エンジニアがすごく頑張ってサブスリーしたよって話

こんにちは!

技術部で市民ランナーの荒賀です。 この記事はTech KAYAC Advent Calendar 2019の11日目です!

例年筋肉について書いており、2016年2017年と筋肉ネタを投下していましたが、 昨年の記事にて社内に自称ボディビルダーが爆誕したため筋肉ネタは卒業すると宣言していました。

しかし、今年ついに横浜マラソンでサブスリーを達成したため、一周回ってまたスポーツネタを書きたいと思います。

kotobank.jp

サブスリー達成者は市民ランナーの3%、女性にいたっては0.4%と言われているほど結構な難易度で、自分で言うのもあれですがたいそうすごいことなんじゃないかと思っています。

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グロス2:57:41でゴールした瞬間の神写真

で、サブスリーした人のこうしたら達成したぜって情報も世に溢れているので、自分が書いたところで今更感があるんですが、 達成までの軌跡には十人十色があって、もし自分に近い状況の人がいたら少しは参考になることがあるかもしれないし、なにも無いかもしれない、けど、今更サブスリーのストーリーがインターネットに1個増えても何も害はないので、僕も恥ずかしがらずに、サブスリーするのはこんなに大変だったよってのを書きたいと思います。

ちなみにTech要素は皆無でお送りいたします。

ランナースペック

まず、サブスリーした人の情報を知るにあたっていちばん重要なのが、どんな人だったのかです。 そもそも箱根を目指していましたとか、超メタボでしたとかで置かれている状況は全く違います。

僕はというと、下記のような感じです。

  • 身長 : 180cm
  • 体重 : 63kg
  • 年齢 : 38歳(1981生)
  • 家族構成 : 妻・長男(小1)・次男(年中)
  • 走歴 : 4年(2015/9/30〜)
  • フルマラソン戦歴
    • 2004/12 ホノルルマラソン 3:52:50
    • 2016/03 横浜マラソン 3:22:34
    • 2017/01 館山若潮マラソン 3:08:32
    • 2018/01 館山若潮マラソン 3:17:32
    • 2019/01 館山若潮マラソン 3:24:23
    • 2019/11 横浜マラソン 2:57:24
  • 学生時代の運動歴
    • 小学生: 野球/水泳
    • 中学生: 水泳
    • 高校生: ラグビー(ロック1)
  • ランニング以外に実施している運動
    • 水泳(オープンウォータースイミング2)
      • 2017 湘南OWS 10km 3:24:18
      • 2019 湘南OWS 10km 3:05:38
    • 自転車(ロードバイク)

スポーツは好きでしたが、徒競走は学年で最遅のグループで運動会は風邪を引きたいと思っていました。 ただし、水泳を長くやっていたせいか持久力はあったようで、学生時代に友人と卒業旅行を兼ねて参加したホノルルマラソンでは、3ヶ月くらいの練習期間でサブフォー3を達成しています。

走歴は4年ですが、 ロードバイクでは、片道15kmほどの自転車通勤を数年間継続したり、100km超のロングライドや峠越えなどを月1くらいでやっていたりしまし、 水泳でも時間があればITS健保の福利厚生を使って近所のジムのプールで泳ぐなど、持久力的な要素はランニングを始めるまでにもかなりやっていました。

それもあってか、ランニングを初めて最初のうちは、スポーツウォッチも持っていないのに3時間半を切るなど、我流でどんどん成長していたので、サブスリーなんて余裕だと思ってました。

しかし、2017の3:08:32を出したときに我流の限界を感じて、GARMINの時計を買ったり本を読んだりするようになったのですが、練習量を増やすということはせずに、 「如何にに効率的にコスパよくサブスリーするか」というセコい思想に支配されてしまい、逆にどんどん記録が悪くなってきていました。

そして、今年の1月についに2016年以降のワースト記録を出したことで、心機一転気持ちを入れ替えてトレーニングに励むようになりました。

主な情報源

さすがにサブスリーを、本などを読まずにコーチも付けずに達成できるのは相当の天才だと思います。 まあ、インターネット以前はもしかしたらいたかもしれませんが、ちょっとこの時代だと想像できないですね。

