気になった記事

身辺
09 /15 2024
東京新聞電子版 サンデー版 9月15日 2面

飛鳥圭介 おじさん図鑑

国鉄渇望

前回、JRみどりの窓口の矛盾に疑義を呈したが、合理化のために、ワシらはすごく大切なものを次々と失っているように思う。

合理化の中身は「お金」だ。お金もうけのために、JRはみどりの窓口を減らし、結果、利用客は散々な目に遭わされている。学割定期を購入したり、各種の割引切符を買うためだけでも大変な時間の空費と苦痛を強いられる。

みどりの窓口のみならず、合理化によって採算の取れない地方の鉄道が次々と廃線となり、少数の人々の利便が奪われた。国鉄分割民営化というのはつまり合理化だったのだ(一説に労働組合解体の目的も)。

新幹線が日本の東西南北を貫く大動脈だとすれば、地方の支線はそこから枝分かれした大小の血管だ。さらに毛細血管に例えられる鉄道もあるだろう。そんな支線にも命が通っている。その線を切り捨てたら過疎地は消滅する。

何かと議論のあるリニアに膨大な資金をつぎ込むより、地方支線を大切にする方が地方再生に役立つのではないか。もしかしたら分割民営化は失敗だったかもしれない。昔のように国営鉄道に戻せないものか。合理化は必ずしも人を幸せにするとは限らない。

(エッセイスト)

コメント

非公開コメント

あめんぼ通信

水田 祐助 岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在71才、農業歴35年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。

yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp

にほんブログ村 料理ブログ 男の料理へ

  翻译: