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シャープ、AIプロセッサ搭載の最上位4K有機ELテレビ「ES1」

4K有機ELテレビ「4T-C65ES1」

シャープは、新開発のAIプロセッサーを搭載したAQUOS OLEDの最上位「ES」、および「EQ」シリーズ・7モデルを6月18日より順次発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は25.3万円前後(42型)から。

4K有機ELテレビ「AQUOS OLED」
ESシリーズ
・65型「4T-C65ES1」 約55万円 6月18日発売
・55型「4T-C55ES1」 約38.5万円 同上
EQシリーズ
・77型「4T-C77EQ1」 約71.5万円 6月18日発売
・65型「4T-C65EQ1」 約47.3万円 7月23日発売
・55型「4T-C55EQ1」 約31.9万円 同上
・48型「4T-C48EQ2」 約26.4万円 同上
・42型「4T-C42EQ2」 約25.3万円 6月25日発売

'21年発売のAQUOS OLED「DS1」および「DQ1/DQ2」シリーズの後継機。

新モデルでは、AIプロセッサーを採用した画像処理エンジン「Medalist S3」による画質向上ほか、AQUOS初のDolby Atmos対応やGoogle TVの採用など、機能・使い勝手を強化。4K120p信号入力時の4K×2Kフル解像度表示やVRR、ALLM、eARCといったHDMI2.1関連機能もアップデートした。

77型「4T-C77EQ1」

「ES」と「EQ」シリーズの主な違いは、パネル部の構造と制御、およびハイトスピーカーの有無などで、その他の主要な機能・仕様は変わらない。

なお、同日発表の、ハイグレード4K液晶「EU」、スタンダード4K液晶「EN/EL」シリーズは別記事を参照のこと。

左が4K有機ELテレビ「4T-C65ES1」、右が4K液晶テレビ「4T-C65EU1」

高い輝度を実現する第2世代「S-Bright」パネル

2022年モデルでは、画像処理エンジンが「Medalist S3」へと進化。近年テレビメーカー各社で採用が増える“AI技術を活用した自動画質調整”がAQUOSシリーズにも導入された。

具体的には、映像モード内に「AIオート」を設置。AIオートをセレクトすれば、100万以上の映像を学習したAIが入力映像から“人の顔”や“空”、“草原”などを高精度で検知。同時に放送に含まれる映画やドラマ、スポーツといった番組ジャンル情報も加味しながら、人肌などは明るく健康的に、空や芝生などは色鮮やかに自動調整して表示。「コンテンツに適した色彩・明暗・精細感で、臨場感溢れる映像が楽しめる」という。

65型「4T-C65ES1」
新モード「AIオート」

2シリーズ共に、4K/3,840×2,160ドットの最新有機ELパネルを採用するが、上位のESシリーズでは、独自設計の高輝度パネル「S-Bright」を搭載しているのが特徴。

S-Brightの技術そのものは、'21年モデルのDS1でも使われているが、新製品のESでは冷却シートとセルの貼り合わせ方法を変更(素材そのものは変更無し)。「シートの密着度を高めたり、生産工程の見直すなど、細かい改良を行ないパネルの放熱効率を改善。従来以上に高い輝度を出せるようにした」という。

加えて、ESシリーズでは、AQUOS XLEDで培った輝き再現性を高める技術を応用することで、S-Brightパネルが持つコントラスト性能を最大限に発揮。独自のパネル制御「Sparkling Drive EX」回路と、被写体が本来持つ輝きを再現する「輝き復元」処理を組み合わせることで、漆黒の夜空にきらめく花火や星々をリアリティあふれる美しい映像を表示できるようにしている。

2021年モデル「4T-C65DS1」(左)と、新発売の「4T-C65ES1」との比較。従来よりも明るさが増していることに加え、青/緑方向にシフトしていたカラーバランスも修正されている

映像本来の美しさを復元する「オブジェクト プロファイリング」を引き続き搭載。映像信号に含まれる被写体の動きや輪郭、質感などをリアルタイムで解析し、被写体が本来持っている精細感やコントラスト、色合いの情報を復元してくれる。