僕も、たくさん読みましたが、今でも参考にしているのは下記の3冊です。

故・小出義雄監督の本で、「ネガティブスピリット4」を広めたといっても過言では無いくらい、ほぼ全員読んでいるのではないでしょうか? 僕はこの本のメニューをこなせたわけではないのですが、自分のメニュー作成に悩んだらこの本のメニューを参考にしていました。

ただし、ネガティブスピリットで走れる気はしません。

型破り マラソン攻略法 必ず自己ベストを更新できる! (朝日新書)

型破り マラソン攻略法 必ず自己ベストを更新できる! (朝日新書)

  • 作者:岩本 能史
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2015/03/31
  • メディア: Kindle版

岩本式と言われているやつです限界突破マラソン練習帳の方が多分有名ですが、僕はkindleで読みたかったのでこっちを買いました。 鬼のような設定のビルドアップ走5と、峠走6をすることを推奨しているんですけど、どっちも一人でやるにはかなり厳しい練習メニューなのであまり取り入れていません。 ただし、何度か読み返して考え方のエッセンスは個人的に取り入れました。

ダニエルズのランニング・フォーミュラ 第3版

ダニエルズのランニング・フォーミュラ 第3版

  • 作者:ジャック・ダニエルズ
  • 出版社/メーカー: ベースボール・マガジン社
  • 発売日: 2016/03/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

実はこの本読んだこと無いんです。すいません。今度買います。 なんで読んでいないかというと、Kindle版ないし、Amazonだと高いし、注文しないとないしで読みたいときに手に入らなかったから未だに読んでいないんです。

ただ、この本の内容は様々なところで紹介されていて特にVDOTという指標はめちゃくちゃ便利で、僕も定期的にベストタイム・目標タイム・現在タイムからVDOT計算機で目標ペースや練習ペースを算出して、練習メニューの設定ペースを決めるなど、読んでいないのに一番お世話になっていると言って過言ではありません。 (ほんとに今度買います。すいません)

その他のwebサイト

下記のサイトはブックマークして、今やるべきトレーニングの内容や強度設定などに悩んだときに多い参考にしました。

練習環境

サブスリーした人の情報のあるあるが、そんな環境無いよってパターンです。
例えば、「陸上トラックでの練習会」「芝生ラン」「峠走」この辺は僕もやりたくて探したけど難しいんです。 もし独身だったら確実に引っ越ししています。弊社は鎌倉なんで陸上トラックも豊富なトレイルも海もある逗子とか、あるいは秋葉原勤務の可能性もあるので、間をとって多摩川沿いとかだと良い練習環境が整いそうです。

しかしまあ、僕もそこまで理想的な環境では無いけど良い面もあるという環境です。

  • 陸上トラック : 行動範囲にはなし
  • 不整地 : 広大な原っぱがあるがメンテされていないため、走れるのは草が伸び始める前の1〜4月頃のみ
  • 山 : 会社周辺の鎌倉には豊富だが、家の近所でも横浜市の市民の森で1週1km弱のトレイルランニングが可能
  • ロード : ジョギングでイケる場所に信号がなく30km走が可能な河川敷や、周回可能な公園、大小様々な坂道など多数

陸上トラックでの練習会や、日常的に使える不整地などは無いけど、ロードでの練習環境は多種多様に充実しているので、工夫すれば殆どの練習ができるという感じです。

練習内容

上記の情報源を参考に、基本的に期分けの考えで期間毎にテーマを決めてトレーニングをしました。

ただし、今年の2月以降一貫してやり抜いたことがあって、それは「月間走行距離300km以上を意識する」ということです。

よく「月間走行距離は関係ない、質の高い練習をすれば良い」みたいなことが書いてあったりするんですが、そういうので成功した人の本をよく読んでみると、 「月間走行距離さえ多ければ達成できると思っていたが、どうしても記録が頭打ちになって悩んだので、距離は気にせず質を意識するように考えを改めたら急に記録が伸びた。」ということだったんです。

