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2021-12-01 (4)


「ストリートファイター5」の中山貴之ディレクターが、12月1日(水)の「カプコンTV!」に出演し、カプコンに入社した当時の話やスト5の開発に関わった経緯などを語りました。
中山ディレクターは20年前にデザイナーとしてカプコンに入社して、格闘ゲームが作りたいと考えていたところ、難航していたスト5の開発に抜擢されたそうです。

YouTubeのカプコン公式チャンネルでは、その完全版が公開されています。




以下、中山ディレクターがアメリカザリガニ平井さんとの対談で語った内容の一部です。

・美術の学校で油彩と版画を専攻していて、壁画の修復士になろうと思ってた。
・入社は2001年。実家の近所でたまたまカプコンの会社説明会に行ったら一次試験だった。「絵を描いてください」と言われた。
・新入社員はどのチームに入るかトライアルみたいなものがある。某アニメをテーマにしたアクションゲームのチームに合流した。
・職種は背景デザイナーとして入社した。今でいうとHUDと言われる体力ゲージとかの2Dデザインを受け持った。平面デザインを多くやっていた。
・ドットが打ちたかった。当時格ゲーがドットで作られていたから後に繋がると思った。大先輩にそれが知られてドットを打つことになった。

・自分が入る前にスト5は1年半~2年くらい作っていた。その担当者が「格ゲーがめちゃくちゃ好きだって言ってる奴がいるらしい」というので『どないや?』って言われて呼ばれた。
・上司に「スト5が(開発難航して)ピンチです・・・。あなたがストリートファイターのお母さんになって下さい。」と抽象的な事を言われてOKした。自分でもやりたかったし、チャンスだと思った。お母さんになりたかった。
・スト5のロゴは自分が作った。ゲームが完成して後半でロゴが作られる事が多いが、先にロゴを作りたいタイプ。その方がゲームを作ってる時に、ロゴから連想されるかいろいろ悩んだりする。

1キャラ作るのに、平均してどのキャラも1年半以上かかっている。
・1シーズンに出てくるキャラ、スト5なら先にどの6体にするか考えてそこから並列で動いていく。デザインから技を考えるとこまで全部込みで、少なく見積もって1年半。
・ボツになったキャラの中に「闘う文豪」っていうキャラがいた。どうやって戦うか考えるまでいかずボツになった。まず格闘技じゃねーなと。
負けた方を惨めにさせる技は良くないとボツになった技もあった。バイソンの技で、地面に叩きつけた後に唾をペッって吐いてスーパーコンボフィニッシュみたいな技もあったが、やられる側のことを考えてブレーキがかかった。
アビゲイルはチャレンジしたい思いが強いキャラで、とにかくデカいキャラを作りたくて、本当は顔が画面から飛び出るくらいのデカさにしたかった。バトル調整班から「頼むからやめてくれ」といわれた。こっちはデカくしたい、むこうは小さくしたいの押し合いでああなった。若干こっち側(大きく見せたい派)が勝った。
・アレコスでいろんなIPを知ってもらう知ってもらうきっかけを作りたかった。カプコンに色んなゲームがあるとアピールしたい。ロックバスターの位置からリュウの波動拳が出るようにエフェクト位置をずらしてこだわっている。

・格ゲー以外にはアクションゲームが作りたい。複数人で遊べたり対戦できるものがいい。ゲームはコミュニケーションツールというのが自分の中の根底にあって、ゲームを使って対戦相手と戦って楽しむとかそこを広げたい。1人で遊んでてもゲームの世界観から何かを得たりこちらから作用するのが必要だと考えているので、そこを広げたい。半裸のオジサンが剣振って戦うゲームとか、そういうのを作りたい。剣とか斧を振りたい。
・格ゲーは作り続けたい。ユーザー同士のコミュニケーションが生まれたり、同じリュウ使いでも違うリュウになったりするのが心地よい。