喉飴と鞭による映画・小説・漫画論評~このブログを見る者は地獄を見るだろう~

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哀れなるものたち (2023) ★★★★☆

2024-03-11 16:38:32 | SF

もう全国的な公開は終わっているので、まだやっていたTOHOシネマズ日比谷にて鑑賞。

※アカデミー賞で健闘したため、また公開規模が広がる可能性あり

監督:ヨルゴス・ランティモス

脚本:トニー・マクナマラ

原作:アラスター・グレイ

製作:エド・ギニー、アンドリュー・ロウ、ヨルゴス・ランティモス、エマ・ストーン

製作総指揮:オリー・マッデン、ダニエル・バトセック

出演:エマ・ストーン、マーク・ラファロ、ウィレム・デフォー

音楽:イェルスキン・フェンドリックス

製作会社:TSGエンターテインメント、エレメント・ピクチャーズ、フィルム4・プロダクションズ

配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン

上映時間:141分

製作国:イギリス、アメリカ、アイルランド

 

R18指定作品をディズニーが配給するとは。

本作を観るまでエマ・ワトソンとエマ・ストーンを混合しており、恥をかくところだったが、双方の代役を演じることがあったらしく、あながち混合するのも無理はないのかもしれない(自己弁護)

 

本作は、子を身籠っていた女性が自殺し、腹の中の子の脳を女性に移植して蘇らせたらどうなるか、というもの。

画面は白黒で始まり、舞台はヨーロッパだが時代は不明確にされており、ゴシックホラー感がある世界観である。

子の脳を勝手に移植するという倫理観ゼロのマッドサイエンティストが大人のロリを観察する光景は、観ていて不快であり不気味な雰囲気が漂う

だが、物語が進むにつれて、エマ・ストーン演じるベラは脳が赤ん坊から大人へと成長していく。マーク・ラファロ演じるダンカン・ウェダバーンの「女はこうあるべき」価値観を跳ね返すほど、強い女性へと成長していくのだ。本作はフェミニズム映画なのである。

まあ、ダンカンよりもっと酷いのがアルフィーなのだが。

もはや、羊にされるより殺してあげた方がよかったのではないか…と気の毒になった。

本作のベラは、普通の女性の成長過程とは異なり、身体と精神が一致していない状態から始まるため、オナニーを早い段階で覚えてしまう。

また、暴れたら大人の身体なので手がつけられない。ここの演技が、とても評価されたのだろう。特に赤ん坊の歩き方を身に着けるのは苦労したことだろう。

馬鹿みたいに繰り返されるセックスシーンも、最初はぎこちなくてはならないが、後ではセクシーさを出さなければならない。

世界一のヤリチンを自負するダンカンが、脳内少女であるベラに本気で恋し、自分好みに教育しようとしたというのは、男の弱さを象徴しているかのようにも見えたし、あそこまでベラに執着するのもある意味愛おしくもあった。

まあ、喧嘩するほど仲が良いともいうし、マックスよりもお似合いだった気がするが。

ベラが飢餓に苦しむ人々を見て泣き叫ぶ感情は、我々が子供の頃に置いていった感情ですよね。勿論、それを忘れてない人々は赤十字などボランティアや慈善事業を大人になっても続けていると思いますが、世の中の不公平さ。これを目の当たりにした衝撃。私もニュース映像でしか知らないので、実際に目にしたら価値観変わるのかな。

風俗に息子達のために性教育に来た大人受ける。初めの前戯なし男みたいにはなりたくないですね。

以上

フランケンシュタイン、オズの魔法使いなど本作の引用となってるであろう映画もチェックしていきたいところです。

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