僕は、タイトル見て期待していた都合のいい部分だけをななめ読みして、逆に都合の悪い部分をちゃんと読んでいなかったんですね。

その結果、毎週スピード練習をするけど、全部で週3回くらいしか走らず、月間走行距離は150kmにも満たないようなことをしていたら、 年を追う毎に10kmの通過タイムは自己ベストを更新するが、失速地点はどんどん前倒しされていってしまい、結果的にタイムが堕ちていくという事になってしまいました。 そのことから、きっとポイント練習の質は悪くなかったけど、それ以外の走り込みが足りなかったんだという予測をしました。

その結果導き出した仮説が「毎月300km以上を走り、今やっているスピード練習も継続すればサブスリーは可能」でした。

そう意識し直して本を読むと、「スピード練習は週間走行距離の15%以内にしないとだめだよ」とか書いてあったんで、単純に10kmのスピード練習をしたらその他に週に全部で70kmくらい走る必要があって、そうすると結果的に月間300kmは行くんですよね...

月間300kmというのはそういうことなんだと思います。

月間走行距離なんて本質じゃないから気にしちゃだめ!
→ それよりも質の高い練習をしないとだめだよ
→ でも、質の高い練習をするためにはそれ以上にゆるいジョギングもたくさんしてね
→ そうね、目安としては月間走行距離300kmくらい

さて、そんなわけで日々の練習内容ですが、紆余曲折あって1週間のランニングサイクルを下記のように回すようになりました。

  • 月: 早朝ジョグ30分 + 駅まで往復3km * 2 = 約10km
  • 火: 早朝ジョグ30分 + 駅まで行き3km + 会社から家までジョグ90分 = 約20km
  • 水: 早朝スピード練習60分 + 駅まで往復3km * 2 = 約15km
  • 木: 早朝ジョグ30分 + 駅まで行き3km + 会社から家までジョグ90分 = 約20km
  • 金: 早朝ジョグ30分 + 駅まで往復3km * 2 = 約10km
  • 土: 早朝スピード練習90分 = 約15km
  • 日: 早朝ロング練習120分 = 20〜30km

これを全部やったら450〜500kmくらいになるはずですが、実際には水・土・日のポイント練習以外のjogは気分や体調によってやらないことも多くて、月間300〜400くらいに落ち着きます。 自分に厳しすぎるのもしんどいので、いくらでもサボる猶予はあるようにしています。

また、この他に、月・水・金の夜は1〜2時間スポーツジムでの筋トレとスイムのトレーニングを行っています。

さて、水曜と土曜のスピード練習の内容ですが、各種情報を参考に期分けをしていてそれぞれの期間ごとに下記のようなメニューを、基本的にアップダウンの無いロード環境で一人で行っています。 予定ペースはありますが、一人なのでかっ飛ばして撃沈したり、抑えすぎて撃沈したりしながらたまにいい感じになるみたいなもんです。

  • 第一期: 限界スピードを上げる期間
    • 200m x 10 (休憩長めで全部ダッシュ)
    • 400m x 10 (休憩長めで全部ダッシュ)
    • 坂道200m x 10 (登って降りる)
  • 第二期: 速いスピードで走れる距離を増やす
    • 400m x 10 (第一期から引き続き)
    • 1000m x 5 (できるだけ早く同じペースでできるように)
  • 第三期: 苦しいペースに慣れる
    • 1000m x 4 + 400m x 5 (一期と二期を忘れないため)
    • 2000m x 2 + 1000m x 1 (できるだけ早く、1000mは長めに休んでから超頑張る)
    • 5000m x 1 (常に自己ベストを更新する気持ち)
    • 10000m x 1 (常に自己ベストを更新する気持ち)
  • 調整期: レース前2週間
    • 1000m x 3 (本数を減らしてスピードは頑張る)
    • 5000m x 1 (常に自己ベストを更新する気持ち)

ちなみに、この期分けですが、一人でやっていることもあり、各期間が長すぎると飽きるので、レースに合わせて逆算してはめるか、 レースの予定がだいぶ先ならそれぞれを飽きるまでやって1→2→3→1→2→3→...と回していくのが良いかと思います。

