前回ご紹介の日前宮の参拝を終え、行きたい神社はまだまだあったのですが、最終目的地であるもう一社の一の宮が遠くにあるという事で、日前宮そばの神社へと向かいます。
と言う事で、志磨神社(しまじんじゃ)のご紹介です。
御祭神として、中津島姫命(なかつしまひめのみこと)を祀り、生國魂神を配祀しています。
御由緒として、紀之川の中洲が堆積して発達した地域の氏神として祀られたそうで、延喜式神名帳では紀伊國名草郡の名神大社と記載されています。また、志磨神社は伊達神社(いだてじんじゃ)、静火神社(しずひじんじゃ)とともに「紀三所社(きのさんしょしゃ)とされています。
この3社は、神階が進められるのも同時で、延喜式神名帳でも3社ともに名神大社に列格し、紀州三弁財天とも称されているのだそうです。ちなみに今回は時間の都合上、こちらにしか参拝できず、相も変わらず計画性の三文字が頭をよぎりました(⌒-⌒; )
しかし、その後に志磨神社は所在不明となってしまい、大きく時代が下り、江戸時代に入った元和年間(1615ー1624)に「九頭明神(国津明神)」を比定社とし志磨神社に改称しています。
昭和十七年には県社に昇格しています。
さてさて、神社です。
鎮座地は住宅街の中、電車では紀勢本線の紀和駅の近くになり、車で行く際には「北大通り」沿いにあります。
駐車場は一の鳥居を潜った敷地内に停めていいそうですが、それほど大きい鳥居というわけはないので、車で参拝の方はご注意下さいm(_ _)m
と、後で気づいたのですが、今回神社入り口周辺の写真を一切撮っていませんでした(^^;;
という事で、いきなり境内です。
ここまで伊太祁曽神社や日前宮と規模の大きい神社を参拝してきたため、スケール感が若干狂ってしまうのですが、落ち着きます^ ^地域に愛される神社には、それぞれその土地の味の様なものを感じさせつつ、何処か懐かしい感じがします。
狛犬さんは中々に愛嬌ある表情してますよ(^∇^)
ミサンガしてる!?(・_・
拝殿です。
神紋は左三つ巴です。
扁額です。
お賽銭箱の横の石、案内板は掠れてますが、重軽石なのでしょう。ちなみに持ってみましたが、これ関係でいつも感じる、微妙な重さでした(⌒-⌒; )
本殿は覆われて見えませんが、宝暦六年(1756)の造営で、極彩色の春日造だそうです。
社殿左右に境内社があり、こちらの境内社は八坂神社、宇佐八幡神社、琴平神社、國津神社、醫祖神社、蛭子神社、月読神社、焼火神社になります。
こちらの覆屋の中には、稲荷神社と、弁戝天社、猿田彦神社があります。
天照皇大神宮です。
久嶋神社です。
天満神社です。
この日は夏越の祓、こちらにも茅の輪がありました。が、何だか鳥居の位置が不思議な場所にありますね。
御朱印は社務所で 頂けました。
宮司さんは忙しく仕事をなさってましたが、快く御朱印を書いていただいただけでなく、普通に参拝していたんではわからない様な話や、中々ディープな話など色々聞かせてもらえました^ ^
志磨神社参拝を終え、距離的に本日最後に参拝しようと考えていた丹生都比売神社へと向かいます。
実はこの時、まあ30分ぐらいあれば着くでしょうなどと考え、ナビに目的地を入れたら、志磨神社から41㎞‼︎到着予想時刻1時間半後‼︎‼︎嗚呼、計画性。。。
「丹生都比売神社(にうつひめじんじゃ)」は伊都郡かつらぎ町上天野に鎮座します。
御祭神は丹生都比売大神(にうつひめのおおかみ)、高野御子大神(たかのみこのおおかみ)、大食都比売大神(おおげつひめのおおかみ)、市杵島比売大神(いちきしまひめのおおかみ)を祀っています。
御由緒として、創建は、日本書紀に「天野の祝」として当社宮司の事が記載されている事から、千七百年以上前とされています。また、平安時代に書かれた「丹生大明神告門(にうだいみょうじんのりと)」に、神代に紀ノ川流域の三谷に降臨、紀州、大和を巡りながら農耕を広めた末に、天野の地に鎮座します。その後、応神天皇が社殿と紀伊山地の北西部一体の土地を神領として寄進されたそうです。
時代が降り、平安時代、丹生都比売大神の御子である高野御子大神は、真言密教の根本道場の地を求めていた弘法大師の前に、黒と白の犬を連れた狩人の姿で現れると、高野山に導いたそうです。高野山とは深い関わりを持ち、中世には当社周囲にも数多くの堂塔が建てられ、高野山参詣には当社参拝の後、山上へと向かったそうです。
鎌倉時代には行勝上人により気比神宮から大食都比売大神、厳島神社より市杵島比売大神が勧請され、北条政子より本殿が四殿寄進されます。また、当社に元の襲来の宣託があり、祈祷を行ったところ元軍は撤退した事から、鎌倉幕府の崇敬はさらに篤くなり、紀伊国一宮となります。
明治維新後、明治六年に県社に列し、大正十三年に官幣大社に列格します。延喜式神名帳では名神大社に列しています。また、当社は「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産の一つとして世界文化遺産に登録されてもいます。
さて、神社です。
神社自体へ向かう道は細い山道があったりしますが、基本的に迷わず行くことができました。
流石一宮で世界遺産、駐車場も大きく、車でご参拝の人は特に気にしなくても大丈夫そうです^ ^
社頭です。
一の鳥居ではなく「外鳥居」と呼ぶそうです。
外鳥居は鮮やかな丹塗りの両部鳥居で、案内板を参考にすると神仏習合の特色を表しているそうです。実はこの案内板を見るまで両部鳥居にそんな秘密があるとは知らなかったのは内緒です(´Д` )
立派な社号標です。
境内には紫陽花が綺麗に咲いてました(^∇^)
此方の「輪橋(りんきょう)」は神様が渡られる神橋で、淀君が寄進したと伝わっているそうです。
そう言えば、住吉大社の太鼓橋も淀君の寄進とか何かで見た気がしますが、たまたまかな?
