化学プラントの技術系調整部門の仕事は、いろいろあります。工場内外の調整の窓口的な役割が基本で、販売や研究との調整や工場見学の対応もしながら、原料や新規品目の全体調整などを行います。他には製造部門の役割変化に臨機応変に対応したり、異動の待機係ともなります。ベテランクラスが配置され、縁の下の力持ちとなってくれています。
化学プラントの設備・運転を分かりやすく解説。国立の機電系大学院卒業→化学会社のプラントエンジニア15年以上。機械設計中心、海外勤務、製造管理経験あり。
バッファ目的の待機槽はバッチ運転ではとても大事です。 反応器周りで並列運転や直列運転による、運転時間の調整目的として使うことが多いですが、特殊設備回りにも持っておきたいものです。 槽を設置すると、どうしてもプラントのスペースを圧迫してしまい
プラント増改築の設計段階でオーナーズエンジニアが考えていること
プラントの増改築プロジェクトの設計段階で、オーナーズエンジニアが考えていることをまとめました。 オーナーズエンジニアが何をどう考えているかを知る機会はあまりなく、一方的な情報のやり取りをしていることが多いでしょう。 忙しくて対内・対外のコミ
プラント増改築の設計段階でオーナーズエンジニアが考えていること
プラントの増改築プロジェクトの設計段階で、オーナーズエンジニアが考えていることをまとめました。 オーナーズエンジニアが何をどう考えているかを知る機会はあまりなく、一方的な情報のやり取りをしていることが多いでしょう。 忙しくて対内・対外のコミ
バッチプラントのプロセス制御をトレンド(時間推移)の面で考えます。 制御系エンジニア初心者や機械家エンジニア向けです。 特に機械系エンジニアは、設備や配管に係ることはあっても、トレンドを見る機会はほとんどありません。 その割に、トラブル対応
ポンプをタンクや反応槽周りに複数台設置するケースは、化学プラントだと非常に多いです。 特に連続プラントだと、かなり一般的でしょう。 バッチプラントだとあまり一般的ではなく、増改築を繰り返していくうちに気が付いたら並列設定していたという場合が
フランジ用ボルトの簡単な比較をします。 スタッドボルトとマシンボルトの2種類がありますが、その違いを解説します。 どちらを使うべきなのか、どちらでもいいのか、という疑問は初心者のころには出てきます。 ボルトにも色々な種類や仕様があるので一概
ドラム缶やフレキシブルコンテナ(フレコン)に充填をするとき、コンベアとの位置関係は重要な設計要素になります。 しかし、建設設計のうち最後の最後に回されて、どうしようもなくなってしまう場面もあります。 最低限必要な要素をしっかりと見極めると、
フレキシブルコンテナをプラント現場まで運ぶ方法を考えます。 化学プラントでもフレキシブルコンテナは、非常に多く使います。 ペレットや粉体などさまざま。 フレキシブルコンテナは100kgを越える大重量で、人手ではとても運ぶことはできません。
製品とプラントのライフサイクルを考えます。 ライフサイクルは人間の一生を考えるときに出てくる概念です。 これを製造業の製品や設備に対しても当てはめようという考え方があります。 化学プラントの場合は、製品とプラントの2つのライフサイクルを個別
圧力損失の計算では継手の抵抗を考えます。 継手の大小関係がどれくらいであるかを感覚的に知っておこうというのが、本記事の狙いです。 机の上で詳細の計算をしなければ分からない、というのでは現場のエンジニアとしては少し困ります。 現場で起こったこ
制御に関する簡単な話です。 機械エンジニアとして仕事をしていると、プラント運転とか設備の中で起こっていることとか考える機会がかなり少ないです。 機械を購入する時には、設備の知識は絶対に必要ですが、勉強する機会がないというのは困ります。 実際
アンカーボルトについて考えます。 基礎埋め込み型のスタンダードなアンカーボルトは、化学プラントではポンプなどによく使います。 世間的にはケミカルアンカーを使いますが、圧力容器など重要な個所には古典的なアンカーボルトが一番信頼が置けます。 ア
フランジとガスケットの接続寸法を比較します。 化学プラントの機械系エンジニアは、フランジやガスケットと必ず関わります。 ところが、今回の話を意識することはほぼありません。 というのも、規格ですべて決まってしまっているから。 日本で仕事をして
フランジとパイプを寸法の面で、確認します。 フランジの形はいくつもあります。 ハンドブックなどを眺めながら、数値を比較していくと、それぞれの特徴が見えやすくなってくるでしょう。 設計者にとっても今回の内容は、頭の中でいくつかの認識の仕方に違
フランジ・ねじ込みとパイプの接続を寸法表で確認する方法【基礎】