サプリメント

よくランニングは「シューズさえあればどこでもできるから金がかからない趣味」と言われていますが、正直シューズにめちゃくちゃ金がかかる上に、消耗品としてサプリメントにもかなりの金がかかります。

そんなサプリメントも試行錯誤していましたが、最近はもう考えるのもめんどくさくなってきて、減ってきたら頭を使わずに機械的に発注するようになりました。

決戦用サプリメント

決戦用サプリメントってのは要するに高くてコスパも良くないです。 ですけど、気合い入れた勝負レースの前はエイヤーと買うやつです。

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勝負サプリメント

レース前用

レースは準備の段階から始まります。だいたい2週間くらい前から練習メニューを調整メニューにし、1週間くらい前から、カーボローディングや、ウォーターローディングなどの〇〇ローディングを始める人もいます。

MAURTEN DRINK MIX 320

レース前日にカーボローディングでガッツリ食べすぎると、お腹が張って不安になります。要するにあれです、排便の不安を抱えて走ることになってしまいます。

そこで、前日の食事はご飯を少し大盛りにする程度にして、代わりに夕食後から就寝するまでにこれをチビチビと飲み切ります。 更に、朝起きてから餅とかうどんとかバナナとか炭水化物系のよくある当日の朝の食事を取ってから、レース30分前くらいまでにまたチビチビと飲み切ります。 1袋で320kcal稼げるので、固形物によるお腹の張った感じを避けつつ、計640kcal追加できるので、エネルギーの貯蓄がバッチリできます。

もちろん水分が増えるのでお腹を下しちゃうとか人によってもあるかもしれませんが、皆レース前は水もたっぷり取っていると思うので、そこに混ぜるだけなのであまりデメリットは無い気がしています。

Mag-on 顆粒

僕は癖がついているんじゃないかと思うくらい脚をよく攣ってしまいます。スイムなどでは特にヒドいのですが、原因の一つにマグネシウムの不足というものがあります。

このMag-onはマグネシウムを補うことができるので、僕は勝負レースの3,2日前に顆粒のやつを1本ずつ、前日に2本、当日朝1本の計5本を採っています。 更に1週間前から水を最低3リットル取るなど可能な限りの足攣り対策をするようにして、勝負レースで脚が攣ることはなくなりました。

レース中

レース中のエナジージェルの選択基準は皆さん同じだと思いますが、必要なカロリーと取れてかつそれを持ち運べることだと思います。 あとは、味や直感で選ぶのが一般的で僕もそんな感じで色々試していましたが、今は下記の2つで固定で良いかなあと思っています。

MAURTEN GEL100

MAURTEN GELに関してはエリート選手も使っているいう点からきっと間違いないです

また、上述の必須アイテムである320購入時に送料無料にするためについで買いをするという理由もあります。

ただし、他のジェルに比べてややサイズが大きいことと、何より高いという欠点もあります。

Mag-on エナジージェル

Mag-onは個人的に他のジェルに比べて味が抜群に旨いと思っています。

また、同時にマグネシウムが取れるという点も足攣り防止の観点で嬉しいです。 Mag-onにはカフェイン入りのものもあるのでレース後半用はカフェイン入りを採用しています。

僕はカフェインの効果をよくわかっていませんが、カフェインは良いと科学的にも言われているそうなので、きっと力になっているはずです。

ちなみにこれらの決戦用のサプリメント費用だけで、1レースで5000円くらいいっちゃいます。 マラソンは金がかかる...

