Bonne(ボンヌ)のブログ

死別者ですが余生は少しでも楽しく

2023年10月: 晴れの国 岡山の旅 ⑮大原美術館を見学・・・前振りです(なんや、ソレ?by妻)

  今日は出勤日。カンカン照りではないものの、ジトジトと湿気が多い関東地方南部。
 肌にまとわりつくような湿気で体が重く、不快指数MAXでした。帰宅予定時間の30分
 前に冷房のタイマーを入れておいたので、帰宅した後は涼しく過ごせます。しかも、

 帰宅後にテレビ観戦したタイガースが今日も勝って4連勝。オッサンもご機嫌です。
  
  さて今日は昨年秋の岡山旅行の続きです。倉敷美観地区観光のハイライト大原美術館
 の見学です! オッサンは鼻息も荒く、開館時刻を待ちかねるようにチケット売り場に
 突進しました。(ドウドウ、少しは落ち着かんかい!by妻)  

  倉敷を代表する企業の倉敷紡績(クラボウ)の経営者、大原孫三郎が1930年に創設し
 た、日本を代表する私設美術館です。このギリシア神殿風の本館入口は創建当時のまま。
 大原美術館のシンボルのようになっていますね。
  
  大原孫三郎さんは優れた経営者であっただけでなく、社会福祉や芸術文化への貢献も
 されたという点で、近代日本を代表する素晴らしい実業家でした。欧米には「メセナ」
 という言葉(芸術文化に資金援助を行った古代ローマのマエケナスさんに因んだ言葉)
 がありますが、我が国にもかつてそれを体現した方がいらしたのです。

 

 (某国営放送で、大原孫三郎さんのドキュメンタリーがあったみたいです。その映像を
 ネットから借用しました。)


  大原孫三郎氏は、自分が見込んだ地元出身の洋画家:児島虎次郎に経済的支援を行い、
 パリへの留学費用も援助しました。そのお陰で児島虎次郎は本場パリで本格的に油彩画
 を学び、それ以上に当時も芸術の都であったパリの空気を吸い、世界最高レベルの絵画
 や芸術作品に触れることができました。彼が洋画家として大成できた理由でしょう。

      

  (児島虎次郎さんのポートレート写真がネットで見つかりました。)
   
  しかし大原孫三郎氏は並の経済人ではありませんので、これで話は終わりません。彼
 は児島虎次郎に、パリで優れた絵画や彫刻作品を購入することをミッションとして与え
 ました。もちろん資金は大原氏が提供するわけです。つまり、資金援助に見合ったリタ
 ーンを考えていたのですからスゴイです。もちろん、大原氏は作品を転売をするつもり
 はなく、個人で秘匿をするつもりもなく、自分が構想していたこの美術館の作品を彩る
 ためでした。そしてそれは、まだ海外旅行など夢のまた夢であった当時の多くの日本人
 に世界レベルの芸術作品を見せるために行ったこと、だったのです。しかし彼が優れて
 いたのは、忙しい財界人である自分が短い期間に渡欧して買い漁るのではなく、長期間
 滞在でき、かつ自分よりも審美眼があると見込んだ若者に、それを託したことです。
 いくらお金持ちとはいえ、ポンと大金を渡して。スゴイとしか言えません。


  そして児島虎次郎がその期待に十分応え、優れた絵画作品を孫三郎の代理で購入し、
 日本に持ち帰ってきたのは言うまでもありません。
  そうなんです、その貴重なコレクションをベースに、大原家一族が長い年月をかけて
 集めた一流の芸術作品(洋画だけでなく、日本画や中国芸術も含む)が展示されている
 のですよ、この大原美術館には。(ますます鼻息が荒くなっとるやん。by妻)


  この美術館に所蔵されているわけではありませんが、その偉大なる実業家大原孫三郎
 さんを、彼が援助した児島虎次郎さんが描いた絵がありました。いうなれば大原美術館
 とは、天才実業家と天才画家のジョイントヴェンチャーなんですね。

    

  この絵は、芸術家がパトロンのご機嫌取りをしたという代物ではありません。自らが
 モデルになって、自分が見込んで育てた画家を真正面から見据える姿。この眼は自信に
 溢れ、自分の行っていることが絶対に成功すると確信している人の眼です。画家もまた、
 それを感じ取り、モデルの人間としての度量の大きさを、見事に表現しています。
 (・・・ってオッサン、美術評論家気取りになっとるで。素人のくせに。by妻)


  そういえば大原孫三郎氏は「自分には十年先が見える」と豪語していたそうです。
 いや、10年どころか100年の計、ですよ。参りました。あ、確か同じ岡山県出身の画家
 竹久夢二さん(この旅行の初日に岡山:後楽園近くの記念館に立ち寄りました)も、
 たしか自伝で「自分は時代よりも10年早く先を行っていて、時代が後から追いついて
 くる」と書いていました。岡山県は天才の宝庫ですね・・・(話がズレとる。by妻)  


  ということで、この素晴らしい美術館をようやくじっくり見学するチャンスが訪れま
 した。オッサンは逸る心を抑えつつ、チケット売り場に突進しました・・・
 (って、さっきも書いていたような気がするけどな・・・by妻)


  え”~! なんと料金は2,000円です。😱 これはビックリです。しかし、私設美術館
 であること、洋画だけでなく日本画・中国画、そして美術館の建築(大原家の蔵を改装
 した建物を含む)の維持経費などを考えると、仕方がないことかもしれません。欧米の
 美術館は公的援助もあり、特定の日は入場無料なんてこともあるのですが、日本の行政
 ではそんなことはしてくれませんので仕方がないでしょう。いい加減くだらないことに
 お金をばらまくのはやめてほしいですね。(また話がズレとるで。by妻)
  
  ということで、今回は前振りでした。大原美術館秘蔵の名画の数々は、次回です。
 (なんやケチめ。by妻)
  じゃあ、ちょっとだけチラ見せです。印象派を代表するルノワール様の裸婦像です。
 このモデルの方はルノワールさんのお気に入りの方ですね。児島虎次郎さんがこの絵
 を入手しようと奮闘している当時の姿が思い浮かびます・・・

     

  では、次回は美術館の図録から拝借した名画の数々をお届けしたいと思います。
  なんせ、写真撮影は厳禁でしたので・・・(そらそうよ。by妻)

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