'22年モデルでは、ネット動画コンテンツを対象とした専用の画質処理を用意。「ネット動画クリア補正」機能を設けることで、回線状況により解像度が変化するネット動画もクリアな映像で描写できるようにしたという。

HDR規格はHDR10とHLG、Dolby Visionの3方式をサポートする。

「ネット動画クリア補正」機能を新搭載

AQUOS初となる「Dolby Atmos」に対応

ESシリーズのサウンドシステムは、総合出力80W・11スピーカーの「ARSS+」。

画面下部に加え、画面背面上部にツイーターおよびミッドレンジを搭載したハイトスピーカーを装備しているのが特徴で、背面のサブウーファーと合わせ、高域から低域まで豊かな音域をクリアでパワフルに再現する。またハイトスピーカーを前向きに20度傾斜させて設置することで、音を斜め前方向に放出。映像と音声が一体となり、包み込まれるような臨場感を生み出せるという。

構成は、ツイーター×2、ミッドレンジ×4、サブウーファー×1、ハイトツイーター×2、ハイトミッドレンジ×2。

ハイトスピーカーを装備する「ARSS+」

EQシリーズは、総合出力50W・6スピーカーの「FRONT OPEN SOUND SYSTEM PLUS」を採用(42型のみ40W・4スピーカー)。

独自設計のスピーカーネットのないリフレクター構造により、音を効率的に画面前方へ放出。ツイーターを前向きに配置することで、高域から低域まで臨場感豊かな高音質を狙っている。

構成は、ツイーター×2、ミッドレンジ×4。42型のみ、ツイーター×2、ミッドレンジ×2となる。

また2022年モデルでは、AQUOS初となる「Dolby Atmos」にも対応。ネット動画やUHD BD/BD収録のAtmos音声がそのまま楽しめるようになった。

42型「4T-C42EQ2」

OSはGoogle TVに。回転ロック機構搭載の新スタンド

OSは、'21年モデルまで採用していた「Android TV」から、新たに「Google TV」へと変更された。基本は“Android TV”である事に変わらないが、Google TVになったことに合わせて、メニュー構成やUI表示も変更されている。

大きな違いは、レコメンド機能の有無とスマホ連携。

Google TVではユーザーの視聴履歴や好みに合わせてコンテンツを整理・表示するインターフェイスになっているため、複数あるアプリやサービスの中からでも、観たいコンテンツがより簡単にアクセスできるようになった。

またスマホとテレビを同一のGoogleアカウントでログインすると、スマホ側で追加した「見たいものリスト」とテレビが連動。ホーム画面にあるライブラリ内の見たいものリストに追加されるので、帰宅後はAQUOSの大画面でコンテンツがすぐに見られるようになる。

Google TVを搭載
Google TVの大きな特徴が、レコメンド機能の搭載。ユーザーの好みに合わせておすすめコンテンツを表示してくれる
Android TV(左)とGoogle TVでは、UIが異なる

リモコンレスで音声操作できる、ハンズフリーに対応(48型・42型除く)。テレビに向かって「OK Google」と言ってから話しかけることで、映画の検索や音楽再生、テレビの基本操作が行なえる。また発話だけで電源オンもできる。

8つの動画サービスをワンタッチで起動できるダイレクトボタンを搭載した新リモコンを付属。従来のダイレクトボタン「Netflix」「Amazon Prime Video」「U-NEXT」「Hulu」「ABEMA」「Paravi」「YouTube」に加え、新たに「Disney+」ボタンが追加された。

テレビの電源がオフの状態でも、ボタンを押すだけで動画配信サービスの起動が可能。マイクも内蔵しているため、音声検索も利用できる。スリムかつ軽量設計で、持ちやすさにもこだわったという。

リモコン
Disney+ボタンが追加された

独自のエンタメ・生活情報サポートアプリ「COCORO VISION」に対応。自宅で手軽に楽しめる趣味・教養・健康などのさまざまな動画コンテンツをテーマごとにおすすめする従来の機能に加え、5月26日からは「今日の脳トレ」が追加。

