「萌の朱雀」「沙羅双樹」の河瀬直美監督が、“生と死”をテーマに認知症の男性と介護士の女性の交流を描き、第60回カンヌ国際映画祭でグランプリに輝いた人間ドラマ

 

 

 

 

 

 

奈良県東部の山間地。自然豊かなこの里に、旧家を改装したグループホームがある。ここでは軽度の認知症を患った人たちが、介護スタッフとともに共同生活をしている。その中の一人、しげきは、33年前に妻・真子が亡くなってからずっと、彼女との日々を心の奥にしまい込み、仕事に人生を捧げ生きていた。

 

 



 そして今、しげきは亡き妻の想い出と共に静かな日々を過ごしていた。誰も立ち入ることの出来ない、しげきと妻だけの世界。そのグループホームへ新しく介護福祉士としてやってきた真千子もまた心を閉ざして生きていた。子どもを亡くしたことがきっかけで夫との別れを余儀なくされたのだ。つらい思いを抱えながらも、真千子は毎日を懸命に生きようとしていた。

 

 



 ある日、亡き妻の思い出の詰まったリュックサックを、そうとはしらず何気なく手にとった真千子を、しげきは突き飛ばしてしまう。自信を失う真千子を、主任の和歌子は静かに見守り、「こうしゃんなあかんってこと、ないから」とそっと励ます。次第に、真千子は自分の生き方を取り戻し始める。そして毎日の生活の中で、やがて心打ち解けあっていく、しげきと真千子。

 

 



 真千子は、しげきと一緒に妻の墓参りに行くことになるが、途中で真千子が運転する車が脱輪してしまう。助けを呼びに行く真千子。しかし、事態は思っても見ない展開になるのだった・・。

 




第60回カンヌ映画祭で、審査員特別賞を受賞した作品です

オープニング、その地の風習であろう、葬儀の列が、緑の中を進んでいきます

観ているこちらに、生と死を印象付けるシーンです

前半、グループホームの生活が映し出され、そのストーリーでお話が進んでいくのかと

思っていたのですが

 

 



中盤で、認知症のオジサンの妻の墓参りに、新人介護士が付き添って, 二人で車の乗って

出掛けて行きます 途中、車が故障して、オジサンが車を降りて消えてしまいます

介護士は後を追って、なんとかオジサンを見つけるのですが

オジサンは妻の墓のあるらしい、森の中へ入って行ってしまいます

介護士も後を追い森の中へ、、、

ここから少し、現実から遺脱していきます

 

 



深い森へ、大きな木と、深い草の中へどんどんと入って行く姿は、まるで現実世界から

別の 「その」 世界へと入って行くようでもあります

そして幾多の困難を抜け、そこへたどり着くのですが、、、





この監督さんは、観る人を選ぶかも知れません

決して難しい映画を撮るという意味ではなく、独特の空気感というか、語り口というか

サービス精神は、あまりありません、説明はほとんど省略して、監督の主観で進んでいきます

 

 



セリフはかなりボリュームを上げないと(上げてもですが)聞き取りずらいですし

人物を撮るカメラは、ほぼ手持ちで揺れています 効果的かは微妙な感じですが、、

自然を切り取った画は美しいです

 

 



介護のホームをメインにしたお話を、最後まで観たかった気もしますが

それよりも、もう少し深いテーマを描きたかったのでしょうね

それはラストで描かれる事になるのですが、それもこちらの好意的な解釈に委ねられます

この監督の他の作品も機会があれば観たいと思いますので

皆様もチャレンジ (チャレンジって (^▽^;) )してみてはいかがでしょうか?





 殯 (もがり)

  敬う人の死を惜しみ、 しのぶ時間のこと

  また、その場所の意

  語源に「喪あがり」 喪があける意、か。  エンドクレジットより


  では、また次回ですよ~! パー