降霊会の夜
浅田次郎さんの『降霊会の夜』を読む。外国人の口寄せのお話で、読んだ日の晩は胸に鉛…。
生者の魂も死者の魂も呼び寄せられる、という降霊術。登場する口寄せは外国人ながら、宿った魂がその人格や声で、話をするという。もちろん、日本人の霊であれば日本語で。母国人の巫女さんよりも、外国人の巫女さんに降霊して日本語でしゃべられたら、もう信じるしかない。僕にも、今話したい死者が何人かいる。これからも、自分が生きているとしたら、だんだんそういう対象が増えていくんだろう。人生は徐々に寂しくなるものなのだろうか。それともそこは、努力次第なのか。