『動かざること山のごとし』と、古来 詠まれている様に、山や大地は動かないものの代名詞として例えられてきました。 でもそれは、アジア大陸やアメリカ大陸のような地殻の安定した地域においてのことであり、日本列島のような常に地震や火山 噴火など地殻変動の活発な地域にはあてはまらないようです。
そんな事に興味があり、今回のハイキング計画をするにあたり、登山マップを眺めていたら『神縄(かんなわ)断層』という文字が目に入り、ここを見てみようとコース取りをしたのです。
自分の住んでいる所が、どの様にしてできて来たのか❓ それを調べるのはワクワクします。
2015年 5月 撮影のハコネサンショウバラ
不老山山頂では 20分ほど、ノンビリ休憩し 11時 35分、下山開始。
途中の道標案内板には、こんなことが書かれていました。 《「不老」の名につられて不老山に来られる方や、ひと昔前の本の「山頂付近ではハコネサンショウバラの花が見られる」ということを期待される方、または丹沢湖と富士山の眺めに心ときめかせてお出での方が多いのですが、残念ながら期待外れの方が多いのが現状です。》 と
今回、一輪のみ見ることができたサンショウバラと花が散った後に見られる刺のある実。
付近の案内を文字で色々書いて下さり、親切な方がいるのだと読んでいて楽しくなりました。
花の良い時期となっても、天気や家庭・仕事の都合で中々上手い具合に来れないですからね。 でも遅咲きの花もあり、少しでも見られ満足でした。
先程は右手の金時公園コースから登って来ましたが、神縄断層を見るため不老の活路コースへと直進していきます。
南進する尾根を慎重に下る。
12時15分、No.9鉄塔を通過。
No.9の鉄塔を通過して10分ほど下ったら、生土(いきど)山分岐を通過、12時 25分。 この分岐で不老の活路コースから生土林道コースへと、右に進む。
生土山分岐から15分ほど下ったら、登山道から砂利道の林道に変わった。 12時 50分、林道脇に神縄(かんなわ)断層という案内板が見えた。
神縄断層 (伊豆半島衝突の現場) 今から約 1500万年前、伊豆半島は今の小笠原諸島あたりにあった島でした。 それから少しずつ北上して約 100万~ 50万年前に本州に衝突しました。 その後も北上を続け、丹沢山地を隆起させたのだそうです。
垂直に走る一本の断層線を挟んで、向かって左側が本州側で、右側が伊豆半島側になります。 本州側は丹沢山地をつくる凝灰岩で、伊豆半島側は礫層です。 この礫層は約 10万年前、丹沢山地から流れ出し駿河湾に注いでいた河川(古酒匂、黄瀬川)がつくったものとのことです。
多分、案内板のある後ろの縦に窪んだ辺りが断層かな❓ と想像するだけで、荒れ放題でガッカリ。 伊豆半島が本州と衝突した現場の断層が、唯一確認できるところであれば、もう少し綺麗に整備して欲しいと思いました。
こちらの断層は、国府津・松田断層の延長線上に神縄断層があり、更に西の延長は富士山の下に隠れていて良く判らないようです。
期待してコースを決めたのに、ちょっと残念でした。
林道歩きで見かけたキンシバイの花。
ぱらぱらと人家が見え始め、生土・不老山線の林道起点通過、 13時 18分。
駿河小山駅に 13時 41分、無事到着。 まず、時刻表を確認してからノンビリしようと考えて、何気なく見たら 13時 45分があり、休む間もなくホームへ走った。