アメリカ合衆国のトランプ政権が、中国への関税賦課攻勢をやめません。合衆国と中国のチキンレースの様相を呈しており、中国の輸出業から断末魔の悲鳴が上がっています。
実際の船便の物流にも急きょストップがかかりました。
中国語メディア『財新網』の報道によると――、
04月7日および08日、上海港の洋山港区(中国・上海にある世界最大級のコンテナ港の一部)と外高橋港区に停泊していたコンテナ船のうち、約半数はアメリカ向けだった。その中には、関税発効前に出港しようと急いでアメリカから到着した船も多数あった。
しかし、04月09日にトランプ大統領が中国に対する関税を125%に引き上げると発表した後、それまで積み込みを急いでいた上海港から、10日にはアメリカ行きの貨物船はほとんど見られなくなった。出荷に間に合わなかったコンテナは港の堆場に滞留し、貨物主が回収または別の処理を行うのを待っている。
――とのこと。
中国遠洋海運グループの洋山埠頭駐在オペレーターの言葉として、
「現在、洋山港のコンテナ堆場にはこのような貨物があふれており、多くの貨物主が通関取り消し手続きを行っている」
「船会社は多くの中米間航路をキャンセルし、現在「空船費用(チャーターしたが積荷が埋まらない場合の損失)」が発生する便は運航されていない。3隻の船を2隻または1隻にまとめて運航している状況だ」
を紹介しています。『Reuters(ロイター)』の報道はさらに深刻な状況を伝えています。同紙記事によると、1件も注文がない――という事態も発生しているとのこと。
(前略)
米中関税戦争がエスカレートしたことで、多くの中国企業がアメリカからの注文を受けられない状態に陥っている。アメリカの小売業者が扱うクリスマス装飾品の約87%は中国からの輸入で、総額は約40億ドルに上る。
一方、中国の工場も約半数の製品をアメリカに輸出している。
クリスマスツリーなどを生産する中国の装飾品工場は、今の時期に通常であれば大量のアメリカ向け注文を受けるはずが、今年はまだ1件も受注していないという。
浙江省金華市のクリスマスツリー工場の経営者・群英氏は「今年に入ってから、アメリカの顧客からは1件の発注もない。
これは間違いなく関税のせいだ。例年であれば4月中旬までに注文が確定するが、今年は……恐らく何も買ってもらえないかもしれない」と語った。
(後略)
合衆国も返り血を浴びるでしょうが、中国の輸出業は大打撃を受けています。
(吉田ハンチング@dcp)