その眞弓が陸上自衛隊に入隊したのは昭和62年3月。
1等陸佐に昇ったのが18年1月だったので、31期組1選抜(1番乗り)となるスピード出世だ。
その後、1佐として9年務め、平成27年2月に陸将補に昇任している。
(画像提供:陸上自衛隊第3師団公式Webサイト 師団だより第78号 ※PDF注意)
その初任地は、武器科がまだ武器隊として独立した名前を持っていた時代の第9武器隊(八戸)。
中隊長職は、後方系部隊の再編期にあって、第13後方支援連隊の武器中隊長として指揮を執った。
そして連隊長職は、愛知県春日井に所在する第10後方支援連隊長として上番。
職種部隊の指揮官として、着実にその任務をこなしてきた。
また中央では、人事部人事計画課、総務課広報室副室長、教育訓練部教育訓練課総括班長と、主に人の教育や訓練に携わる部署で要職を歴任。
そして、補給統制本部では整備計画部長、副本部長などの最高幹部を務め、第3師団副師団長、監察本部監察官といった全軍を俯瞰するポストでも手腕を発揮し、平成29年8月に武器学校長に着任している。
後方支援系の最高幹部にふさわしい、極めて充実したキャリアの持ち主と言えるだろう。
では最後に、その眞弓と動機である31期組の人事の動向について見てみたい。
31期組は、2018年夏の将官人事で最初の陸将が選抜されたばかりの年次にあたる。
そして2019年5月現在、その陸将の任にある幹部は以下の通りだ。
竹本竜司(第31期)・第1師団長(2018年8月)
沖邑佳彦(第31期)・第4師団長(2018年8月)
前田忠男(第31期)・第7師団長(2018年8月)
原田智総(第31期)・陸上総隊司令部幕僚長(2019年4月)
蛭川利幸(第31期)・第6師団長(2019年4月)
※肩書はいずれも2019年5月現在。( )は陸将昇任時期。
以上のような状況になっており、まずはこの5名が31期組1選抜として名乗りを上げた形だ。
いずれも近い将来の陸上幕僚長候補として遜色のない将星ばかりであり、その活躍がとても楽しみである。
眞弓については、恐らく後職としてはいずれかの補給処長に転じ、さらに重い責任を背負っていくことになるのではないだろうか。
軽武装で機動力を活かした、新たな時代の陸自の戦い方を担うのは、この後方支援系職種の活躍にかかっている。
そう言った意味でもますます、眞弓とその隷下部隊の動向には要注目だ。
これからも変わらず、その活躍からは目を離さずに、そして応援していきたい。
※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。
(画像提供:陸上自衛隊第3師団公式Webサイト 師団だより28年新年号 ※PDF注意)
◆眞弓康次(陸上自衛隊) 主要経歴
昭和
62年3月 陸上自衛隊入隊(第31期)
年 月 第9武器隊
平成
年 月 第1師団司令部付
年 月 第1後方支援連隊本部第3科後方計画幹部
年 月 防衛庁防衛局調査第1課
年 月 防衛庁防衛局調査課
年 月 第13後方支援連隊武器大隊本部改編準備室長
年 月 第13後方支援連隊武器中隊長
年 月 調査学校語学教育部第1教官室教官
10年1月 3等陸佐
13年7月 2等陸佐
14年3月 陸上幕僚監部人事部人事計画課企画班総括
17年12月 陸上幕僚監部総務課広報室副室長
18年1月 1等陸佐
19年8月 陸上幕僚監部教育訓練部教育訓練課総括班長
21年8月 幹部学校教育部兵站教官室教官
21年12月 第10後方支援連隊長
23年4月 西部方面総監部人事部長
25年8月 陸上自衛隊補給統制本部整備計画部長
27年2月 陸上自衛隊補給統制本部副本部長 陸将補
27年12月 第3師団副師団長
28年7月 監察本部監察官
29年8月 陸上自衛隊武器学校長兼土浦駐屯地司令
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