池太郎(いけ・たろう)は昭和35年11月生まれ、愛知県岡崎市出身の海上自衛官。
防衛大学校第27期の卒業で幹候34期、出身職種は飛行だ。
自らも、P-3C哨戒機などを操縦してきたパイロットである。
平成30年12月20日(2018年12月20日) 呉地方総監・海将のポストを最後に今日、退役する。
前職は教育航空集団司令官であった。
なお、呉地方総監としての最後の指導方針は、以下の通りであった。
【指導方針】 愚直たれ
(画像提供:海上自衛隊呉地方隊公式Webサイト)
(画像提供:海上自衛隊呉地方隊公式Webサイト)
海上自衛隊の名物将官、池太郎が今日、退役をする。
この記事を更新しているのは2018年12月20日。
間もなく、呉の桟橋から将官艇に乗り込み、多くの部下たちから帽振れで見送られながら、長きに渡った自衛官生活の最後の日を終えるだろう。
思えば呉は、海自の幹部が初級幹部に任官したその足で練習艦に乗り込み、遠洋航海などの洋上訓練に出発した始まりの地だ。
当然30数年前、池もその一人としてこの地から艦に乗り込み、幹部候補生学校長などの帽振れで見送られ、自衛官生活のスタートを切っている。
その同じ呉の地で、自衛官生活最後の日を、同じように帽振れで見送られて終えるというのは、本当に劇的だ。
多くの国民から慕われ、また人気があった池らしい、自衛官生活最後の日と言えるのではないだろうか。
これまで長い間、厳しい任務、本当にお疲れ様でした。
そしてありがとうございました。
まずは年末年始をゆっくりとお過ごしになって、積年の疲れをお癒やし下さい。
そして、新たに始まるであろう池海将の第二の人生も、充実した素晴らしいものとなりますことを、心からお祈り申し上げております。
【以上、2018年12月20日】
※ここから下は、退役までに記載していた池海将のご紹介記事です。
2018年11月現在、呉地方総監を務める池だ。
27期の将官であり、すでに陸上自衛隊と航空自衛隊では、それぞれ陸上幕僚長、航空幕僚長を除き全員が退役している年次にあたる。
そして海上自衛隊でも、この記事をポストしてから間もなくとなる2018年12月に、村川豊(第25期)の後任となる第34代海上幕僚長が選ばれることになるだろう。
池は、その有力候補の一人というのが、2018年11月現在の状況だ。
そして客観的に見て、次期海上幕僚長候補と言えるのは、以下の海将である。
山下万喜(第27期)・自衛艦隊司令官
池太郎(第27期)・呉地方総監
菊地聡(第28期)・佐世保地方総監
山村浩(第28期)・海上幕僚副長
他に、ポストの「格」だけで言えば、横須賀地方総監の渡邊剛次郎(第29期)ももちろん候補になるところだが、年次が29期であり、さすがにこのタイミングでの昇任は考えられない。
また27期の海将という意味では、大塚海夫(第27期)という、非常に多くの幹部曹士から尊敬を集める誇り高き最高幹部もいるが、情報本部長からの海幕長はまず無いだろう。
過去に、第5代情報本部長から航空幕僚長に昇った外薗健一朗(第18期)という例がないわけではないが、この時はいわゆる「田母神論文」の影響を受けたイレギュラーな人事だった。
2018年11月現在、特別に考慮するべき人事の事情があるとは思えない中では、世間を驚かせるような人事にはならないのではないだろうか。
とはいえ2年前、下馬評を徹底的に覆し、史上初となる後方支援系職種から第33代海幕長に昇った村川である。
当時も、「史上初」の人事を行うべき特段の事情も無かったと思われる環境であったことから、ぶっちゃけ幕僚長人事だけは本当に最後までわからない・・・。
しかし実は、その池も今回、次期海上幕僚長候補の4名に挙げさせていただいたが、過去の慣例から言えば、呉地方総監から直接海上幕僚長に昇ったものは1名もいない。
これまで33名の海上幕僚長のうち、呉地方総監を経験してから海上幕僚長に昇った最高幹部は3名いるが、いずれも呉の後に自衛艦隊司令官に昇り、その後に海上幕僚長に着任している。
いわば、呉地方総監は指定職の「格」もあり、これまでの人事では、直接海上幕僚長に昇るポストとはみなされてこなかったということだ。
では、そのポストにある池は本当に海上幕僚長に昇ることはあるのか。
他の候補者との兼ね合いはどうなのか。
池のキャリアを振り返りながら、少し詳しく見ていきたい。
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