日常使い

日常的に使っているサプリメントも色々と試しましたが、今は下記で固定されています。 購入もMYPROTEINに固定で理由は安いからです。隣のボディビルダーもマイプロだし間違いないでしょう。

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常にストックしているマイプロ

ホエイプロテイン

僕は食事に関してはカロリーも脂質も食材の数もなにも気にせず好きなだけ食べますが、最低限必要なタンパク質の量だけは気にしています。 ほぼ毎日運動しているので1日に体重×2gくらいは摂取したいということで120〜130gは摂取したいのですが、これを食事だけで摂るのはかなり大変です。 なので1食あたりは最低20g摂ればOKということにして、残りはプロテインパウダーで摂ります。 だいたい、朝のジョギング後と夜のトレーニング後に摂るので1日2回で40〜50gのタンパク質を摂っていることになります。

BCAA

BCAAの効果って何でしたっけ?タンパク質の構成要素のアミノ酸の中でも重要なバリン・ロイシン・イソロイシンのことで、筋損傷を抑制するとかそんな感じだったと思いますが、 もはや「効くと感じているから飲んでいる」という状態で逆に運動前に飲んでおかないと不安になるレベルで絶対的存在です。

毎朝のジョギングを含む各トレーニングの前と、ジムでのトレーニング等近くに水分を置ける場合はトレーニング中も飲んでいます。

L-グルタミン

L-グルタミンは免疫を高め、回復を早める効果があると聞いています。

実際昨年まではレース三ヶ月くらい前から減量をしていたのですが、減量するとめちゃくちゃ風邪を引きやすくなっていたのが、 L-グルタミンを摂るようになってからひきにくくなったような気がしているため、朝晩のBCAAまたはプロテインに混ぜています。 L-グルタミンは非必須アミノ酸で体内で作られるので、普通はあえて取る必要はないとも言われていますが、 トレーニングで生じた筋損傷の回復に体内で作られるグルタミンの殆どが消費されてしまうような気がするため、風邪などに対応するL-グルタミンが不足してしまうと困るので、それをサプリメントで補っているという感じです。

マルトデキストリン

マルトデキストリンは糖です。糖質オフクソくらえ!まあ、糖が不足するとトレーニングでパワーが出なくなってしまうんですね。 なので、夜のトレーニング前はBCAAにマルトデキストリンをガツンと混ぜています。

また、プロテインを飲む際にリカバリー目的だと糖も必要なのでガツンと混ぜています。 多分リカバリー目的のプロテインを買うよりも個別で買って必要に応じて混ぜたほうがコスパが良いと思います。

ランニングシューズ

ランニングシューズを振り返るのは避けたい。。。 まあ、年末ですし今年の愚行を振り返っておきたい

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現在使っているランニングシューズ

決戦用シューズ

レース用シューズはもはやこれを履かないで走って言い訳するのはダサいのでは?というレベルで皆履いている「Vaporfly NEXT%」です。 昨年撃沈してから、今シーズンはヴェイパー(当時はVaporfly Flyknit)で勝負をすると決めました。

ただし、VaporflyFKの時点では、フォアフット走法でなければ効果を最大限発揮できないどころかヒールストライクだと逆効果だとか、 脚が売り切れるとただの重いシューズで地獄をみるだとか言われていたので、1年掛けてランニングフォームの改造もすることにしました。

ポイント練習用シューズ

  • ナイキ ズームフライ フライニット

主に日曜日に行っているロング走はジョグだろうが、速いペースだろうが、Zoom Fly FKを履いて行っています。

これはヴェイパーを消費したくないから似たようなアシスト効果のあるZoomFlyを使って慣らすというのが一つと、 やや重めなので脚を鍛えられるかもという淡い期待を持って採用しています。 まだ未使用ですが最近Zoom Fly 3も買ったので、躊躇なく使って履き潰そうと思っています。

  • adizero takumi sen boost 3

スピード練習はアシストなしで足の力をフルに使ったほうが良い気がするというのと、それまでのレースシューズを使わないともったいないという観点から、 これまでレースで使っていた「戦ブー」と言われている薄くて軽くて地面をガッツリ蹴れるシューズを使っています。

ただ、そろそろソールに限界を感じているので、これからはスピード練習もZoomFlyを使うかもしれません。

帰宅ラン用シューズ

  • ナイキ エア ズーム ペガサス35

帰宅ランはこれ以外にも使っていますが、会社から家まで走るような長めのときはペガサスを使っています。 これもヴェイパー用の脚を作るという意図が大きいです。

ちなみにこのNikeの厚底系は、 ヴェイパーからカーボンを抜いたのがペガサスターボ、ヴェイパーからカーボンをそのままに丈夫で重い素材に変えたのがZoomFly、 ZoomFlyからカーボンを抜いたのがペガサスという関係性だそうです。

