1月26日土曜日。できれば出発前に30km走をしておきたい、と6時にアラームをセットしていたけど、いつものパターンで睡眠負債と疲労が溜まり過ぎていて起きられず。それでもランオフにせずちょっとだけでも走りに行けたのが救いか。だけどやっぱりHOKAのMACH6を履くと左足首回りに強めの痛みを感じる。足首周りのシューレースを緩めると痛みも軽減するので、圧迫によるものなのはほぼ確か。で、歩いてる段階ではかなり気になるこの痛みなのだが、走り出してしばらくするとほとんど気にならないレベルに低減する。これは靴の当たり方なのか、単に患部が麻痺しているだけなのかは不明。ポンポンと弾む感じの接地感自体は好みなので、この不快な痛みが出るのだけ解消できればいいんだけど。
帰宅すると出発の時間まで1時間。シャワーを浴びてパッキングを終わらせて家を出た。今回の目的地は和歌山県の白浜。もともとは年始に徳島の祖谷温泉に行く予定だったのが、奥さんの体調不良などでキャンセルになり、2月から6月頃までは自分が土日含めて休みを取れなくなるため、最後の晩餐的に近場の小旅行をねじ込んだ次第。
しかし早速にハプニング。朝ごはんを食べていなかったので、特急の中で朝昼兼用にしようと、グランフロント大阪のTHE CITY BAKERYでパンを買い、スタバでコーヒーを買うなどしてのんびり大阪駅の改札に入ったところ、あれ?くろしおの乗り場が分からない・・・。てっきり環状線と同じホームらへんだと思い込んでいたのだが、2023年から大阪駅の地下ホームに乗り入れされるようになっているらしく、駅員さんに尋ねたところ「場所が全然違いますよ」「ここから15分ぐらいかかりますよ」と衝撃のお言葉が。出発まで7分を切っており、聞いた瞬間に「あ、無理やん」と1時間後の切符を再購入することを考えたんだけど、隣にいたもう一人の駅員さんが「いったん改札を出て、外を通るルートのほうが早い。走ったらまだ間に合いますよ」とMAPで道順を教えてくれた。で、ちょうどさっきグランフロントに行ってたところが地下改札の最寄りだったということがわかり、半ば間に合わないだろうと思いつつ小走りでそこへ向かう。結果、なんとか間に合った。。しかし奥さんには相当な距離を走らせてしまい、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいに。今回の旅行、ほとんど何も調べずノープランで来た弊害がこんなところで出てしまった。
なんちゅう幸先の悪いスタートだ、、、と思ったけど、車内ではこれといったトラブルはなく、2時間半ほどの乗車で白浜駅に到着。今日明日と快晴が続くみたいで、あきらかに神戸よりも暖かくで気持ちが良い。駅前からホテルの送迎バスに乗って早速そちらへ向かう。
今回の旅行の目的はここ、ホテル川久へ泊ること、それだけしか決まっていない。海の上に浮かぶ要塞、あるいは城のようなこのインパクト抜群の写真を見たことがある人は多いかもしれない。自分も以前から一度宿泊してみたいと思いつつ、それなりの価格なので決定までに至らずにいた場所。
正直、今回実際に訪れるまでは自分の中で「昭和のバブル建築」といういフレーズから来るキワモノ的な要素(悪い意味ではない)を勝手に強くイメージしていたところもあるのだが、その実は細部に至るまで徹底したこだわりと、それを圧倒的で揺るぎない重厚感のもとにまとめ上げるセンスと熱量が感じられる素晴らしい空間だった。
ちょうどチェックインまでをラウンジで過ごしていた時刻は、冬の日が傾く一日の中で最も美しい時間。刻々と姿を変える陰影の芸術は、まるで宗教建築のような、ある種の神秘的な美しさすら感じさせる。5cm四方の金箔を19万枚貼り合わせた天井、その天井を支える24本の柱(1本1億円)は、左官職人・久住章さんがヨーロッパから持ち帰ったシュトックマルモ(石膏擬石技法)と呼ばれる特殊な技法で作られており、日本ではここでしか見ることができないそう。
特徴的な外観を生みだしている黄色の瓦は、中国の紫禁城で使われているものと同じもので、その数なんと47万枚。レンガはイギリスのIBSTOCK社のもので、こちらは140万ピースという、もうよくわからない単位の物量が投下されている。車寄せから見上げる屋根の大ひさしは、先に書いた左官職人・久住章氏の作品で、高知城にも使用されている土佐漆喰の装飾。総建築費400億円というのもぶっ飛びすぎていて実感が湧かないが、ホテルのコンシェルジュにより14時/16時の2回にわたって開催される館内ツアーでは、その実現に至るまでのオーナーや関係者の途轍もない熱量が感じられるエピソードが聞ける。
彫刻家バリー・フラナガン氏によるウサギのオブジェ。これもまた、時間帯によって影が大きく変化するので何度見ても飽きない。
木製のドン・キホーテ像に並び、ロビーの壁面に合計4点がさりげなく埋め込まれているモザイク画も、実はシリアで発見された2世紀頃のものだというからその貴重さにビックリする。
エレベーターの床はフランス人作家のジル・ゴベール氏による寄木細工。すべてのエレベーターで異なる意匠が用いられており、全台乗り換えてみてのチェックは必須。
さてお部屋へ向かおう。
今回宿泊したのは4階の穂高という部屋。
このホテルは全室がスイートで海に面しており、部屋の面積も100㎡前後と広く取られている。
ずっと海を見ていたいけど、温泉好きな自分としてはまずそっちへ向かわねば!とお風呂へ。大
※写真はHPより借用
浴場は1・2階にあり、チェックイン当日と翌日で男女入れ替え制。今回は1階のお風呂へ。こちらも内風呂は高野山の霊木とされる高野槙(こうやまき)が使われており、壁面の陶板には陶芸家の青山禮三氏の描く仙人画と、陶淵明の「山海経を詠んで」から抜粋された漢詩が描かれていて雰囲気たっぷり。白浜温泉は有馬と道後と並ぶ日本三古湯に数えられ、源泉の種類も多数ある。このホテルの源泉は含硫黄泉。かすかな硫黄の匂いとさらりとした泉質が個人的にはかなり好み。露天にはバレルサウナと水風呂もあり、そっちのほうが好きな人も十分満足できそう。
16時から再びロビーへ下りて、ホテルのコンシェルジュの方によって開催される館内ツアーに参加。
昭和天皇も訪れた前身の河久(川久)旅館からバブル期に移行した現ホテルの設計建築にまつわるエピソードを聞くだに、現代では絶対に無理だろうなと思うマンパワーと資金と熱量が投入された物凄い建物、空間なんだなと思わされる。それを現在に至るまでこうして完璧に保ち運営しているのがまた凄いところ。
ベルナール・ビュッフェ、マルク・シャガール、横山大観など、所蔵する絵画や彫刻も名だたる作家のものばかりで、しかもことごとくセンスが良い。
個人的に大好きなダリの作品もまたたくさん飾られており、この謎の塔をモチーフにした画が特に素敵だった。ちなみにダリの作品はすべてナンバリングが66/210だった。
ドイツの照明デザイナー/インゴ・マウラー設計の部屋に、イギリスの芸術家/ヘンリー・ムーアのドローイングが飾られている。まさしく空間芸術。すごい。
旅館時代のシャンデリアが天井を飾り、中尾敦氏による舞妓画が飾られた六曲一双の間。
入った瞬間に思わず「おぉっ!」と声が漏れること必至の洋宴会場。イタリアの画伯ジョルジオ・チェリベルティによって「愛と自由と平和」をテーマに描かれた天井画。天窓に描かれた針のない時計は"愛は時間を超越する"という意味が込められている。マイクなしでも声が届く設計の空間は本当に音の反響が素晴らしく、会場の端から端へ足音がスコーンと響く。
まだ全然鑑賞時間が足りないが、17時過ぎからは晩ごはん。こちらでは「王様のビュッフェ」と銘打った豪華なメニューも大きなうりの一つになっている。
一巡目は洋食メイン。アラカルトが非常に豊富で、かつかなり凝っていて美味しい。
続いて和食へ。天ぷらはもちろん揚げたて、寿司、刺身もその場で提供してもらえる。そして旬のクエ鍋まで、なんでもある。
間ではこのようにカクテルを作るパフォーマンスもあり。このカクテルCaffe Diabloも美味しかった。
ホテル川久の専属パティシエが創り出すスイーツをいただき(ほぼ全種類・・・)フィニッシュ。大満足。
そのままの足で再度のギャラリーへ。さっきよりもじっくりと全ての作品を鑑賞する。
こんなに凄い作品の数々を、素晴らしい空間でしかも他に誰もいない状態で堪能できる贅沢。1時間ほどかけてじっくりたっぷりと鑑賞。
部屋に戻って再びのお風呂へ。
今度もゆっくり1時間ほど入浴し、0時前まで部屋で奥さんとこの素敵な空間を楽しんだ。
1月26日日曜日。寝るのも遅くなったので、起きられなかったはら走るのは諦めるつもりだったけど、意外とすんなり目が覚めたので6時過ぎからジョグへ。日の出まで1時間ほどあるので、ヘッデンは必須。転倒に最大限の注意を払いながら、路面状況を注視して走っていた。車はほとんど走っていなかったけど、途中で5人ほどのランナーの方とすれ違う。たぶん地元の方だと思うけど、皆さん全員がすれ違い時に挨拶してくれたのが印象的で、嬉しくなった。
明けてきた空をバックにホテルを映し、部屋に戻る。すぐさまお風呂へ。今日は2階のロイヤルスパが男風呂に。露天で朝陽に照らされた白浜の海の様子を眺める贅沢な時間。
8時から朝食。昨日あれだけ食べたのに、もうお腹が空いている人体の不思議。朝食のビュッフェも種類豊富で、かつ美味しい。豆腐はホテルで手作りされたもの。おにぎりも握りたて。朝からすき焼きも。海鮮丼も本当に美味しかった。
奥さんが何度も「ここに住みたい」と言うほどになかなか去りがたき空間だけど、チェックアウトの時間に。このホテルは自分たちの親を連れてきても喜んでもらえそうだし、そんな形でリピートしたいなと強く思った。
