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  • 2022年にボクたちが目指す「ものづくり」

    新しい年を迎え、謹賀新年の挨拶が早くも寒中見舞いに変った。時間の経つその速さに胸が詰まる。一年の計は元旦にあり、すでに1月も残り少なくなったが、サテ今年をどういう一年とするのか。アメリカや欧州ではピークを越えたといわれるオミクロン株が少し遅れていま日本各地で猛威を振るっている。コロナ感染の第6波は誰もが予測していたが、感染力が尋常ではないようなので、仕事への影響はこれまで以上に大きいだろうと警戒して...

  • 新入社員たちがやって来た

    この4月1日から4名の新入社員がボクたちの仲間入りをした。コロナ感染に配慮しながらの入社式に始まり、10日間の研修を終え、それぞれが各番組プロデューサーの下で働き始め、早くも1ヶ月が経つ。将来有望な若者たちが、毎年門を叩いてくれることは有難いことだ。当然のことながら、新入社員の誰もが、番組の制作は初体験だから、右から左まですべてが一からのスタートだ。恐らく、見ること聞くことのすべてが新鮮で、同時に不安で...

  • 住みやすい世の中

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  • 苦しいときの神頼み

    毎年、年明け早々には会社の近く、赤坂山王下にある日枝神社で数人のスタッフと共にお祓いをして貰うのだが、今年は少しばかり時期をずらしての初詣となった。境内は人も少なめで、緊急事態宣言下でもあり、コロナ感染予防の宣伝がよく行き届いている様子だ。それでもお祓いに来る人たちは後を絶たず、20数人が一緒に祈祷を受ける。ソーシャルディスタンスとやらで透明のビニールで仕切られた中で聞く巫女の神楽の鈴の音も弱々しく...

  • 果たして危機に挑めるか

    未だに青臭いことばかり言っては嗤われているのだが、今よりもずっと青い頃から、エイリアンの総攻撃でもない限り、人類は争いを止めたり、各国一致団結して協調することなど出来ないのだろうな、などと思っていた。しかし、人間同士の抗争は、そんなに生易しいものではないことが、今回の新型コロナウイルスの登場で証明された感がある。新型コロナウイルスの世界の感染者数は9700万人を遥か越え、死者は200万人以上を数える。100...

  • マスコミは本来の役割を果たせて来たのか

    やっぱりな、欲望の前には、人は同じ過ちをくり返すものなのだな……。これが安倍首相辞任の報を聞いた時の率直な感想だった。第一次安倍政権時代に病気のために首相を辞任したことがあった。タイミングはともあれ、それはそれとして仕方のないことだったとは思う。病魔に襲われたことは不幸で気の毒なことだった。しかし今回は、自民党の党則を変えてまで総裁の任期を無理やり延長し、しかも同じ病気での職務半ばの辞任だっただけに...

  • 新型コロナの恩恵

    つい先日、某テレビ局に出向しているスタッフが久しぶりに会社に顔を出した。毎月一度の伝票の精算のためである。「よう、元気にやってる?」とボクは彼女に声を掛けた。「ええ。がんばってますよ」と言い「何だか小田さん、前よりも元気そうですね」とボクの顔をまじまじと見た。「俺はずっと元気だよ。コロナのお陰で死んでるヒマなど無いよ。」「あっ!それ良いですね。そのフレーズ貰っちゃおっと」と笑った。ボクもそれなりの...

  • 政治の劣化は誰が招いたか

    二週間ほど前の休日、久方ぶりに新宿のデパートに行った。妻は売り場に、買い物が苦手なボクは屋上に向かった。そこはビアガーデンになっていて、その一角に、向かい合わせに4つのベンチがあり、そこが喫煙所になっている。妻が買い物をする小一時間ほどを、ボクはそこで心ゆくまでタバコをふかす。例年ならば多くの客で賑わいを見せている筈のビアガーデンも、人はまばらで、従業員たちも手持ち無沙汰な様子だった。コロナの影響...