ペガサスターボも買ったほうが良いのかもしれないですが、予算的に限界ですね。

帰宅ランでは雨の日はOn Cloud Waterproofを履くときもあります

フォアフット矯正ジョグ用シューズ

今シーズンそれまでヒールストライク気味だったフォームをフォアフットに矯正するためにいくつかシューズを買ってガッツリ使い込みました。

  • ナイキ フリー ラン 2018
  • ALTRA ソルスティス
  • ルナサンダル Venado 2.0

ナイキフリーは裸足に近い感覚のシューズということで、まずは朝のジョグでナイキフリーを履いて足裏の感覚を意識するようにしました。 足裏の感覚を意識するとかかとで着地は気になるので自然と接地位置が前になってきました。

ナイキフリーにある程度慣れてきたなというときに、ゼロドロップというヒールとつま先に高低差の無いALTRAのシューズを使うようになりました。 最初のうちは朝のジョギングでだけ使って、最終的には20kmのロングジョグでも気持ちよく使えるようになりました。

また、このALTRAって前足部にすごくゆとりがあるので、締め付けがなくて快適で、うっかりNike止めて全部ALTRAにしようかと思った時期があったほど慣れてくると最高でした。

ALTRAで完全にフォアフットできるようになったと思ったんですけど、もっと完全なるフォアフット人間になりたいと思って、夏場は裸足ランニングのカリスマランニングバイブルBone to Runでおなじみルナサンダルで走りました。 もちろんポイント練習などはちゃんとシューズを履くんですけど、出勤時の駅までジョグとかはもう全部ルナサンです。

ただ、長い距離の帰宅ランもルナサンでやってみたりしたら、初めて足底筋膜炎になりました。多分まだ治っていません。

シューズ以外のギア

シューズ以外のギアに関して特に注目すべき点は無いのですが、僕が結構調べたりする派でなかなか情報がなかったので一応書いておきます。

ちなみにシャツに関しては、まじでなにもないです。 普段の練習は参加賞Tシャツを着ていて、レースではちょっとテンションが上がりそうなシャツを買いたいけど、良いと思ったのは高いので、可もなく不可もないセールで買った無難なシャツを未だに来ています。

値段が高くても良ければ、トレラン向けの商品を探すとおしゃれなのが出てきますので探している方がいたら「トレラン シャツ」とかでメルカリとかインスタを探すとブランドが見つけられる気がします。僕はランニングシャツ1枚6000円とかキツイなーと感じてしまうので買えませんが...

www.patagonia.jp

僕のランパン選びは、小さいポケットがたくさんついていること、インナーパンツがついていることを条件に探しています。 会社が鎌倉で鎌倉といえばパタゴニアという感じなんで、昼休みに買ったんですけど、もしかしたらもうちょっとポケットがピタッとフィットするのがあるかもしません。 というかあります...

僕はもうこれを一張羅にしていますが。

練習用のランパンはセールで2000円とかで奇跡的に売っていたやつを何枚か使っています。

tabio.com

ヴェイパー履くとき靴下履くのか履かないのかちょっとよくわからなかったんですけど、市民ランナーでヴェイパー履いている人はほぼ靴下履いています。 映像をみてもMGCの選手とかもほぼ靴下を履いているようにみえたので、僕も靴下は履いています。

靴下はもうずっとtabioのこれです。ランニング用はこのシリーズしか持っていません。 というかランニング以外もtabioの5本指ソックスの3足1000円を使っています。5本指最高ー!もっとラインナップが増えてほしい...

www.garmin.co.jp

はい。最も重要なギアになります。
僕はランニング以外に海で泳ぐウォータースイミングもするので935(945)一択だったんですけど、ランニングだけならForeAthlete 245で十分だとおもいます。

フルマラソンで記録を狙うなら心拍数を測れるGPSウォッチは絶対に必要で、  練習メニューの客観的な計画と振り返りに自分の心拍数と距離とスピードは効果的な練習のために欠かせないデータです。