さて、今回はこのホテルに泊まること以外は本当にノープラン。三段壁のほうへ行ってみる?と話してたけど、もうホテルで十分に満足してしまったのもあり、とりあえず歩いてすぐの場所にある白浜美術館へ行ってみたんだけど、、、なぜか閉まっていた。いちおう電話もかけてみたけど誰も出ず。休館してるのかしらん。
こっち系のホテルも気になるワタクシたち。清水アキラのものまねショーが開催されているらしい。。
その後、土産でも買おうかととれとれ市場へ。フードコートは疲れるので立ち寄らず、いくつか自分たちように地の物(巨大なカリフラー含む)を購入し、あとは白浜駅に戻り、早めに帰ることに。
13時26分発の特急くろしお号に乗車。そういえば行きも帰りもパンダ号だった。
16時過ぎから早めの晩ごはんで、大阪駅前第4ビルの名店「七福神」で串カツをいただいて、帰宅した。というわけで本当にホテルに泊まりに行っただけの小旅行だったけど、かなり満足度の高い時間の過ごし方だった。現実に戻るのが辛い。。
12月17日火曜日。なんと、タイ旅行も本日が最終日。正確には日付が変わった深夜便で日本に帰るのである。自分でも意外なぐらい、これといったストレスなく過ごすことができていて、もっともっと滞在していたい気持ちでいっぱい。
結局、曇りがちの日が多かったのもあって、ホテルのプールサイドでのんびり、というのができなかった。往々にして海外旅行では「リゾート感」と縁遠いのが自分たちの旅の特徴だな。
空港からホテルまでは150THBの料金固定だったAirport TAXIだけど、帰りのそれを事前予約したところ倍近い価格で出てきたのでやめて、今日もGrabで配車。ものの1分で車が到着し、珍しく英語でよく喋るテンション高めなオッチャンの運転でチェンマイ国際空港へ到着。しかし、今日もまた格安LCC便の悲しさか、フライト予定時刻から50分以上遅れるという。タラップおりてからまたバスに乗って、15分ぐらいかけてarrival棟まで行かないとあかんし。
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思っていた以上に時間がないなーと思いつつ、スワンナプーム国際空港で奥さんが事前に予約しておいてくれた荷物預かりで大きな荷物を置き、Grabでアイコン・サイアムへ向かう。ちなみにGrabの配車場所は空港1F到着口の4番出口を出たところに設けられているのだが、今回ドライバーから「そこめっちゃ混んでて時間かかるから4Fのタクシー乗り場に来て」とメッセージが届いていた。
もともと今日は観光初日に行けなかったワット・プラケオに行く案もあったけど、2人とももうお寺はいいかなーというところもあり、今回は見送り。自分の希望で、超巨大なフードコートや土産物売り場があるというアイコン・サイアムへ行くことに。が、フードコートの料理は期待していたようなそれではなく、やっぱり日本でもタイでもフードコートってこんな感じかーという内容で、物凄い人で席を取るのも一苦労、そんなワチャワチャした空間でイマイチな屋台メシを食っているとちょっとテンションが下がってしまった。日本でもタイでも、こういう空間は合わないようで。
お口直しならぬお目直しで、夜のワット・アルンを見に行くことに。アイコンサイアムを出た正面にあるICON SIAM PIER4の船着き場から、地下鉄Sanam Chai駅最寄りのRajinee船着き場へ向かう。料金は30THBだったかな。ちょうど船が出るところだったので係員に急かされて飛び乗り、船内でお金を払った。
Tha Tien船着き場のほうへ歩きながら、所々で路地に入って、徐々に近づいてくる美しい寺院の姿を目に焼き付ける。もうずっと見ていられそうな美しさで、いったん下がっていたテンションも持ち直した。
バンコク最後の夜は美味しいものを食べて〆たいなーと思い、ハズレなきよう最初の晩ごはんで訪れた『チャーンノーイ』を再訪。ちなみにここのお店は外国人観光客に対してはチムチュムという小鍋料理を強くプッシュしてくるのだが、我々は今日はチムチュムの気分じゃないので固辞w
いやー、やっぱり本当に美味しい。またバンコクへ来ることがあれば絶対に再訪するだろう。
先のアイコンサイアム行きで都心部の渋滞にうんざりしたので、空港まではMRTとAirport Linkを乗り継いで向かう。乗り換えも誘導サインが切れ間なくあってまったく困ることはない。30分ちょっとで再びスワンナプーム国際空港へ帰ってきた。
そして今回も1時10分の予定だったフライトが1時間近く遅れ、深夜便はキツいから次はやめようか・・・と2人で話しながら、機内でもほとんど眠れないまま関空へたどり着いた。
途中、三宮で買って帰ったバーガーキングで遅めの昼食。というか店頭でオーダーしてから20分ぐらい待たされて、後からオーダーした客のほうがどんどん先に出ていくのを見て「ほほえみの国から帰ってきたばかりでこんなことでイライラしたらダメ!」と3回ぐらい我慢したけどちょっとイライラしちゃった。