ちなみに写真では橋の下に少しだけしか写ってないですが、橋の下の池には「鏡池」という名があります。これは不老不死になってしまった八百比丘尼が、池に映った自分の姿が年老いる事もなく、それを嘆き鏡を投げ入れた事が由来だとか。
禊橋と、こちらは二の鳥居ではなく「中鳥居」と呼ぶそうです。
手水舎です。
境内では夏越の祓えの後片付けが手際よく行われていました。
中鳥居を抜けると兎に角目を引く楼門が鎮座します。
明応八年(1499)の建立になります。
楼門前の狛犬さんは、銅製で威風堂々ですね。
楼門向かって右手の建物が拝殿、
向かって左手の建物が神饌所になります。
神紋は「左三つ巴」です。
楼門後方には本殿が広がります。今回の旅で何度も目にしましたが、此方も本殿は四殿あります。
向かって右手より第一殿、第二殿、第三殿、第四殿となり、第一殿に丹生都比売大神、第二殿に高野御子大神、第三殿に大食都比売大神、第四殿に市杵島比売大神を祀ります。また、四殿の左側には若宮があり、行勝上人を祀っています。
残念ながら本殿は良く見えませんが、楼門側から見た本殿です。
此方は若宮方向から。
本殿第一殿です。
神饌所横を抜けると「佐波神社(さわじんじゃ)」です。
明治時代に上天野地区の諸社を合わせ祀った境内社になります。
御朱印は社務所で頂けます。
また、此方にはオリジナルの御朱印帳があります。
背表紙に書かれた二つ鳥居を含めてもっと見てみたい場所はありましたが、時間と天候の為にまたの機会にしました。
ここで2日目の旅も終了かなと思い、この日のホテルへと向かうために来た道を戻っていると、行きにも気になった神社が目の前に!変わった名前だなと思っていましたが、これも縁と車を止めてみます(^∇^)
と言う事で、本日の旅最終の神社、蟻通神社の御紹介です。
「蟻通神社(ありとおしじんじゃ)」は伊都郡かつらぎ町大字東渋田に鎮座しています。
御祭神は主祭神に思兼命、配祀神として事代主命、市杵島姫命、大国主命、少彦名命を祀ります。
御由緒として、開化天皇の御代に旧志冨田の総産土神として崇敬されたのが初まりとされています。
天武天皇の時代、唐の高宗から七曲の玉を献じられ、これに糸を通して返せと難題をかけられたそうです。その時、一人の老人が現れ、蟻に糸を結びつけ、玉の穴の一端に蜂蜜を塗り、反対側から蟻を入れると、蟻は蜜の香りに引かれて穴を通り抜け、糸を通したそうです。人々は嘆息してその名前を問うと、「吾は紀の国蟻通の神」と言って姿を消したそうです。その後、高宗は使者を遣わして紀の国を探ると蟻通の神が祀られており、以降朝野の信仰が篤くなったとの事です。
天正九年(1581)に織田信長の高野攻めの際に兵火にかかり、本殿以下宝物や文書類も灰燼に帰してしまいます。
文禄二年(1593)正月、現在地に本殿脇社を建て遷座します。
蟻の七曲の玉の話から知恵の神様として有名なんだそうです^ ^
さて、神社です。
神社前に大きな看板があります。
社頭です。
社号標です。
此方が拝殿です。
扁額です
参拝時には遷宮の為の工事中であったらしく、赤いポールやビニールシートが其処彼処に。
かなりの急勾配な石段は、小雨が降る中ちょっと怖かったです(ー ー;)
石段途中に年季の入った狛犬さんです。
本殿と脇殿です。どうやら本来は本殿前に鳥居と扉があるようですが、参拝時には竹が渡してあるだけでした。
境内社の平和宮です。
巨大な狛犬、この足下をくぐると疫病にかからないのだそう。
一応狛犬自身は1.5mあるそうですが、これは無理だなぁ( ̄Д ̄)ノ
境内社の蟻通戎神社です。
御朱印は社務所で頂けます。
そんなこんなで気づけば夜7時、次の日の神社のために田辺市にホテルを取っていましたが、ホテルまでの距離100㎞!!!なんかこの旅、こんなんばっかだね(´Д` )
何はともあれ9時過ぎにホテルに無事到着、バタバタの二日目は終了です!
さてこの旅、あと一回で終了となります。なるべく早く更新いたしますので、またお付き合いいただけると幸いですm(__)m
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