例えば、普段のジョグで疲れてはイケないので、疲れるレベルまで心拍数を上げないようにするとか、逆に心拍数が高くなりすぎて乱れていたら休む必要があるとか、 練習の成否も1000m以上のインターバルトレーニングからは狙った心拍数まで上げられたか、そこから維持できたかどうかなどをもとに判断できるのでとても重要です。

この他にタイツなど着圧をかける系のものを使っていたこともありましたが、今では使っていません。 また、ウェストポーチやflipbeltなども今ではつかていません。

基本的にスマホも持たずに、シャツ+短パン+靴下+シューズ+時計で、たまにキャップとサングラスもするときがある。 エナジージェルは短パンのポケットに入れるというスタイルです。

アプリ

学生時代にホノルルマラソンに出たときは、本屋でランニング情報を立ち読みする(買え!!)くらいしか情報源がなかったのですが、今はスマホで簡単に情報を仕入れられます。 その中でも下記のアプリは非常に有効でした。

GARMINを使っていたら自動的に使うことになりますが、ランニング前に練習計画を立てて時計に登録したり、 練習後にその日の調子や出来を確認するのに非常に役に立ちます。 なしでは無理。

最初は友人同士でフォローしてたまにlikeするだけだったんですけど、勝手にランキングに入って燃えるとか、自己ベストですって褒めてもらえたりしてモチベーションが少し上がります。 また、すごいランナーもいっぱい使っているのでフォローするとすごい人の練習メニューとかがわかってとても参考になります。

STRAVAは実際に実行している練習が見れますが、強い人をTwitterでフォローすると科学的な最新トレーニングとかがいっぱい入ってきます。って、エンジニアの皆さんなら常識ですかね笑

ただし、注意が必要でStravaやTwitterで強い人をたくさんフォローすると「サブスリーできていない自分は最底辺」という錯覚に陥ったり、サブスリーしてもやっとスタートラインに着いただけのような感覚に堕ちたりします。上が見えすぎるんですね。

なので、程よく自分と同じくらいのランナーも勝手にライバルとして強者と同じくらいフォローしたほうが良いと思います。

というか、僕が「自分が雑魚すぎてつらい」状態になったときに、同じくらいのレベルのランナーをたくさんフォローしたらとても平和になったので、上ばかりを見るのは止めましょう。

TwitterやSTRAVAには市民ランナーなのに2時間30分に迫るあるいは超えているような人がぞろぞろいます...

レース当日

実はサブスリーを達成した横浜マラソンでは、3時間切りを目標にしていませんでした。 2年間ベストを更新できていなかったため、これだけやった練習の自信をつけるために、確実に自己ベストを出すことを目標に3時間5分を目標にしていました。

そして、これまでシーズン1レースでしたが、シーズン中にPDCAサイクルを回して改善するために、 シーズン初期の横浜マラソンで自信をつけつつ課題を見つけ、シーズン終盤の東京マラソン(奇跡的に当たった)で、課題を克服した上で自信を持って勝負するという計画を立てていました。

そのため、横浜マラソンでは気負わずリラックスしてスタートに立てたような気がします。

当初計画では4'15"/kmペースで30kmまでいき(それは絶対にできる自信があった)そこからは、いけそうなら攻め、ヤバそうなら確実に自己ベストを出すために4'30"-40"に落とすという計画でした。 ネガティブスピリットで4'20"で抑えて最後に上げるよりも、4'15"で攻めてどこが辛かったかを把握したほうが次に繋がると思ったためです。

しかし、実際はそんなにうまくは行きません。最初の1kmは混んでたのもあり4'20"でしたが、そこから少しだけ上げたつもりがグーンと上がって4'01", 4'04", 4'06",...と完全にオーバーペースになり「もう気にしねー」と思って気持ちよく走りはじめてしましました。これ、いつもなら爆死パターンなんですよね。