12月16日月曜日。ホテルジムのトレッドミルはもう諦めたので、今朝は外に走りに行ってみることにする。しかし事前に歩き回っていて分かっているように、ここはランナーどころか歩行者にとって全然優しくない道路環境。歩道がなかったり、あっても相当に傷んでいて水たまりだらけだし、人がすれ違えないような幅のところばかり。なのでホテル近くの小さな公園に目をつけて、そちらをグルグル周回することにした。
公園では太極拳に励むグループやウォーキングをする老若男女で結構賑わっていた。1周しても500m足らずの小さな公園なので、10kmの距離を稼ぐのがちょっと大変だった
ホテルに戻って風呂に入って、朝食。
今日は買い物メインな日。Grabアプリで配車を手配して、旧市街北東あたりにあるワロロット市場へ。タイの定番土産のタイパンツほか布製品、生きたカエルをはじめとする生鮮食品まで何でも揃う。う、これはまた昨日に続いて物質量に酔うパターンか、と思いつついったん脇道へ逸れて、モン族の民芸品が売られている市場へ足を向ける。
モン族は、中国南部、ベトナム、ラオス、タイなどの山岳地域に居住する山岳少数民族。この市場はモン族の人々が布や手芸品を持ち込む形で自然発生的に生まれた市場。ハンドクラフトのポーチなどのほか、古い衣装を解体した端切れ布など、好きな人にとってはたまらなく魅力的な空間。奥さんが自分用とお土産にいくつか購入した後、これは事前に情報を目にしていたナガ族の布製品を扱うお店を探す。
ナガ族はインド北東部から国境を挟んでミャンマー北西部に暮らすモンゴロイド系民族。1980年代まで首狩りの風習があったことでも有名。幸運にもわりとすぐそのお店を発見。お店にいたナガ族の女性は、タイ語の読み書きができないそうで、お店の奥にいた出納担当っぽい男の人に「選ぶのに時間がかかるのでしばらく放っておいて」とお願いして、大判の布を吟味。
実家へのお土産も含めて4枚を購入。かわいらしいようでいて、よく見ると残虐なモチーフもあったりする。1枚はタペストリーのようにして玄関に飾りたい。
お昼時になったので、歩いて目星をつけていたお店へ向かう。こちら『カオソーイ・イスラム』。こちらの店名からも分かるように、この周辺はイスラム系の色が入った寺院や、ハラルフードを扱うお店が目立つ
チェンマイに来たら絶対食べたかったカオソーイ、いくつかお店をブクマしていたのだが、結局今回の旅行中でいただけたのはここでのそれだけだった。自分は牛、奥さんは羊肉の入ったカオソーイを注文。スープもそれぞれ味がだいぶ違う感じがして、奥さんの食べてたやつのほうが、自分がイメージしているカオソーイに近かった。満足。
すぐ近くに建つ立派な寺院も、これまで観てきたものと少し違ったニュアンスの装飾が見受けられて、本当に面白い。奥さんはここで、竹籠の中の鳥を逃がすタンブン(広義には「善行を積むこと」)をしていた。逃がす生き物の種類によって意味合いが異なるそうで、鳥の場合は”より良い未来”みたいなニュアンスがあるのだそう。
再びワロロット市場のほうへ戻り、散策。チェンマイで有名なAKHA AMA COFFEEのロースト豆を購入。ネームバリューで言えばタイ王室ブランドのDOI CHAANG COFFEEのほうが有名だけど、お店のお姉さんいわく、アカアマコーヒーのほうが断然オススメだと。
時間がいくらあっても足りないけど、市場のほうでのお買い物はこれで終了。Grabで配車して旧市街へ戻り、タイ3大陶器の一つと言われるセラドン焼きの工房『メンライキルン(Mengrai Kilns)』へ。およそ普段使いできないような高級ラインを扱ったお店も他にあるけど、こちらでは日常使いに最適な器や置物が並んでいる。というか、売り場がかなり広くて一通り見て回るだけで結構時間がかかった。
ここ数年は器の購買意欲はほとんどなくなっているので、爆買いはせず。当初から狙っていたターコイズブルーの皿と、グリーン基調の大皿など数点だけ。
いったんホテルへ戻って買ってきた土産ものなどを置いて身軽になってから、再び外出。ホテルから1kmちょっと南に行った場所に建つ『ワット・シースパン(wat Si Supan/ วัดศรีสุพรรณ)』を参詣。"チェンマイの銀の寺"として有名だけど、実際に訪れるまでこんなに素晴らしい場所だとは思っていなかった。
そもそも500年以上の歴史があり、チェンマイで最も古い寺院の一つだそう。もともとの本堂はこのような銀のそれではなかったそうだけど、この寺院がチェンマイの有名な銀細工生産の中心地とされるウアライ通りの鋳物職人や銀器職人の集落の中にあったことから、2004年に老朽化した古い本堂を建て替える際にこのような姿に生まれ変わったのだとか。
