人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ピエール・エテックス監督「破局」「恋する男」「ヨーヨー」を観る ~ サイレントとトーキーの名作へのオマージュを感じさせる作品群

2023年07月12日 06時57分27秒 | 日記

12日(水)。わが家に来てから今日で3102日目を迎え、中国政府のインターネット監視当局は10日、市民らが文章や動画を発信する独立系のニュースアカウント「自媒体(セルフメディア)」への規制強化を発表した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     中国・習近平政権は 国民の表現の自由を奪うのを 生き甲斐に感じてるんだろうな

 

         

 

昨日、夕食に「豚の冷しゃぶ」「生野菜とアボカドのサラダ」「冷奴」「大根の味噌汁」を作りました 「豚の冷しゃぶ」は今夏初の試みですが、豚バラ肉にポン酢、ゴマ、紫蘇の葉が効いて とても美味しかったです

 

     

     

         

 

新文芸坐でピエール・エテックス監督「破局」「恋する男」「ヨーヨー」を観ました

 

     

 

「破局」はピエール・エテックス監督による1961年製作フランス映画(モノクロ・12分)です 本作は監督・俳優・イラストレーターなどマルチなアーティストとして活躍したピエール・エテックスが、後に脚本家として「ブルジョワジーの密かな愉しみ」などの名作を手がけるジャン=クロード・カリエールとともに制作した短編作品です

ある男のもとに、恋人から手紙が届く 中には破かれた自分の写真が封入されていた 男も別れの手紙を送ろうとするが、なぜか万年筆や便箋に翻弄され、どうしても書くことができない

手紙を書こうとすると、ペン先が本体に入らなかったり、インクがボタボタと落ちてしまったり、机が傾いてしまったりと、次から次へと小さな災難が降りかかります ついに男は引き出しからピストルを取り出します。「さては自殺か」と不穏な雰囲気を醸し出しますが、それは拳銃型ライターで、タバコに火を点けて一服します いわゆる”独り芝居”ですが、ほとんどチャップリンのような面白さです これが短編監督デビュー作のようですが、喜劇作家・役者としてかなりの才能を感じます

 

     

 

         

 

「恋する男」はピエール・エテックス監督による1962年製作フランス映画(モノクロ・83分)です フランスのマルチアーティスト、ピエール・エテックスの長編監督デビュー作です 本作は、エテックス自ら脚本・主演も務め、後に「ブルジョワジーの密かな愉しみ」などを手がける名脚本家ジャン=クロード・カリエールが共同脚本を担当しました

天文学の研究にのめり込んでいる不器用な青年は、両親から結婚するよう迫られ、相手を探しに街へ繰り出す しかしなかなか上手くいかず、挙句の果てにテレビに映る人気歌手ステラに心を奪われてしまう 彼女のブロマイドを集めまくり、ポスターや彼女を形どった宣伝用の看板まで家に持ち込んで、部屋中ステラだらけにする ついに、彼はステラの楽屋に何とか潜り込むが、彼女が既婚者であることを知り、結婚の見込みがないと悟り諦める

天文学一色の部屋が、ステラ一色に変わるところが可笑しい 彼が彼女にファンレターを書いて送ると、返信封筒に彼女のサイン入りブロマイドが届き、彼は狂喜乱舞して壁に貼り出します そのサインはステラのアシスタントの女性が代筆していたのですが、彼は知る由もありません

青年はモノクロテレビでステラを観て、すっかり彼女のファンになるわけですが、そのテレビの解説者が「テレビのお陰で、今や人々は外に出る必要がありません」と、暗に映画はテレビに駆逐されたかのように話し始めると、雑音が入って解説者の声が聞こえなくなります この辺りは、映画監督としての新しい媒体に対する抵抗の現れのように思いました

 

     

 

         

 

「ヨーヨー」はピエール・エテックスによる1965年製作フランス映画(モノクロ・98分)です ピエール・エテックスが監督・脚本・主演を務めた長編第2作です

世界恐慌で破産した大富豪は、元恋人であるサーカスの曲馬師と再会し、その存在を知らなかった幼い息子と3人で地方巡業の旅に出る やがて成長した息子はヨーヨーという人気クラウンになり、第二次世界大戦が終わると、かつて父が暮らしていた城を再建すべく奔走する 空中ブランコ乗りのイゾリーナに恋したヨーヨーは、興行プロデューサーとして成功するが、イゾリーナと結ばれることはなかった

世界恐慌までを字幕付きのサイレントで、その後をトーキーで描いています 本作も名脚本家ジャン=クロード・カリエールが共同脚本を担当しました

地方巡業先の土地で、父親が「ここでサーカス興行しよう」と息子に語りかけますが、「ザンパノとジェルソミーナによる興行」という看板を見て諦めます 言うまでもなくフェリーニの不朽の名画「道」(1954年)へのオマージュです

また、ヒトラーが演説するシーンが出て来たかと思うと、それはチャップリンだったりして、「チャップリンの独裁者」(1940年)を思い起こさせます

このように、本作はサイレントとトーキーの名作へのオマージュに溢れた作品になっています

本作も、ちょっとしたシーンにギャグが仕掛けられていて、思わず笑ってしまいます

 

     

 

ところで、ピエール・エテックスの映画の共同脚本を手掛けたジャン=クロード・カリエールが監督した「ブルジョワジーの密かな愉しみ」はとても面白い映画で、これまで2度観ました いつか どこかで上映されたら また是非観たいと思っています


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