  • 東京アラートの意味

    先日、40数年来の馴染みの飲食店にフラリ行ってみた。東京アラートなる訳の分からぬ警告が出されている折でもあったので、果たして営業しているかどうか分からなかったのだが、幸いなことにお店には灯りが燈っていた。入口には、いつもと変わらぬ様子で女将さんが陣取っていて、顔を合わせると「あら、いらっしゃい!お久しぶり」とこれも変わらぬ笑顔だ。すかさず「ちょっとこれを」と、近頃では当たり前になった文明の利器を取り...

  • 雨にも負けず、コロナにもめげず

    冗談を言っている場合ではないが、世界中がコロナという目に見えない怪物に振り回され、恐れおののいている。うっかり咳やくしゃみも出来ない状況だ。日本の場合、患者数だけでみれば、大した数字とも思えないし、インフルエンザと比べて周囲で新型コロナに感染した人は未だに知らないので、宝くじに当たるようなものだなあ、というのが当初の実感だったのだが、そんなことを言っていられなくなってきた。それもこれも、新型コロナ...

  • ゼロからのスタート

    間もなく会社は設立32周年を迎える。過去を振り返り懐かしんだり、思い出に耽るのは性には合わない。今の積み重ねが未来に続いていくので、今をどう生きるかが大切だと思っている。しかし、会社設立当時と今と、どんな点が違うのかを考えることは、今を考えるために意味のあることだとは思う。31年前の今頃、赤坂の10坪ほどのマンションの一室に会社を構えたのだが、事務机ひとつしか無かった。設立メンバーは6人。床にゴザを敷き...

  • レオナルド・ダビンチと聖書

    直木賞作家の伊集院静さんが脳梗塞で倒れられた。伊集院さんは作家活動だけではなく、近藤真彦の「愚か者」や「ギンギラギンにさりげなく」などのヒット曲の作詞も手掛けておられる。また女優の夏目雅子と結婚して話題になったが、彼女を亡くした後に、やはり女優の篠ひろ子と結婚するなど、なかなかの強者である。ボクはこれまで直接の面識は無いが、つい最近、NHKのETV特集で「伊集院静 ダビンチをめぐる冒険」の制作で出演をお...

  • 子はかすがい?

    中国朝鮮族である妻の親戚夫婦に20歳になる一人娘がいて、今年の5月に留学しているアメリカの大学を卒業する。彼女は化学者への道を歩んでいて、あと5年間、大学院での博士課程に進む。すでにイエール大学、コロンビア大学の合格が決まり一族で喜んでいたのだったが、つい先日、ハーバード大学、続いてスタンフォード大学からも合格通知が届いた。合格と云っても単なる合格ではないことを知って驚いた。どの大学も今後5年間の授業...

  • 2020年はどんな年になるのだろう?

    つい先日、何気なくテレビを見ていたら、大手150社88万人の暮れの平均ボーナスが95万円でこれまでの最高額だった、とのニュースが流れていた。ボクにはそのニュースを報道している側の意図が何処にあるのかがまったく分からなかった。景気が良いとのアピールなのか、それとも大企業の礼賛なのか。しかし、実態を見れば、現在の日本の就労者人口は約6800万人、ニュースで取り上げられている恵まれた88万人は全体の就労者の0.013%弱...

  • 大廃業時代の到来

    今年もいよいよ押し詰まって来たが、いま中小零細企業の倒産が増えている。そして同時に、表向きは倒産ではないが、実は隠れた倒産というケースが増えているようだ。それが廃業である。廃業の理由はさまざまで、後継者不足の場合も多いと聞くが、先行きが不透明で営業を続行すれば倒産の危機を迎えると判断した経営者が、まだ余力のあるうちに会社をたたむことも多いらしい。中央と地方都市との経済格差も大きく、特に地方での廃業...