本堂自体はそれほど大きなものではないけど、一切の隙間もないほどち密に(執拗なまでに)彫り込まれた細工に圧倒される。残念ながら女性は本堂内には立ち入ることができないのだが、外から見るだけでも十分にその圧巻の威容を感じることができると思う。
そんなわけで今日も結構よく歩いた。朝のジョグを入れると4万歩を超えている。晩ごはんはもともと違う食堂を予定してたんだけど、奥さんが誰かのblogでオススメされていたのを見た、ということで予定変更してそちらのお店『CHUM Northern Kitchen』へ向かう。大人気のお店の2号店で、予約していないと厳しいという話だったけど、少し早めの時間だったせいか、特に待つことなく入れた。
というか、お店に入っても、店内に3名ほどいた若い女性スタッフは揃って、いらっしゃいませの一言もなし。あれ?と思いながら着席。オーダーはスマホを使ってするタイプ。雑貨店を併設しているようで、レストランというよりカフェっぽい雰囲気。そしてここ、写真からも伝わりそうだけど大失敗だった。全然美味しくない。明らかに作り置きしてただろう料理はどれもシーンとしていて、味気なくボソボソしている。まじかー、タイでも美味しくないところは美味しくないんや、、、とある意味当たり前の事実を突きつけられてガッカリ。今回の旅行中でいちばんのガッカリ飯だったかもしれない。あまりのガッカリ具合に写真がこれ1枚しかないの。ここは絶対、他人にはオススメしない。
12月15日日曜日。自覚している以上に睡眠不足と疲労が溜まっているのか、自分にしては珍しく夜中に目覚めることなく朝まで眠れる日が続く。それかやっぱり仕事から解放されてストレスがないからだろうか。なんだか微妙に嬉しい。さて、運動もしておかないとね、とホテルのジムへ向かったのだが、なんだか置かれている器具がどれも年季が入っている。。そしてランニングマシーンは2台とも通電しているもののまったく反応せず。フロントで「マシンが動かないよー」と伝えたところすぐに見に来てくれたものの「私では直せないからメンテ業者を呼ぶ。1時間後にまた来て」と言われて部屋へ戻ることに。たぶんダメだろうなーと思いつつ1時間後に行ったけど当然のように直っておらず。これはもう諦めよう。んで、8時過ぎになってしまったホテルの朝食(あれ、写真がない)。オーソドックスで可もなく不可もない内容だけど、やっぱりこっちのフルーツは美味しい(気がする)。
今日はGrabで配車して、チェンマイから西へ15kmほどいった山上に建つ『ワット・プラタート・ドイ・ステープ』などを訪れる。チェンマイ動物園を過ぎたあたりから本格的な登坂道路に入っていき、九十九折れの区間が連続。終盤は六甲山と同じかそれ以上の傾斜がある道路を、距離的にも10km近くウネウネと上っていく。驚いたのは、ここをヒルクライムしている人が結構いたこと。自転車はロードよりもMTBタイプのものが多かったように見えたけど、ガチで上るとかなりキツそう。地元だとヒルクライムのちょっとした聖地みたいなんだろうか。自分も叶うならそんなことをしてみたいなーと思いながらその姿を見送っていた。ここ、乗り物酔いしやすい人は酔い止め飲んどいたほうがいいかも。
そして到着した『ドイ・ステープ』。ちなみにGrabの料金は約450THB。20THBで乗れるロープウェーも併設されているけど、せっかくなのでナーガに左右を守られた306段の大階段を上って頂上を目指す。
チェンマイ観光では必訪とも言える有名な寺院の歴史はかなり古いそうで、今から約650年以上前、タイ北部を統治していたクーナ王によって建立されたと言われているのだとか。高さ22mの光輝く黄金の仏塔の中には、インドから運ばれてきた仏舎利(釈迦の骨)が収められているのだそう。
再びGrabで配車した車に乗って、今度はステープ山の麓に佇む『ワット・ウモーン』へ向かう。
チェンマイ大学の敷地内を抜けていった先にある、静かな森の中に建つこの『Wat Umong』
ちょうど曇り空の間から木漏れ日が射してきたのもあって、なんとも神秘的で美しい雰囲気。ウモーン(洞窟)と言う名称のとおり、12世紀末にランナー王国初代王・メンラーイによって瞑想修行の場として建立され、14世紀末に境内に名称の由来となったトンネル(ウモーン)が掘られ、僧侶たちがレンガ造りのトンネルで瞑想を行った、とのこと。
洞窟上の瞑想場の上には長い歳月の経過を感じさせる大きな仏塔がそびえる。
朽ちた仏像が、こちらもまた長い歳月の流れを感じさせる。ドイステープ寺院と比べると圧倒的に観光客も少なく、静かにこの空間や時間の流れに対峙できる場所だった。
さて、チェンマイ市街へ戻ろう。Grabでものの2,3分で配車された車に乗って旧市街でおろしてもらい、今日はお昼ごはんを食べていなかったのでカフェでおやつをいただくことに。車内でよさげなところを探していて見つけた『Khom Chocolatier House』というお店。