フランジ接続やねじ込み接続では、接続継手とパイプをつなぎ合わせます。 配管設計の基礎的な部分ですが、これらがちゃんと接続可能であることを、図面や寸法表で確認することが可能です。 詳細の設計をする人でなければなかなか見ない資料ですが、ちゃんと
機械ノズル(管台)と配管を接続する時の基本的な考え方を解説します。 配管設計を優先して行うため、ノズルのことは意外と後回しになります。 結果的に、メーカーなどの他人任せになることも。 ノズルは簡単に決めれるわけでもなく、関連する要素もさまざ
樹脂配管を化学プラントで使う機会は少ないので、設計の際には意外と困ります。 その典型例が面間。 塩化ビニル配管で直面しやすい問題です。 狭い場所を配管を通そうとして設計するものの、既製品の面間に限界があるために、上手くいかないケースがありま
樹脂配管を排水ラインに設置すると、結構な確率で失敗します。 世間一般に使われる樹脂配管ですが、化学プラントで使うとトラブルになりやすいです。 使いどころをしっかり理解していないといけないので、化学プラントでは使わないと言い切るくらいでちょう
送風機・ファン・ブロアーの設計では、単に気体を送るだけの機械と考えてしまいがちです。 ところが、多くのプロセスでは液体分を含んだガスを送ることになり、送風機・ファン・ブロアーでは液体が溜まってしまう問題があります。 最悪閉塞するということも
グラスライニング反応器のオプションに関する話です。 汎用性が求められるグラスライニング反応器は、標準形で統一していく方が好ましいです。 その標準も、時代が変われば変わっていきます。 使う場所によっては、特殊性が必要となることもあるでしょう。
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化学プラントの技術系調整部門の仕事は、いろいろあります。工場内外の調整の窓口的な役割が基本で、販売や研究との調整や工場見学の対応もしながら、原料や新規品目の全体調整などを行います。他には製造部門の役割変化に臨機応変に対応したり、異動の待機係ともなります。ベテランクラスが配置され、縁の下の力持ちとなってくれています。
バッチ系化学工場では塔の設計は塔径だけを決めるという簡単なものです。反応槽やガスラインなどの口径でほぼ決まってしまうもので、残りの仕様は実績重視で汎用性を持たせます。コスト目的で架構内に収めることも重要です。
化学プラントの投資を削減する狙いに、既存設備を移設するという考えがあります。ところがこれが意外と高いです。設備費と工事費のイメージを持っているかどうかが差となります。ここに気が付くと、新作と移設のケーススタディや費用の内訳の整理など、見積を依頼するにもその分け方を考えることで、投資判断を早く正確にできる可能性があります。
運転中に設備改造を行う場合は、普段より慎重に考えないといけません。たっとポンプ1個でも大きな問題になりえます。P&IDを書いて、事前に準備するラインを考え、工事の安全上の問題や運転条件を踏まえた改造を考えていきます。
オーナーズエンジニアは個人的にはおススメの仕事ですが、リスクはあります。仕事の浮き沈みを吸収しにくく、突発の仕事は多く、ずっと工場勤務です。その割に知識は習得しにくく、受け身の仕事をずっとこなすだけという展開も考えられます。それでも会社が存続する場合は、気楽に仕事ができるでしょう。そうでなくなった時は、リスクが急に問題になります。
バッチプラントは同じような設備構成に見えますが、意外と特殊設備があります。特殊設備が多ければ多いほど汎用性が無くなり、ある生産品目にとっては使い易くても、別の生産品目には使いにくくなります。製品導入時のことだけ考えてプロダクトライフサイクルを考えずにプラントライフサイクルも考えないと、後々困ります。新技術がほぼなくなった現在では、長期的に使える設備構成を考えるのはエンジニアの1つのテーマです。
担当したこともない全く知らないプラントのFSをする場合に、気を付けることは結構あります。情報が不足しているからといって、見落としの項目があってはエンジニアのプライドが傷つけられます。納得感のある見積をするためにも、前提条件を疑い情報を集めるようにしましょう。
化学プラントの架構は鉄床で作ることが多いです。建物そのものの寿命を判定するうえで、鉄床の寿命を延ばすことが最優先です。ステンレス床に変える、FRP塗装をする、普通の塗装を繰り返す、当て板をするなど方法はいくつかあります。基本は塗装を繰り返すですが、手遅れのものは当て板とかステンレスに変えるなど、コストはどんどん跳ね上がっていくでしょう。
地番沈下の問題は化学プラントでも問題になります。埋設配管や地下水などの影響を長期的に受ける可能性がありつつ、スチームドレンなどの外部要因もありえます。その割に、メンテナンスのための投資をしないので、気が付いたときには全容把握すら困難もしくは高額の費用が必要で、首が回らなくなってしまいかねません。プラントライフサイクルの中でもとても重要な話題です。