多くの介護施設のほか、医療機関や薬局などで導入されている認知機能のトレーニングサービス「CogEvo(コグエボ)」を、COCORO VISION用にカスタマイズした新機能で、「記憶」「ストップウォッチ」「ステップ」の3種類の“脳トレ”ゲームが無料で楽しめるようになる。

5月26日からは「今日の脳トレ」が追加される

別売の外付けUSBカメラを用意すれば、ビデオ通話ができる「Google Duo」アプリに対応するほか、天気予報を見ながら身だしなみを確認したり、リビングで家族写真撮影ができるシャープオリジナルのアプリ「リビングカメラ」もサポートする。

別売の外付けUSBカメラ
アプリ「リビングカメラ」

新デザインのスタンドを採用。付属ネジを使うことでディスプレイ部の意図しない回転を抑制できる回転ロック機構を新たに設けた。また、簡単にケーブル類をまとめることができるケーブルマネジメント機構も採用。正面からケーブルが見えないように設置することができる。

スイーベル機能を搭載(77型はスイーベル非対応)
回転ロック機構を設けた
ケーブル類を束ねることができるマネジメント機構

HDMI2.1関連機能が強化。VRR/ALLM/eARCをサポート

搭載チューナーは、BS/CS 4K×2基と、地上/BS/110度CS×3基。別売りの外付けUSB HDDを接続することで、4K放送視聴中に別の4K放送と地上/BS/CSデジタル放送の2番組同時録画ができる。自動でチャプターを記録する「おまかせオートチャプター」にも対応。

4K番組表をサポート。文字が読みやすい高精細表示と番組や出演者の情報を画像つきで分かりやすく表示する。

HDMI入力は4系統を装備。'22年モデルでは、HDMI2.1関連機能が強化されており、新たに4K120Hz入力時の4K×2Kフル解像度表示(SDRのみ)やVRR、ALLMに対応した。またeARC(入力3)もサポートしている。

120Hzモード2を新設。SDRにはなるものの、4K120p入力時も4K×2Kのフル解像度表示が行なえる。なお、120Hzモード1は、HDRを優先するモードで4K120p入力時は垂直解像度が半分になる

HDMI以外のインターフェイスは、3.5mmミニジャックのAV入力、光デジタル音声出力、ヘッドフォン/アナログ音声出力を用意。USB端子は3系統で、録画用×1とメモリー用×2。LAN端子は10BASE-T/100BASE-TX。無線LANはWi-Fi 6に対応する。

消費電力と年間消費電力、外形寸法、重量は以下の通り。

【消費電力と年間消費電力】
ESシリーズ
・4T-C65ES1:約510W 240kWh/年
・4T-C55ES1:約408W 180kWh/年
EQシリーズ
・4T-C77EQ1:約696W 300kWh/年
・4T-C65EQ1:約500W 235kWh/年
・4T-C55EQ1:約390W 175kWh/年
・4T-C48EQ2:約260W 145kWh/年
・4T-C42EQ2:約198W 115kWh/年

【スタンドを含めた外形寸法と重量】
ESシリーズ
・4T-C65ES1:144.8×30.4×89.5cm(幅×奥行き×高さ) 約35.5kg
・4T-C55ES1:122.7×30.4×77.0cm(同) 約29.0kg
EQシリーズ
・4T-C77EQ1:172.3×33.0×105.1cm(同) 約41.0kg
・4T-C65EQ1:144.8×26.3×89.6cm(同) 約32.0kg
・4T-C55EQ1:122.7×26.3×77.0cm(同) 約24.5kg
・4T-C48EQ2:106.9×21.7×68.1cm(同) 約19.0kg
・4T-C42EQ2:93.3×21.7×60.2cm(同) 約17.0kg

【2022年モデル】おすすめ4K有機ELテレビ ES1商品特長:シャープ
AQUOS 耐震試験/スタンド特長:4K有機ELテレビ ESシリーズ:シャープ