国内外のシングルオリジンのカカオ豆を用いたメニューが提供されており、居心地の良い店内の雰囲気もあいまって、かなり人気のお店っぽい。せっかくなので、今回はお店のシグネチャーセットと、別にホットチョコレートをオーダー。もう、1ヶ月分のチョコレート欲が満たされましたわ、、、という大満足の内容。ちょうど入った時には空いていたテーブルも、少しして満席になり、待ち人の行列もできていた。
帰りしな、プラプラ歩いていたところホテル近くで雰囲気のある尖塔が視界に飛び込んでくる。
『ワット・プアック・ホン』という寺院で、正確な創建時期は不明らしいが、15世紀頃のものだそう。この7つの円形の層で構成された多段式の円形仏塔は、チェンマイに3つしかない珍しいものだとか。日本では聞かないような種類の鳥の鳴き声だけが響く境内で、ここでもまた静かに時間の流れに浸っていた。
ホテルへ戻って休憩。今晩は週に1度だけ開催されるSunday Marketへ行ってみる。
とりあえずホテルから歩いてターペー門のほうへ。チェンマイに来て感じるのは、とにかく移動手段として車やバイクのことしか考えておらず、歩行者のことなんて知ったこっちゃねぇ、という道路事情だなということ。信号機のある横断歩道なんて皆無だし、歩道がない道路のほうが多くて、もちろん歩いている人の数も少ない。みんなちょっとしたところへ行くにもバイクで2ケツ、3ケツしている感じ。まぁその分、めちゃくちゃ飛ばすような車は少ないようにも見えるけど、あんまり歩いていて気持ちが良い感じではないのは確か。
そして到着したサンデーマーケットの始発点、ターペー門。門の外側がルミナリエみたいになってたが、これは常設なのかしらん?それにしてもこれだけの人がいったいどこから?という物凄い人、人、人で、前に進むのもやっとなぐらいの人と店の物量に圧倒される。
わりと吟味したつもりで買った牡蛎入りオムレツとパッタイだったけど、正直、どっちも「まぁ、屋台ってこんなもんやな」という味でちょっと残念w
結局東西南北ほぼすべての道を3時間以上かけて歩き回り、最後のほうはかなりグロッキーになっていた。タイは無数にある寺院の装飾もどこも「これでもか」ってぐらいの密度で押してくる感じがあるし、今日はこのマーケットでまた途轍もない物質量にあてられるしで、この旅行中で一番疲労したかもしれない。
12月14日土曜日。予定を組んでる段階から分かっていたことだけど、ホテルでのんびりする時間がほとんどない。ホテルのプールにも一度も行けず終いだった。今日も昼前の便でチェンマイへ向かうため7時前に起床。朝食はこれも宿泊していたホテルの目の前にあるジョーク(タイ風のお粥)店『ジョーク ルアム ジャイ』へ。タイに来てから観光以外でほとんど運動していないこともあり、食べる量は減っているかも。でも食欲はあるし、体調は良い。
今日はバンコクを発ち、ドンムアン空港からチェンマイへ向かう。空港までの移動手段としては当初、電車を乗り継いでいくことを考えていたけど、昨日のアソーク周辺の様子だとそれほど渋滞も酷くならないかな?と思い、こちらに来て初めてGrabで配車をしてそれで向かうことにした。ちなみに日本出国前にeSIMを購入して設定し、Grabアプリもインストールのうえ事前登録は完了済。クレカ決済だけは日本国内で登録できないため(登録してもタイでeSIMへ切り替えるとexpiredされてしまう)バンコクに入ってから設定した。設定自体は簡単だけど、クレカのワンタイムパスワードを受信するためタイ国内で使用可能な電話番号を用意するか、受信方法をemailに切り替えておく必要があることだけ注意。
そんなGrabだったけど、配車依頼してロビーで待つも、なかなかこれがやって来ない。当初10分で表示されていた待ち時間が一向に進まず、タクシーの現在地を示すマーカーも周辺の路地を行ったり来たりしてまったく近づいてこない。うわー、これちょっとヤバいかなーと焦り出した頃、30分ちょい待ってようやくホテルロビーに車が到着。ドライバーへ「ちょっと急いでるから、有料道路使ってね」とは言ったけど、あんまり伝わってる感じもなく。というかやっぱりアソーク周辺の渋滞はなかなかに酷く、有料道路に出るまで結構時間がかかった。まぁ、自分としては間に合わなかったらしゃあない、ぐらいで思っていたけど。昨日の女性ドライバーと比べるとかなり運転はヘタだったけど(笑)、無事にドンムアン空港へ到着。どうだ、ちゃんと間に合っただろ?という感じのドライバーのオッサンは、運転はアレだけど、なかなか憎めない感じの人だった。
荷物を預けてみると、結果的に少し時間にも余裕があり、空港内をちょっと散策して『THE COFFEE CLUB』というタイで展開しているっぽいチェーン店で休憩。
そしてあれだけ焦ったのに、フライトは予定時刻より遅れるという格安LCC便あるあるを経験し、1時間ほどのフライトでチェンマイへ到着。機内食もあったけど、フライト時間が短いのでかなり慌ただしい。