  • テレビ屋の宿命

    日本でテレビ放送が始まったのはボクが小学生上学年の頃だった。当初はテレビ受像機を持っている家も少なくて、ボクの家にテレビが来たのは中学生になってからだったと思う。テレビ放送局はNHKと日本テレビと東京放送だけで、放送時間も短かいものだった。テレビ受像機もとても小さく、白黒放送だった。当時は劇場映画が盛んな頃で映画人からは電気紙芝居などと揶揄されていた。その頃は将来、自分がテレビ局で働くことになろうと...

  • 人生は演出だ

    ボクはいつもスタッフに、「楽しいこと」や「面白いこと」は世の中に満ち溢れているけれど、他人から与えられるモノじゃなく、自分で作り出さないと決して出会えないよ、と言っている。ボクは大学受験に失敗し、一浪して予備校に通った経験がある。その予備校で出会った友人にフランス文学者の奥本大三郎がいる。出会って以来現在まで彼のことを大ちゃんと呼んでいる。大ちゃんは東大に進み、後に大学教授として教鞭を執ったが、数...

  • 働き方改革の波紋

    先日、あるテレビ局の関連会社から、わが社の朝から夕刻までの様子を丸一日見学したいとの要請があり、うちのような会社で良ろしければ、いつでもどうぞ、ということになった。要請のあった局の関連会社は200人以上のスタッフを抱える制作会社だが、働き方改革で残業が自由に出来なくなったために、大幅に人員を増やさざるを得なくなった。これまでは、スタッフそれぞれのデスクを用意していたのだが、増員すればデスクが足りなく...

  • 家族の幸せと仕事

    ここのところ、子供への虐待や育児放棄などのニュースが盛んに流れている。単純に、ああ!又か、とも感じるが、そんな事件が昔と比べて増えているのか、減っているのかは定かではない。いまから50年近く前も「子捨て、子殺し誰がした」などというタイトルのドキュメンタリーがあったのを覚えている。ボク自身も「上野駅前交番日記」という番組を作った時に、上野駅のコインロッカーからビニール袋に入れられテープでグルグル巻きに...

  • あるヘッドハンティング会社からの電話

    ひと昔前のテレビ時代劇で「必殺シリーズ」が流行ったことがあった。恨みを晴らしたい、殺したいと願う依頼人からお金を受け取り、殺人を代行する請負人たちのドラマである。いわば殺人代行屋のお話である。考えてみれば、殺人などの物騒なことはやらないが、現実の今の世にも、色んな案件を本人に代わって代行する職業は多い。司法書士や弁護士、会計士や税理士、旅行代理店や広告代理店などの代理店業務も代行の仕事である。また...

  • ドキュメンタリーの若き研究者たち

    先日30歳代前半の2人の女性の訪問を受けた。彼女たちは日本のテレビのドキュメンタリー番組の研究分析をして論文を発表し、博士号をとろうと活動を続けている人たちだった。そして、この2人の女性の訪問はボクをタイムスリップさせ50年ほど前の昔へと連れ戻したのだった。日本テレビに「NNNドキュメント」というドキュメンタリー番組がある。1970年から始まり週に一度、現在なお放送を続けている長寿番組だ。ほぼ50年近く続いて...

  • 銀行マンたちの新たな挑戦

    この夏、旧財閥系のメガバンク二行からお誘いがあり、それぞれの集まりに出席した。ひとつは毎年この時期に行われている懇親会で、もうひとつは周年記念のパーティーだった。ボクたちのようなちっぽけな制作会社が、どうして招いて貰えるのか?とも思うのだが、それはさて置き、とても有難いことと感謝しながら参加させて頂いている。そんなことを含めて、月に何度か銀行マンとお会いするのだが、各行ともに、その営業方針をこれま...