3Dスキャナは化学プラントのような設備系には業務効率化の夢が広がる話です。私の職場でも導入されましたが、1~2年で誰も使わなくなりました。理由をいろいろ考察しましたが、「使う人がやる気がない」という結論に落ち着いています。職場によってこの辺が大きく違って、成功と失敗に分かれるのでしょう。
化学プラントの設備投資では、投資を決めるために厳しい厳選がなされます。老朽化しているプラントが多いので、特に問題になりやすいですね。ここで必要な投資を許可してもらうためには、申請者はいくつかの工夫が必要です。老朽化している具合のアピール、合理化の可能性、故障リスク削減の可能性などです。
カーボン熱交換器は強そうに見えて意外と弱く、樹脂で持っているという構造は変わりありません。樹脂が漏れても気が付きにくく、異物ともなりえます。取り扱いも注意が必要で、割れたり漏れたりするリスクがあるので、予備を確保しておくことが好ましいでしょう。
撹拌機を交換するのは意外と怖いです。単純更新ですら意外とできなかったりして、単純更新のつもりが微妙に違う部分があって性能に影響を与えたりします。このリスクのある撹拌機を自プラントでどれだけ抱えているか把握して長期計画を練ることは、機械系エンジニアにとって大事なことだと思っています。
化学プラントの設備保全でDXは進められているように見えてしまいます。対外アピールは凄いのですが、実態はどこも結構なものだと思います。何もしない人も居れば、1回だけデータを取って満足する人も居れば、実運用までの展開であきらめたり、時間を掛けて結果が出ないというパターンもあります。DXは部署を横断して自主的に進める力のある人が担当する必要があり、人を選ぶ業務だと思っています。
プラントエンジニアリング会社のエンジニアはオーナーズエンジニアよりもスキルが高いという一般的に言われることを、自分の範囲ではあまり聞いたことがありません。これはプラントエンジニアリング会社が不得意としている領域で、バッチなど機会の少ないプラントや思想がしっかりしているプラントが当てはまりそうだと思います。
原料の品質は不純物が製品に影響を与える可能性があります。原料の製法や工場が変わるとその影響を評価しないといけません。メーカーのCoAと原料に必要な規格とは異なる部分があるので、メーカーが問題ないと言ってもユーザーはそれなりに評価が必要な場合はあります。
ストレーナ・フィルタのライン設計を考えました。交換洗浄作業を考えるときに、遮断弁の外、ベント・ドレンを付けたり、圧力計で監視したり、水・窒素ラインを繋いだりと、安全性を高める方法が考えられます。内容物の危険性に応じて選べるようにしましょう。
新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。時が過ぎるのは速いもので、気が付いたら1年が終わっていた気がします。1年を振り返るのは年末くらいのものですが、大晦日の振り返りは毎年かなり適当です。2024年はこんな感じでした...
全溶接型プレート熱交換器は耐圧性や耐熱性を高めたプレート熱交換器です。元のメリットである洗浄を犠牲にするので、詰まりや腐食の可能性が考えられる場合、交換前提で購入するとしてもリスクをしっかり判断しないといけません。私は、スチームとエアーのように綺麗な流体に対してしか、全溶接型プレート熱交換器を使おうとは思いません。
断面図を見てすぐにイメージができない場合は、色塗りがおススメです。分かりやすい部分から始めましょう。ケースなど外側が分かりやすいかシールが分かりやすいかは、構造や経験によって変わります。色で視覚的なイメージをしていくことで、不明部だけを浮かび上がらせることが可能です。機械の動きのイメージがしやすくなり、不足している部分など考えることもできるかも知れません。
タンク底の分液配管の弁と計器の組み合わせ例を解説しました。覗き窓を通して液を送るだけではなくて、導電率計・密度計や流量計を付けたりします。交換のためにバルブを付けると安心感が上がります。洗浄は覗き窓を中心に上側と下側の2パターンがありますので、分けて考えましょう。
バイパスラインの基本と、バッチ系化学プラントでの使い方を紹介しました。ストレーナ・ポンプ・流量計などは使い方が結構難しいです。逆止弁やスチームトラップは、運転上・保全上必要となります。標準的にとりあえず付けていても良さそうですが、実際に使うかどうかは別問題ですね。
ポンプの軸封で悩んだときはダブルメカニカルシールがおススメです。内容物の漏洩に強く、冷却液の選択肢が多く、メンテ費用が膨大に上がるわけではありません。シールレスポンプの方が安心感がありますが、一長一短あります。ダブルメカニカルシールは悪い選択肢ではないでしょう。
バッチ系化学プラントでアナログ計器としての圧力計・液面計・温度計・流量計の使い道をまとめました。圧力計は一時的なチェック目的で、液面計は法的対応として使います。温度計はあまり使いません。流量計は省エネ目的を期待します。
設備保全のDXを進めるために費用対効果を考えるには、人の費用や生産停止機会という分かりやすい指標はできるだけ避けましょう。単純計算ではコストメリットがでません。人がいない・安全上の問題があるなど危機感をアピールしましょう。
保全計画をレベルアップさせるための手順を説明しました。設備情報を漏れなく集め、金額と日数に関する情報をある程度丸めて入力します。修理を定期的に行う場合と、何もしないときのリスク評価を行い、予備機の有無をある程度評価します。この精度はある程度雑でも良いですが、数字で見えるとトータルの評価がしやすいです。
プラント工事中の安全を確保することは、非常に大事ですよね。 開口部からの転落は分かりやすい危険であって、結構問題になります。 そこだけに着目していると見落としやすいのが設備の開口部。 どういう問題があるのか整理してみました。 今回考える設備
切替が多いバッチ系化学プラントでは、P&IDを1枚とっても相当複雑になります。 改造工事をするときには、P&IDを修正するだけでもかなりの労力が発生します。 運転準備のために間違えなく切替をするときにも、P&IDをし
プラントのメンテナンス性は、長い間使う中でとても重要な話題です。 エンジニアリング段階ではほとんど話題になりませんが、運用段階ではたびたび話題になります。 会社の経営に大きく関わる可能性もあります。 一瞬のエンジニアリングに対する、一生のメ
大気圧タンクでは風荷重と地震荷重の計算をします。 タンクが空の時は風でタンクが飛ばされる可能性があり、タンクが液で満たされている時は地震で転倒するリスクがあります。 どちらのケースでも耐えられるようにタンクの形状を考えたり、アンカーボルトを
転倒は仕事でも日常生活でも起こりうる危険です。 頻度がとても多くゼロにすることはできない割に、被害度もゼロではない危険です。 化学プラントのように事故を徹底的に少なくしたい現場では、転倒対策はかなり徹底しています。 中でも「ちょっとした突起
不満を口に出す上司・怒る上司に対する否定は、昨今非常に活発です。 主に部下側からの主張であったり、人事系のマネジメントの視点からであったりと、現在目の前で起こっていることに着目した否定は非常に多いでしょう。 それも緊急処置としては大事ですが
転落は残念ながら非常に多いです。 天橋立の件のような意図的なものを除いても多いです。 建設業では特に多いです。 化学プラントの工事も例外ではありません。 プラントの工事で特に見落としがちな転落の危険性を解説します。 工事に関わる人はしっかり
階段は、プラント現場だけでなく多くの建物で当たり前に設置されています。 安全なように見えて、転落のリスクの高い構造物であり、化学プラント以外にも製造現場では安全管理の重要ポイントになっています。 そこで取る対策はアナログなトラテープ。もしく
2024年1月5日「ガイアの夜明け」(テレビ東京)にて放送された清水建設の女性監督の件、ご存じでしょうか? 話題になっていますので、検索すればヒットします。 遅刻してすぐに上司に報告せずに先に食事をとったという、部分です。 ここで、一言この
コロナ禍より少し前くらいからか、社内で指導の機会が少なくなっていることを感じます。 多くの人に一方的に伝達する教育や、e-ラーニングのような教育ではなく、マンツーマンの指導です。 機電系エンジニアの場合、マンツーマンの指導をある程度放棄され
ジョブローテーションは色々な会社で実施されています。 私が入社するくらいまでは、あまり情報も出回っていませんでしたが、今ではいっぱいの情報が世の中に公開されているので、入社前にしっかり考えている方も多いでしょう。 化学会社に機電系エンジニア
化学反応などタンク内にある液体をサンプリングすることは、一般的に実施されています。 サンプリングは例えば、マンホールを開けて手動で採取するイメージが多いですが、これは実はとても危険。 危険物を扱っている場合には、静電気着火の可能性があります
化学反応などタンク内にある液体をサンプリングすることは、一般的に実施されています。 サンプリングは例えば、マンホールを開けて手動で採取するイメージが多いですが、これは実はとても危険。 危険物を扱っている場合には、静電気着火の可能性があります
保全の管理は専用のシステムなんて使わなくてもExcelで可能なはず! そう思っていた時期が私にもありました。 実際、私が担当するなら自信があります。 Excelでも初歩的な考え方ができれいれば十分です。 では、その初歩的というのは実際どうい