ここチェンマイは、バンコクに次いで国内第2の都市らしいが、比べてみると格段に田舎らしいのどかな風情で、落ち着く。空港から旧市街内のホテルまでは、Airport TAXIもしくはMETER TAXIでどちらも150THBの固定料金。到着口を出てすぐのところに並ぶカウンターでホテル名や住所を伝えると、タクシー番号を書いた紙を貰える。運賃はドライバーへ直接現金払い。
今日から3泊する『Pingviman Hotel』
チェンマイ郊外にある高級スパリゾート『Panviman Chiang Mai Spa Resort』と似た名前だけど、こっちのほうはだいぶお安い。ラーンナー調の内装に、プールサイドを臨むテラス付きの広い部屋でバスタブもあってなかなかによろしい。ただ全般に設備は古めで、ジェットバスも半分壊れていたw
そしてあいにく、この日のチェンマイは曇りがちの雨模様。それもあってか奥さんはまたちょっと疲れ気味で、当初予定していた散策はやめて、部屋で休むことに。なので自分は一人でその辺をウロウロしてくる。四方を2km弱の堀と塀で囲まれたコンパクトなチェンマイ旧市街。もともと歩いている人は少ないけど、こんな天気なのでメインの通り以外はほとんど人がいなくてちょっと寂しい。
たくさんある寺院の中でメインの一つ『ワット・チェディルアン』を参詣。ただ奥さんの体調が心配なのもあって、あまり集中して見れる心持ではなく。最近のガイドでも拝観料は無料と書いているものもあったけど、外国人観光客は50THBでチケットを買う必要あり。
そこから少しだけ歩いて、タイに来てから初めてのマッサージを受ける。常設のマーケット内にある『Pranom Health Massage』というお店。半屋外で空調などはないけど、フットマッサージ1hで200THB(最近まで180バーツだったみたい)。人に1時間足を揉んでもらって1,000円って申し訳ないぐらい安い。担当してくれたオバちゃんは英語は通じなかったけど、笑顔でタイ語で何か語り掛けてきていた。たぶん「お前、足の爪、全部死んどるやないか・・・」とか言われてたんだろうけど。
ホテルに戻り、少し休んで回復した奥さんと一緒に晩ごはんへ。雨だし、歩いて行くには遠いところなのでGrabを利用。目的地は北タイ料理を楽しめる『Krua Phech Doi Ngam』というお店。広々とした店内はタイ北部ラーンナーの伝統的なランプに彩られていて、穏やかな雰囲気。わりと蚊がいたので備え付けの扇風機を稼働させてもらったがw
入口で「どっから来た?」「日本人」というやり取りがあり、日本語のメニューが出てきた。個人的に、ここもかなりの当たりのお店で、何を食べても美味しい。お店のオススメにもなっているヤム・サムンプライ(白ウコンとタイハーブのサラダ)はフレッシュかつ複雑な味わいで、氷を入れて飲むタイのビールとの相性も抜群。珍しかったのがヘット・トープ(ツチグリ)というタイでも希少なキノコを使ったメニュー。6月の雨季の初め頃にしか採れないキノコだそうで(しかも一部が土の中に埋まっていて見つけにくいらしい)、これは乾燥させたものを戻してるのかな。超肉厚なシイタケのような食感。旬のものは風味豊かで、マツタケやトリュフとも比肩するとか。他にもかなりの数のメニューがあるので(アリとか豚の脳みそとかも)何度か通っていろいろ食べてみたいなーと思わされた。
たぶん日本語メニューは現地メニューと比べて割高な価格設定になっているんだろうけど、先の寺院の拝観と同じく、外国人観光客からは取れるだけ取ったらいいと自分は思う。それが嫌なら行かなければいいだけだし。そういう意味で日本でももっと外国人から観光料をとって、地元のインフラなどに還元していってもいいんじゃないかなーと思う。最後にお店の人と一緒に写真を撮ったりして、帰りもGrabで楽々ホテルまで。往復で300THB弱。日本だとタクシーで外食に行って帰るなんて贅沢は考えられないけど、こちらのGrabは本当に便利で安くて、事前に見聞きしていた話以上に使い勝手が良い。
12月13日金曜日。6時に起床。今日は一日車をチャーターして、バンコク郊外のお寺を巡る。プランや車の手配はすべて奥さんが策定。彼女の旅のメインが今日の訪問先に集約。なので自分は何もしていない。が、乾季で晴天が続くはずなのに、今日に限って朝から雨が降っているという。奥さんの体調はだいぶ持ち直したものの、この天気のせいもあってテンションは低め。7時にホテルロビーまで車で迎えに来てもらった。
今回利用したのはABIDECKという会社。事前相談や見積りを奥さんが何度かしていたためか、女性ドライバーを割り当ててくれていた。先に書いておくと、車内(セダン)も快適、運転も上手でかなり満足度の高い会社だった。費用的には7時~15時までの基本額2500+延長2h=150×2+有料道路料金500=3,300THB。価格だけ見るともっと安いところもあったけど、今回ここにして良かったなーというのが終わってからの2人共通した感想。