  • キャッシュレス社会の到来

    近頃では、タクシーに乗っても「お支払いは現金ですか、それとも……」と聞かれることが多くなった。中国からの観光客で賑わう沖縄の島々では、キャッシュレスが進んでいるとは聞いてはいたが、いよいよ、ボクたちの身近に浸透し始めている。スーパーでも店員がお金に触れないシステムがどんどん進んでいるし、すでに、現金支払いお断りの飲食店も現れている。政府は2025年に開催される大阪・関西万博に向けて、電子決済の普及を進め...

  • 過去の幻影からの脱出

    ...

  • 平穏な時代に生きるボクたちの役割

    相も変らぬ与太話で。ボクの知る限り今の若い人たちは、政治の話をしない。いつの頃からかは分からないが、若者たちの間では政治に関する話題がタブーになっていることだけは間違いのないことである。その理由を聞くと、余計な議論を避けるため、との答えが圧倒的である。政治が人びとの関心から遠いということは、世の中が平和で平穏である、ということのひとつの証でもある。しかし、政治への無関心は政権与党のみならず野党も含...

  • ただ今、新入社員採用面接中

    いま、来年4月からの新入社員採用の面接に追われている。昨年は5人の新卒者を採用し、この春から全員が元気に活躍してくれている。今年も出来れば昨年と同じくらいの人数を採用したいと考えている。昨今は、若い人たちがテレビに興味を失い、テレビ受像機そのものを持たない若者が増え、テレビ局は勿論のこと、テレビ番組制作会社への就職希望者数も一時に比べればずいぶんその数は減っている。中でも、ボクたちのようなドキュメン...

  • 不夜城からの転身

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  • 新入社員への期待

    今年も4月1日から男子2名、女子3名の総勢5名の新入社員たちがボクたちの会社の新しい仲間として加わった。例年通りに入社式を行い、10日間ほどの研修期間を設けた。入社式は単なる儀式に過ぎないとの見方もあるが、ボクは意味のある大切な儀式だと考えて毎年これに臨んでいる。最近では新入社員については、入社後半日で辞めた者がいるとか、研修に耐えられず辞めた、などのニュースを初めとして、働く若者たちの理解し難い行動...

  • テレビ局でアルバイトをした女子大生の話

    この4月で大学3年生になる知り合いの女子大生と食事をした時の話である。彼女はテレビ局の仕事に興味を抱き、つい最近、あるテレビ局のデイリーのワイド生番組の短期アルバイトに応募した。面接にあたった制作担当者は彼女を見て「この娘は走れそうだな」と面接に同席した同僚に話しかけた後、彼女に向かい「君、走れる?」と聞いた。「はい、走れます!」と元気よく答えると「それじゃ、走ってもらおうか」と彼女のアルバイト採...

  • グチや弱音の正体

    グチや弱音はボクたちの日常生活にはツキモノである。事ある毎に、「あーあ…」などとため息もつく。それらは一種のストレス解消法であるのかもしれない。しかし、ボクの親しくしている四日市市に住む生き神さまは「ため息は駄目だよ。自分でますます元気を無くすことになるからね。もし、無意識にため息をついたら、すぐその後で、取り消し!取り消し!と言いなさいよ」と教える。ところで、ボクたちの会社では月に一度、スタッフ...

  • 不測の事態のふしぎ

    世の中はすべからく因果法則で動いている。何かが起きるには必ずその原因がある。だから、突然、何かが起きるというような不測の事態など本来は無い筈なのだが、実際は、この不測の事態がしばしば起きて大慌てする。なぜそうなるのかの理由は簡単で、結果を生み出す原因の段階で、それに気づかずに見過ごしてしまうことが多いからである。ボクなど本当に馬鹿だから、ちょっと思い出してみるだけでも、不測の事態にしょっちゅう見舞...

  • 世代感覚と宇宙人

    時代感覚についての与太話を一席。30歳代の若いスタッフたちは、今の若い人たちが何を考えているのか分からない、と言う。そして、入社してまだ4~5年しか経たない20歳代のスタッフの中にも、新しく入社して来る若者たちを評して、若い連中の考えていることが分からない、と言ったりもする。30歳代の若い人たちが10歳以上も歳の差のある歳下のスタッフの考え方や行動に、ある種の違和感を持つのは、まあ分かるにしても、歳もさほど...

  • 一宿一飯の義理

    ...

  • 親と息子の人生相談

    ある知人から、ひとりの若者に会って話を聞いてやってくれないか、と頼まれて「ああ、いいですよ」と軽い気持ちで引き受けた。就職活動の話だと思ったからである。その若者は某私立大学の3年生で、演劇の勉強をしているとのことだった。これまでのボクの体験から、演劇に関わっている就職希望者には余り期待しない方が良い、との考えがあった。これまで、ちょっとどうかね、と思えるケースが多かったからである。これはあくまでも...

  • 叱られなくなったら人間おしまい

    先日、同期の桜だか、枯れ木だか分からないが、大学時代の同級の仲間7人が集まり、新年会を行った。全員が後期高齢者で、宴会も昼間の12時から始まり、3時頃には解散となる。ボクは昔から、すでに終わった関係には興味がなくて同窓会と称するものなど見向きもしなかったのだが、2年ほど前に親友で恩人のOから誘われてこの集まりに参加するようになった。懐かしさなどとは無縁だが、たまにOと会う口実のようなものでもあり、それに...

  • 市原悦子さん逝く

    めでたい新春早々にあまり相応しくないお話になってしまうが、女優の市原悦子さんの訃報が届いた。改めての説明は不要だとは思うが、「家政婦は見た」や「まんが日本昔ばなし」などであまねく知られる女優である。あの独特で軽妙な語り口は一度聞くと、いつまでも耳に残って離れることは無い。市原さんは俳優座の養成所からのたたき上げで、若くして主役に抜擢されて活躍した才能溢れる舞台女優である。舞台で歌い、踊り、見事な演...

  • 今年も終わりですね

    例年のこととは云え、この一年も色々なことがあった。3月には会社設立30周年を迎え、身のほど知らずのパーティーを催したが、おかげ様でたくさんの方々にご出席いただき、祝福と貴重なお言葉の数々を頂戴することができた。改めて感謝したい。そして暮れの12月には、会社の移転があった。ビルの建て替えのためのやむを得ぬ移転だったが、急なことでもあり、思った以上のエネルギーを使う事となった。三菱銀行さんのご厚意もあり...

  • 世の中って分からないことが多い

    近しい知人の話だが、海外から日本に旅行でやって来た何人かの人たちの案内をすることになり、すでに数日経ったのだが「いやあ、大変でね」とこぼしている。来日した客というのが、イスラムだったり、ヒンズー教徒だったりと、それぞれ宗教の戒律に縛られて生きている人たちなので、食べ物ひとつ決めるのにも苦労しているらしい。イスラム教徒は豚肉を食べないことは知られているが、他の食べ物でも決められた加工や調理に関する決...

  • 道の選択

    愚にもつかない、実に下らぬ与太話で。ボクは月に一度、病院に通っている。もうかれこれ7~8年ほどになる。その病院は会社から200メートルほどの距離にあるのだが、つい最近になってフト気付いたことがある。それは、病院への行きと帰りで、必ず違う道を通っていることだった。と言っても、道の選択は2通りしかない。病院に行く時は、会社を出てから、すぐの所に左に入る狭い路地があるのだが、そこは曲がらず、道をまっすぐに行き...

  • 会社移転のお話

    11月いっぱいで、会社を引っ越すことになった。20年間慣れ親しんだビルだったが、老朽化が進み、地震対策はもとより、水回りなどの修繕費が嵩み過ぎるのでビルのオーナーは余儀なく建て替えの決断をしたとのことだった。そう云えば、建ててから50年以上になっているらしいし、時に水が漏れたりするような出来事もあった。それでもボクはこの建物と場所が気に入っていた。オーナーは多聞堂という屋号を持つ額縁屋さんで、小津安二郎...

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