほど簡単とは思えません。特に自職場に当てはまるよう伝えるのは難しいことです。そのためのアドバイスを別の観点から当書庫『話し方研修』の中で申したことがあります。
経営理念を徹底させるためには、職場の管理者に感じ良く話すことを求めることは無理だとしても、管理者の「コトバ」で聞き手のレベルに合わせ、わかり易く伝えるための配慮をする必要はあるでしょう。ここに上司の<コミュニケーション能力>としての「説明スキル」が求められます。
ドイツのエビングハウス(心理学者)の「忘却曲線」にみられるように、人は一度言われただけでは直ぐに忘れてしまうものです。あなたのお子さんだけの話ではありません。
そこで、いろいろな機会を捉え、教え方の一つである『反復効果の原則』に則り、繰り返し繰り返し根気強く話をすることが大切になってきます。これにより部下にも<信念>として〝インプリンティング〟できれば望ましいことと言えましょう。
前回も申した通り、経営理念は企業の発展には当然のこと、社員とその『家族』の運命さえも左右するほどの影響力を持っています。ですからこれを船上から船底の部下まで全員に徹底させ、<衆知>を結集し【具現化】することは管理者の大きな『役割(任務)』と考えます。
仮にあなたが管理者またはその候補者であるならば性別を問わず家庭生活にも配慮し<期待される管理者>としての道を歩んでいただきたいと思います。
以上、上下のパイプ役としてのミドルマネジメント層(X世代、就職氷河期世代)を想定し申しています。言い方は強めでも「社員研修」です。「パワハラ」の奨めではありません。誤解いただきませんように(念のため)。
季節的に台風襲来が未だ終わった訳ではありません。平成に入っての2年目だけでなく11月に上陸した記録があります。入れ替わりに今年は早くも初雪のニュースが届いています。
置かれた季節環境が嫌なら南半球のオーストラリアへの移住が考えられます。しかし、そのような現状逃避の安易な姿勢ではサラリーマン人生を歩み続けることは難しいでしょう。
創意を生かして現状維持から現状打破を考えてみたいものです。
では、北風が話題となる週末となりました。深まりゆく秋をお楽しみください。ご覧願いありがとうございました。
❒ 管理者研修講師『人材教育研究所 』 (「部下をパートナーとして 職場目標を達成
しよう ‼」)
#マネジメント
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・