当ブログをご覧頂きまして誠にありがとうございます。
塗装部の小池です。
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去る4月26日(水)、27日(木)の2日間、目黒区柿の木坂にある専門学校の「ICSカレッジオブアーツ」さんにて出張家具塗装セミナーを開催しました。
今回のブログはその様子をレポートしたいと思います。

東急東横線「都立大学駅」から徒歩約5分。
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目黒通りの坂を上るとお洒落な校舎が見えてきます。
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ICSカレッジオブアーツさんは、1963年に設立され、日本で最初にインテリアデザインに特化した教育を始めた東京都認可の専門学校です。

こちらで出張家具塗装セミナーを開催させて頂くのは今回で2回目。
前回の出張セミナーは去年(2022年)の6月7日、8日の2日間でした。
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今回も2日間、朝の9時半から夕方の5時までみっちりと
引き続き、木工塗装の専門家である矢島浩之先生に主任講師を務めて頂きました。
矢島さん、いつもありがとうございます。
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セミナー会場は同校内の作業実習室です。
こちらには、吹き付け塗装に使用するエアコンプレッサーやその他用具なども揃っています
当日の朝は、準備のために矢島さんと私は早めに会場入りです
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そうこうしている内に、皆さん続々と集まってきました。
今回受講して頂いたのは、インテリアマイスター科の生徒さん7名でした。

インテリアにおいて木工塗装はあまり注目されることはありませんが・・・
実はとても重要な要素のひとつです。

私達はインテリアマイスター科さんの「新しい職人“多能工”の育成を目指す」という理念に共感し、木工塗装の分野で、その学びのお手伝いが出来たらと思っています。

開会の挨拶をする、同校教務課の田村栄敏先生。
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「物づくりにおける塗装の重要性を君たちに学んでもらいたい」
そのように話される田村先生からの熱心なオファーもあり、この取り組みはスタートしました。
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木工塗装を理解してもらうには、やはり実際に手を動かしてもらうのが1番。
今回も2日間をかけて、じっくりと塗装見本板を仕上げて頂きました。
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難しい調色作業にもチャレンジしました
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調色した着色剤を木地に塗布しています。
刷毛の使い方も学びました。
うん、様になっているでしょ
こちらの木地はタモという樹種のもので、クラシック(エイジング)塗装を行いました。

素地調整から仕上げまで。
他にも様々な種類の木地で、色々な塗装法を体験していきました。

会場の様子を動画にてお見せしましょう。
皆様、とても熱心に作業をして頂きました~
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もちろん、木工塗装では必須の吹き付け塗装にもチャレンジして頂きました。
皆さん、スプレーガンは学校の授業でも使っているようですが、ここでは少々上級のテクニックを学びました。
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皆さん、授業でやっているだけあって、やはりとても上手でした
木工塗装歴26年の私が感心するほどの腕前グー

木工塗装のポイントとなる技術、カラーリング(色調整)工程にもチャレンジ。
カラークリヤー(着色剤+透明塗料)を塗装見本板に吹き付けて、色を濃くしています。
こちらの動画では、生徒さんによる真剣なガンさばきをご覧頂けます
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塗装実習の合間、塗料の乾燥待ちの時間を使って座学を行いました。
塗装の基礎的な知識、塗料の化学的な知識、色彩学などを学びました。
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ここは化学を専攻した矢島先生の本領発揮です
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弊社塗装スタジオから持ち込んだ、様々な塗装仕上げのサンプルを真剣に見るの図。
ウレタン、ラッカー、オイルフィニッシュ、漆、柿渋、ソープフィニッシュ・・・などなど。
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当ブログでは、鉄媒染についての記事が大人気なのですが。
今回のセミナーでは、矢島先生から鉄媒染の仕組みについて化学的に解説して頂きました。
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でんじろう先生ばりの、分かりやすくて楽しい授業でした

・・・そんなこんなで、2日間の出張家具塗装セミナーが終了。
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今回のセミナーでは6種類の塗装見本板を仕上げました。
皆さん綺麗に仕上げることが出来ました
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↑①タモ・・・クラシック(エイジング)塗装、オーク色、全艶有り仕上げ。
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↑②オーク・・・透明着色塗装、ブラウン色、7分消し仕上げ。
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↑③アメリカンチェリー・・・透明着色塗装、ウォールナット色、7分消し仕上げ。

皆さんに作ってもらった各塗装見本板は、私達が事前に作っておいた各色のマスターサンプル(写真右側の小さいやつ)の色に合わせて塗装してもらいました。
各塗装見本板別に、木地着色剤の調色&カラーリング着色剤の調色を行い、それぞれ目的の色合いに仕上げていきます。

初めてとは思えない色合わせの精度・・・インテリアマイスター科の皆さんは器用ですね
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↑④シナ1・・・透明着色塗装、オーク色2色、7分消し仕上げ

写真の塗装見本板の左半分が木地着色のみで仕上げたもの、右半分がカラーリングを行ったものです。
カラーリングを行った方が色ムラが少なくなる事を確認しました。
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↑⑤シナ2・・・透明着色塗装、白木色仕上げ、120%消し仕上げ

写真の塗装見本板、1番下の工程部分が素地(無塗装)で、2番目が中塗り工程、1番上が仕上がり工程。
素地工程と仕上がり工程が同じような色になるように塗装しました。
白木色仕上げとは、無塗装のように見える塗装仕上げのことです。
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↑⑥MDF・・・塗りつぶし塗装、クリーム色、全艶消し仕上げ。

安全性重視で、全ての塗料は火災や中毒などのリスクがない水性塗料を使って塗装実習を行いました。
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最後に全員で振り返りなど。
自分の作品を他の作品と比べて出来映えを評価し、ランキングをつけてみました
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何はともあれ、皆様お疲れ様でした~。
皆様、卒業後は建築・インテリア関係の仕事を志望されているようで。
今後のご活躍を心よりお祈りしていますよ
この家具塗装セミナーが、何かお役に立てたのなら幸いです。

また来年もこちらで出張家具塗装セミナーを開催させて頂く予定です。
次回はさらに面白くて実用的な内容にしていきたいと思っております。


それでは今回はこの辺で。
最後までご覧頂きましてありがとうございました。
次回もお楽しみに。


●ニシザキ工芸株式会社塗装部HP
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