ただ、今回は運良く10km手前くらいでサブスリーを狙うペースメーカーの集団に合流し、そこで思い出したのが10月にキプチョゲ選手が2時間切りを目指して見事1:59:40でフルマラソン(非公式)を走りきったINEOS 1:59のあのXフォーメーション、オープンウォータースイミングや自転車ロードレースではおなじみのスリップストリーム(=ドラフティング)です。

note.com

普段はソロで練習していて集団走などレースでしかやらないので、集団で走るの苦手なんですけど、どういうわけか頭の中がスリップストリーム貰うぞという気持ちになって「俺はキプチョゲ、こいつら最高のペーサー」と頭の中で妄想が膨らんで、集団のど真ん中に埋るという作戦を実行することに急遽なりました。

そこからはほぼ覚えていないんですけど、30kmすぎまで集団の真ん中にずっと居続けること、中に埋もれているので周りの人に迷惑を掛けないように靴を踏まないように適度な間合いをとることだけを意識して、景色も見ないで淡々とそこに居続けるという作業を遂行しました。

30kmすぎると流石に集団もバラけてくるんですけど、ペーサーから3列目という位置を維持し続けるようにして、気づいたらだいぶサブスリーへの貯金ができていました。

すると、35kmくらいで、頭の中の悪魔が「これ2時間55分までいけちゃうのでは?」て、囁きだしまして「え、マジ?それカッコいい。ヤバい。でもペースを少し上げないと」と悩んでいると、また悪魔が「行っちゃいなよ」と囁いてきて「うん。行くー」と一人旅を初めてみたら1kmくらいで突然脚が動かなくなっちゃうんですね。不思議。

というわけでそこからは5キロほどを4'30"前後でなんとか走りきって、2:57という数字が見えたときは「キターーーー」という凄まじい喜びようでした。

今、あらためてみると、あそこから55分を切るためには多分キロ4分を切る必要があったんで無理ゲーだったっぽいですけどね。誘惑って怖いです。

サブスリーのためにやめたこと

今回サブスリーを達成するに当たってこれまでやっていたことの中からやらなくなったことがありました。

1. 帰宅ランでのポイント練習

これまでランニングは土日どちらかのスピード練習と、帰宅ランでのポイント練習という構成でしたが、帰宅ランでポイント練習をすることはある程度までは時間を効率的に使えて理にかなっていましたが、荷物を背負っていたり、一回一回の集中を高めることなどを考えると帰宅ランはジョグに徹して、ポイント練習は早朝にするようになりました。

2. 減量

フルマラソンは1kg痩せると3分早くなると言われているため、これまではレース2ヶ月ほど前から減量をしていましたが、 減量は辛いし、減量しなくてもそれ以上に走っているから大丈夫だろうと思って減量はしませんでした。

3. よなよな月の生活

4年ほど、よなよなエールでおなじみのヤッホーブルーイングから毎月クラフトビールを定期購入していましたが、シューズとプロテインの費用で予算がショートしたため泣く泣く止めました。

まとめ

まとめはとくにありません。言いたいことはあります。

  • サブスリーはすごい
  • サブスリーは金も時間もかかる
  • サブスリーするためにはよほどの天才じゃない限り月間300kmも質の高い練習もどっちも必要。楽な道などない

あとはですね、サブスリー目指してガチっぽく走っていると、誰も一緒に走ってくれないんですけど、殆どのランニングはジョグでしかも超低速なんで、エンジニアもそうじゃない人も一緒に走る人を募集しています。


  1. ラグビーW杯でいうと、トンプソンルークとかのやっているスクラム2列目の比較的背の高い人のやるポジション

  2. 海や川や湖などの自然の中を遠泳する水泳長距離競技。別名マラソンスイミング、東京オリンピックで水質や水温で話題になっているあれ

  3. フルマラソンで4時間を切ること。市民ランナーの30-40%くらいが達成しているらしい

  4. 前半余力を持って走って、後半ペースアップしてゴールするペース配分

  5. 楽なペースから徐々にペースを上げていって最終的にマラソンよりも速いペースで走らされるキツイ練習

  6. 長い峠を登って降りるどっちもキツイメニュー。尚峠に行かないといけないので僕はやったことがありません

  翻译: