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Posted: 26 Aug, 2022 @ 7:51am
Updated: 16 Jul, 2024 @ 5:32pm

前作ソウルハッカーズを意識しなければギリギリ
楽しめるが、前作のように10年、20年経ってもプレイしたい気持ちが沸くような類のゲームではない。

『ある程度、万人受けするが強く印象に残らない作品』『コアなファンや一部のゲーマーに受け、月日が経っても印象に残る作品』か…
この作品は前者である。
過去メガテンシリーズや前作ソウルハッカーズを楽しんだ人、そして今作も同様の楽しみを期待をした人ほど落胆を大きく感じるはず。
(実際に自分がそうだ)

称するほどハードボイルドとは言えないし、ストーリーにおいて細かい不満はあるが決定的に不満という程ではない。
全体的にダーク(陰鬱)さが乏しいところは残念ではあるが、良くも悪くも最近のJRPGっぽく、ライト層向け。
人によるところはあるだろうが、「こういうゲームだ」と割り切ることができればギリギリ楽しめる

ゲームとしてはギリ楽しめるのでこの評価結果としたが、正直なところ不満点の方が目立つ

その最大の理由として、ソウルハッカーズ新作として銘打っておきながら前作の持ち味であるシステムが無きに等しいことに尽きる。
『25年前の作品の続編(新シリーズ)』と銘打たれて響く人は最近のJRPGではなく、前作を踏襲した戦略を必要とする難易度やシステムを望む人が多いであろうことも、開発側は想像して欲しい。

「過去作の踏襲作を期待していたら、最近のJRPGでしかなかった」と不評を買うのは仕方のないことなのか、あるいは(自分を含め)コアなプレイヤーの新作に対する期待が大きすぎたのか…

極論、前作が25年も前なのだからシステム面はそのままに、時代設定を現代(あるいはちょっと先の未来)にして、25年前にはなかったドローンやVR、ARといった技術や概念などを盛り込んで新たにストーリーを作るだけでも十分に魅力的になったはずである。

それらを理解したうえでシステム面をあえて踏襲しないのであれば、これまでに無いこだわったオリジナリティを出して欲しいのだが、あえて踏襲しなかった理由やこだわりが感じられず『よくあるJRPG』の型に嵌まっただけの作品になっている。

世界観や大筋のストーリーはゲームとして最低限成り立ってるが、世界観は前作で構築されたものを引き継いでる部分が大きいうえに語られることは少ないし、ストーリーは細かいところまで練られておらずご都合主義の連発。
前作ファンにとっては目新しいところが無いどころかユニークさが無くなった不満が大きいし、初めてプレイする人にとっては世界観に対する説明不足な部分が多すぎる。
どちらをターゲットにしたいのか不明瞭。
ゲームシステムも含めて全体的に開発における設計、設定の洗い出しが不十分で稚拙である印象。

アトラスが出していなければ、ソウルハッカーズシリーズと銘打たれてなければ「なんだこの中途半端なパクリゲーは…」と思って買わなかった可能性すらある。


--------以下詳細--------
【不満点0】デフォが英語表示のうえゲーム内で表示変更できない
パッチ情報、修正情報が公式に出てないが、サイレント修正された?
対応策の記述も含むので念のためそのまま残す。

ゲームシステム以前の問題だが、音声はコンフィグから英語と日本語を切り替えできるのに、表示言語はコンフィグから変更できない。
ゲーム起動前に『steamのライブラリ→ソウルハッカーズ2を右クリック→プロパティ→言語』から日本語を選択して変更する。
自分は別ゲーでこのへんの設定には慣れているが、英語圏以外の人はこの設定が分からずにしばらくプレイできない人がいそうな気がする。
せめて初回起動時に表示言語の選択ができるようにすれば…


【不満点1】悪魔が仲魔として直接戦闘に参加しない
正直、登場人物たちがデビルサマナーがなのに悪魔自身を戦闘に参加させることができないことには落胆した。
これが仲魔として直接戦闘に参加させる従来のスタイルと、装備してキャラクター強化とする(それってなんてペルソナ?)という今回のスタイルを両立させていれば面白かったのだが…

そうすれば『仲魔を直接戦闘するキャラ枠として運用するか、サマナー自身を強化する装備枠として運用するか』
といったように運用方法を模索することでプレイに幅が出て面白かったと思う。

歴代のメガテンや前作ソウルハッカーズがそうであったように、別にパーティー人数も4人固定である必要もない。


【不満点2】ユーザー視点の欠如したアイテム
あらかじめ書いておくが、アイテム性能の話やバグの話ではない。
一部分類のアイテムの所有数を一覧で確認する術がない というだけである。
単純に開発における仕様漏れ、設計漏れだと思われる。

消耗品、素材、重要アイテムはアイテム一覧に表示がされるが、それ以外のミール(食事)、防具、魔晶などは一覧として確認することができない

防具や魔晶はまだ装備メニューから装備交換で擬似的に表示させることはできるが、ミール(食事)アイテムの所有数を確認する手段が限定的すぎる。
セーフハウスで、何を食べるか、という選択画面でのみ一覧確認できるだけである。
しかもミール効果発動中(食事できない状態)では一覧の確認はできない。


【不満点3】ライト層に優しいシステム、ライト層を置いていく世界観
前述したが最近のJRPGらしく簡略化されているのでライト層に優しくはある。
だが世界観に関して過去作をプレイしていない人に対する説明が圧倒的に不足。
別に説明がなくてもプレイに影響はないが、独特な世界観や設定といった魅力が一切伝わらない。
そのため『万人受けするが、強く印象に残らない作品』にしかなっていない。

例えば『マグネタイト塊』というアイテムがあるが、「貴重な素材である」という説明だけで「マグネタイトとは何なのか」ということはゲームを通して説明はされない。
プレイヤー側は悪魔召喚にマグネタイトを使わない今作において「マグネタイトとは何なのか」を知らなくてもゲーム進行上は全く影響がないのは事実。
しかしながら『マグネタイトがどういうものか』『悪魔がなぜそれを欲するか』『悪魔がサマナーと契約する理由』そういったバックボーンを知ることが世界観に対する魅力を引き出すことになる。

ストーリー上でそういった説明を入れるのはストーリー進行の阻害になり得ることも多いので難しい部分があるが、そういった説明を補完する手段は色々とある。
例として他のゲームではアイテム説明にアイテムにまつわるバックストーリーなどをフレーバーテキストとして断片的に仕込むことで結果的にユーザーが自発的に考察したり世界観に没入する手助けとなることに成功している。

こういった独特な世界観や設定が重視されるゲームにおいて、世界観や設定を自然に掘り下げて語れる機会を作中で失くしたらそれら魅力どこでどうやって伝えていくのだろうか…?


【不満点4】フランマの声
キャラごとに声のオンオフができるなら、確実にオフにしている。

そして最初に書いておくが、諸悪の根源は開発陣と責任者。

フランマはキャラの設定上『感情のない、あるいは抑揚のない声』、『中性的あるいは幼い声』が欲しかったのかもしれないが、あれはそういった声とはほど遠い。
(小学校の運動会で小学生自身がやっている実況アナウンスを彷彿とさせる)
もしそういった設定を意図していなかったとしても、ちょい役程度ならともかく『フランマ』というAionの重要ポジションとしてそれなりに長い台詞をあの演技で聞くのは苦痛。

他キャラの声がしっかりしている分、その演技力の乏しさが一層際立っていてゲームの没入感を阻害する要因にしかなっていない。

実際に子供が声を担当してるようなので演技力については仕方ないのかもしれない。
しかしながらそこは商用ゲームなのだから仕事としてクオリティを求めるべき。
クオリティを求めるからプロを雇うんじゃないんですかね…?
この声に対する問題は声優(声を担当した人物)が悪いというのではなく、人選を含めこれで良いと判断してしまった開発陣、それを許可(あるいは決定)した責任者こそが諸悪の根源と言える。


