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TBS日曜劇場で続くダークヒーロー物語 『ブラックペアン2』予定調和の安定感で前期超えか

武井保之ライター, 編集者
TBS日曜劇場『ブラックペアン シーズン2』公式サイトより

夏ドラマが続々スタートするなか、TBS日曜劇場『ブラックペアン シーズン2』がスタートした。第1話では、主演の二宮和也演じる、人も金ももてあそぶ悪魔と呼ばれる天才外科医・天城雪彦のダークヒーローぶりが描かれた。

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天城雪彦と渡海征司郎とのつながりがポイント

2018年4月期のシーズン1でも人気を得ていたタイトルの6年ぶりの続編は、前作の6年後の世界が舞台。世良雅志役の竹内涼真、花房美和役の葵わかな、高階権太役の小泉孝太郎、佐伯清剛役の内野聖陽ら、主要登場人物たちが再集結している。

ポイントは二宮和也の役が変わっていること。前作では、天才的な手技(縫合技術)を持つ外科医・渡海征司郎を演じたが、今作では風貌がそっくりな心臓冠動脈バイパス術の世界的外科医・天城雪彦を演じる。2人は別人だが、共通点は多い。

どちらも金で動く医師だが、その行動の裏には彼らなりの信念がある。運命や神という言葉を多用する天城雪彦は、どこか宗教家か哲学者のようなカリスマ性を放っているが、渡海征司郎とのつながりが気になるところだ。

『アンチヒーロー』とは異なるわかりやすさ

一方、日曜劇場としては4月期の『アンチヒーロー』に続くダークヒーローの物語になった。「殺人犯へ、あなたを無罪にして差し上げます」をうたった同作で主演の長谷川博己演じた弁護士・明墨正樹は、自身の掲げる目的のためには手段を選ばず、法に触れることも辞さない。

最終的に自身が逮捕、収監されながらも、それも計算に入れたうえで最終的に目的を果たした。そして、そこには彼の正義がある。見応えのエンターテインメントになっていた。

今期の『ブラックペアン シーズン2』の天城雪彦も、まさにそんなダークヒーロー。天才的な外科技術を持つが、金でしか動かない医師。しかも、人の命をもてあそぶかのようにゲームの勝敗に運命を賭けさせる。

第1話では、いちどは賭けに負けたソヒョン(チェ・ジウ)の手術を拒否するが、彼女の全財産を賭けるという再度の申し出を受け入れ、運と執念の強さを買って、手術を行った。

医療ドラマには、それぞれの人生を背負った人々の命がかかる重さと、それを手術によって助けることによる、わかりやすいカタルシスがある。そして、命が助かるまでの過程が困難であればあるほど、そこには大きな感動が待ち受けている。

最終的に助かることがわかっている日曜劇場だからこそ、安心して観ていられるし、ラストで生まれる感動を予期して待ち構えることができる。そうした期待通りの予定調和の第1話だった。

本作には『アンチヒーロー』とは異なるわかりやすさがある。日曜劇場の視聴者の好みにより合致しているのではないだろうか。まだはじまったばかりだが、同作超えの話題作になることが期待される。

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ライター, 編集者

音楽ビジネス週刊誌、芸能ニュースWEBメディア、米映画専門紙日本版WEBメディア、通信ネットワーク専門誌などの編集者を経てフリーランスの編集者、ライターとして活動中。映画、テレビ、音楽、お笑い、エンタメビジネスを中心にエンタテインメントシーンのトレンドを取材、分析、執筆する。takeiy@ymail.ne.jp

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