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水の都のはずなのに…ベネチアの運河が干上がってゴンドラが立往生

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 「水の都」として知られる、イタリア・ベネチアでは、雨不足と干潮の影響で急激に水位が下がってしまい、名物のゴンドラがここ数週間立往生している。

 ベネチアはかつて何度も洪水に悩まされていたが、これほどまで水が干上がり、ゴンドラが運航できない状況になるというのは珍しいという。

Venice canals almost dry amid low tides and lack of rain

水の都が干上がり、ゴンドラが立ち往生

 「異常なほどの干潮が4度あって、そのたびに水位が低くなって、ゴンドラが使えなくなってしまったんだよ」と語るのは、ゴンドラ船頭のアンドレア・バルビ氏だ。

 彼は28年間、ゴンドラで仕事をしているが、これほど多くの干潮を見たのは初めてだという。

 さらに悪いことに、停泊していたゴンドラのいくつかは、水がほとんどなくなった泥にはばまれて、再び潮が満ちるのを待たないことには身動きがとれず、にっちもさっちもいかなくなってしまったという。

 救急用のボートを目的地から遠く離れた場所に停泊させなくてはならないこともあり、救急隊員が運河を進むことができずに、担架を手で運ばなくてはいけないこともあったという。

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例年にない異常な雨不足と引き潮

 例年になく雨不足が続き、異常に乾燥した冬の影響は、イタリアのいたるところで見うけられる。

 アルプスの雪がほとんどなくてスキーができない、湖や川の水位が、通常は夏の終わりに見られるレベルまで下がるなどだ。

 そして、この3週間、ベネチアでは一部の運河がほとんど干上がってしまった。

 専門家によると、干潮が長引いているのは、イタリア全土に高気圧が居座っていることと関連しているという。

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 ベネチアのレジリエンス研究所代表、ジョヴァンニ・チェッコーニ氏は言う。

ベネチアの水位がここまで低くなるなど前代未聞です。とくにこの時期には、こんなことは決してありません。

月の周期と高気圧が干潮を引き起こすことはありますが、それでも通常は数日しか続きません。今回はもう何週間もこの状態が続いているのです

 市の海洋科学研究所のルイージ・カヴァレリは、この20日間、地中海をすっぽり覆っている高気圧も干潮の原因だと説明する。

 今月の最低潮位は、平均海面下70センチだった。これまでに記録されている最低潮位が121センチだった1934年2月14日の記録を破るにはまだ猶予があるとはいえ、由々しき問題であることには変わりない。

以前までは洪水のよる水没が心配されていた

 ベネチアは何世紀も洪水に悩まされてきて、海面上昇によって町が水没してしまうのではないかと心配されていた。

 ところが今回の異常干潮は水の都全体にとっては状況が真逆となってくる

 2020年に数十億ドル規模の資金をつぎ込んだプロジェクト「モーセ」(ベネチアの水面を高水位から守る可動式洪水防波堤システム)の導入によって、洪水問題は解決したかに見えた。

「モーセ」の制御室で指揮をとるチェッコーニは、水位を維持するためにもこのシステムは使えると話す。干潮時に水が逃げていかないように防波堤を利用することができるというのだ。

2019年にベネチアを襲った大洪水の映像

 だが、この異常干潮のおかげでいいこともあったようだ。ベネチアンホテル経営者協会の事務局長クラウディオ・スカルパ氏は言う。

「私たちベネチア人も観光客も、サン・ザッカリーア教会の地下霊廟のように、通常は水中に沈んでいる観光名所を訪れることができる絶好のチャンスになりましたよ」

References:Venice’s canals run dry amid low tides and lack of rainfall / written by konohazuku / edited by / parumo

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この記事へのコメント、31件

コメントを書く

  1. 運河こんなに浅かったのか
    両脇に家があるからあんまり深くすると工事が大変だったのは分かるけど場所によっては1mくらいしかないじゃん

    1. >>1
      ミニミニ大作戦の金庫落としを今の干ばつ時にやったら
      始まって数分で周りの悪い奴らや警察にバレ終了
      仮に水のある時期でも映画とは違い金庫が出て同じく終了
      現実は映画とは違うのが悲しい

    2. >>1
      同感。こんなに浅いんじゃ、うっかり浚渫したら建物が傾きかねない
      自然現象だということで何とかやり過ごして欲しい
      洪水時に見せてくれた、転んでもタダでは起きないバイタリティを期待

  2. この機に運河の汚泥を取り除いてみるのはどうか。底を深くすれば幾らか運用できるようになったりしないかな…

    1. >>4
      これを機に掃除したらいいよね
      ベネツィアの運河の水全部抜く

  3. 温暖化の影響で水位は上がるんじゃなかったのか?
    しかし上がったり下がったり忙しいな

    1. >>5
      世界レベルで見れば海面水位は
      過去30年で10cm程度上昇してるとのこと。

      ただ局所的にはヴェネチアのように別の要因で
      下がっている地域もあるということなんだろう。

      1. >>19
        小氷期に入る前の1600年からだと5cmで縄文時代から比べると-2,3メートルですな

        ここは前に増水対策で可動式防潮堤「モーゼ」を作ったり井戸から地下へ水を流す計画とかやってたけど
        それが失敗したんだろうな

    2. >>5
      温暖化って要はエネルギーを加えられいる状況だから熱が分散するまで海面の上下は激しくなって当たり前。

      1. >>23
        現在のところ、水没の主因は地下水汲み上げによる地盤沈下が大きいらしい。

        「過去に北の対岸の本土マルゲーラ地区で工業用の地下水のくみ上げが行われたことにより地盤沈下が起こり、アックア・アルタによる浸水の水位が1メートル以上になったこともある。建造物の沈下は、地下の帯水層の流出が原因とされるため、地下水使用の制限やアルプスからの水道の導入などで対処している。」

  4. 詳しくは知らんのやけども、ベネチアは干潟の上に石を並べたところに住居をたくさん建てた。建物のない部分が水路として残ったんだろうから、水路の底は元の干潟ではないだろうか?

    1. >>6
      確か松材をかなりの密度で打ち込んで基礎にしてたはず
      それも繰り返し繰り返し

      日本人ならまず「ヘドロ掃除しようよ」って思うよね

  5. 洪水のニュースばかり目にしていたのに
    これから見慣れた景色が変わってしまうことも増えていくのかな

  6. アメリカの干上がった湖みたいにご遺骨大量発見とかはないんだな
    イタリアマフィアのイメージと違って

  7. みんな言ってるけど今のうちにドブさらいすればいいのにな
    ただでさえ悪臭が問題なんだから

  8. 雨不足が原因、っておかしくない?
    ヴェネチアって海の中にあるような都市だから
    水位≒海面であって雨の有無には殆ど影響されないはず。

    とすれば潮の満ち引きの異常が主因になりそうだけど
    記事にあるような気圧配置の変化によるものか、
    さもなければ海流の変化とかもあり得るのかな。

    高潮対策が効き過ぎた・・・なんてことはないよね?

      1. >>31
        確かに、彼の苛立ちの案件がそれでしたね💧
        ※言われてみれば、ツッコミたくなる疑問を
        我々の代わりに愚痴っていた様な気がします。

  9. ほんと溝浚いみたいに掃除すればいいのにね
    保全のために下水が整備されて無くて垂れ流しで悪臭がすごいとか
    観光客はずっとうん○水の上に浮かんで喜んでたわけだ

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