【不満点5】マップに敵などの諸情報を表示してほしかった
ストーリーを進めると某ドローンが登場し「安全」、「敵がいる」、「敵に見つかった」、「仲魔が近くにいる」といった周囲の諸情報が通知されるようになる。
それならば、それら諸情報をマップ上にアイコン表示して欲しかった。
設定上、ドローンで上から情報収集して情報として通知してるはずなのだから、あえてマップに表示させない理由はなんだろうか?
開発側が考えてなかったか、開発できなかったのかどちらなのかと勘ぐってしまう。


【不満点6】コントローラーが振動する機会が少なすぎる
Xbox Oneコントローラーでプレイしているが、
現状で振動するのは戦闘中の弱点攻撃時とサバト発生時くらいしか振動しない印象。
それら発生がなければ振動することもなく戦闘は終わる。
弱点を突けばダメージが1でも振動するし、派手なエフェクトのスキル(メギドラオンなど)を撃ち込んで大ダメージを与えても弱点でなければ一切振動しない。

昨今、被弾時を含めて普通の攻撃で振動するのはもちろん、振動の強弱で大きな技の演出を行ったり、イベント演出時にも振動するゲームも多い中でこれだけ中途半端な振動をするゲームも珍しい。
振動の基準の洗い出しが足りないとしか思えない。


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【人によって賛否分かれそうな点その1】仲魔交渉
今回は敵とエンカウントせずにお手軽簡単に悪魔を仲魔にできる。
敵とエンカウントしてから対話を始めて、機嫌をとったり脅したりといった従来の交渉システムはバッサリと切られている。
(つまり敵とエンカウントしても交渉で戦闘を回避する、ということも当然できない)

何か要求されることなく仲魔になることも多く、何か要求されても1回だけの要求のみ。
1回の交渉で何回も要求されることもなければ、渡したものを持ち逃げされる、場合によっては騙し討ちすらされる、というようなボッタクリや詐欺、騙し行為も確認できない。
時代の変化で悪魔たちも良い子ちゃんになったということだろうか
悪魔の種族や性格などを考慮して交渉し、時には騙されたりしながら仲魔にする昔のシステムが好きだったが、それを面倒に感じる人もいるのは事実だろう。


【人によって賛否分かれそうな点その2】月齢システム
これまたバッサリ切られている。
女神転生シリーズ、前作ソウルハッカーの特徴として、ストーリー上で日数が経ってないのに月齢だけが変わるというある意味で説明のつかない部分がずっとあったものの、月齢によって交渉や戦闘が楽にも苦にもなるという月齢システムはゲームプレイに緩急が発生していたので好きだったが面倒に感じる人もいたのだろう。


【人によって賛否分かれそうな点その3】COMPシステム
ストーリーを進めるとCOMPの性能を向上させる改造ができるようになる。
それそのものは良いのだが、前作ソウルハッカーズにあったようなCOMPにソフトウェアをインストールして機能拡張するシステムはなくなった。
前作においては拡張に必要な容量とCOMPの空き容量に頭を悩ませて取捨選択して戦略を練る面倒さ(楽しさ)があったが、それは無くなっている。


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【良点その1】サバトで大量召喚するとカッコイイ
サバトで1体の召喚だと「ショボッ!?」と感じてしまうが、COMP改造などで召喚数(スタック数)を増やして8体とか召喚できるようになるとズラッと並んでいて流石に壮観でカッコイイ
まあたまに見る程度でたいていはスキップするけど


【良点その2】キャラの表情が豊か
会話中のキャラがメッセージウィンドウの左右に表示されるのだが、
発言しているキャラはもちろん、発言を受けているキャラも相手の台詞に合わせて表情が細かく変わるので見ていて臨場感、没入感を高めてくれる。
またその時にはゲームキャラ(メッセージウィンドウ横のイラストではなく、フィールドに表示されているキャラ)の口や動作もしっかり動いていたりと演出が細かい。
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