ところで、一番恐れていたのが朝の通勤時間帯のアソーク周辺の渋滞。「歩いて5分のところが1時間かかった」なんて話も聞いていたのでかなり身構えていたのだが、結果的には心配していたような大渋滞には巻き込まれず、わりとすんなりと有料道路に上がることができた。
そこから1時間半弱の乗車で最初の目的地『Wat Phai Rong Wua』へ到着。タイでは全土におよそ70か所以上、主に農村地帯を中心として「悪いことをするとこういうところに行っちゃうよ?」と戒めるための地獄思想を具現化(立体化)するスポットを持ったものがあり、これが日本(の一部界隈)で「地獄寺」として人気があるらしい。んで、うちの奥さんの今回のタイ旅行における最大の目的もこの地獄寺。
こちら『ワット・パイロン・ウア』は、相当に広大な敷地の中にその地獄スポットのほか、無数の巨大な仏像、世界各国の宗教様式を現した寺院などが点在。併設してそれなりの規模の常設市場もあり、ここでは魚介系の乾物が有名で、地元の人も買いに来るそうなのだけど、そっちまで見て回る余裕がなかった。
右奥に見えるのが市場。時間があれば行ってみたかった。
地獄の窯の隣には救済の巨大な仏様。
この辺は野犬スポット。階段の所にももれなく一匹いて、近づくと威嚇してくる。
撮ろうと思えば無限に写真が撮れてしまうスポットなだけに、同じようなものを何枚も撮らないようにしようと思いつつ、結局それなりにシャッターを押してしまう。時期的なものなのか今日の天気のせいなのか、それとも最近はこんな感じなのか不明だが、最後まで他の観光客の姿はなく。時折雨がパラつく曇天下で見る地獄風景は、自分たち以外にほとんど人がいないシチュエーションとも相まって、いったい今ワタシタチはドコニイテナニヲシテイルノカ、、、となんとも心許ないような、それでいて不思議な高揚感のある時空間を生み出していたのでした。
一点だけ注意事項を挙げておくと、敷地内全般に野犬がかなり多く、彼らの縄張りに入っていくと周囲からワラワラと集まってきて威嚇の唸り声を上げながら追っかけてくるので怖い。ここで噛まれたら旅行が終わる、、、と何度か道を迂回していた。
2時間ほど敷地内を巡り、いったん車へ戻って昼食をとるため。こちらも事前に奥さんがチェックしてくれていたタイ料理店『クルアガンナー』へ。こちらは藁で地鶏を丸焼きにした"ガイオップファン"が名物。11時前と早めの時間帯だったので、ここでも他に観光客の姿はなし。周囲を田んぼに囲まれた、気持ちの良い屋外席へ案内してもらった。
ココナッツジュースを飲みながら、ソムタムタイ、揚げ魚を使ったカレー的なものをつまんでメインの登場を待つ。
・・・ひたすら待つ。たぶん私たちの鶏が藁焼きにされている様子。30分以上時間がかかるとの事前情報だったけど、実際はもっと長くて提供までの1時間ほどかかったかしらん。
朝ごはん食べてないので余裕でいけるだろうと思ってたけど、予想をだいぶ上回るボリュームで完食は断念。残りは「ホー クラップ バーン クラップ」と覚えたてのタイ語でお持ち帰りをお願いした。こちら、ホテルに帰ってから完食。
続いて向かうは『ワット・サンプラーン(Wat samphran / วัดสามพราน)』というドラゴンタワーで有名なお寺。途中ちょろっとだけ詰まるところもあったけど、酷い渋滞はなく1時間ほどで到着。
写真のとおり、めちゃくちゃインパクトのある外観。この巨大なドラゴンタワーは、寺院の創始者であるBhavana Buddho氏が、7日間に及ぶ断食瞑想の最中、夢に出てきたタイの有名な高僧に促され建設に至ったとか。この龍の体内を300mほど、グルグル巡りながら上がっていく。ちなみに外国人は入場料として80THBを払うよう言われるが、あくまでお布施という形なので払わなくても入ることはできるみたい。とりあえずそんなお金をケチるつもりもないのできちんと支払って入らせてもらう。
結構な傾斜を上がり続けるとやがて開けてくる光の出口。高さ約80m、17階建てのビルに相当するという屋上へ出てみると周囲をぐるりと見渡せる絶景。晴れていればバンコク市街までが一望できるらしい。吹き抜ける風が気持ち良い。が、下を見るとタマのあたりがスースーする。こちらでは他に観光客の姿もちらほら。
さらにこのお寺、ドラゴンタワーだけでなく他にも見どころがある。
巨大な大仏様。隣接して歴代のタイの国王を象った蝋人形が並んだ建物などもあり。
巨大な象。少なからぬ狂気を感じる。
まるで古代の遺跡のような巨大な亀。中は洞窟のようになっており、口から入って胎内巡りをすることができる。内部には釈迦の足跡を石に刻み信仰の対象とした仏足石が置かれていた。
時間があればこの寺院と同じナコーンパトム県にあるワット・プラパトムチェディにも立ち寄りたかったけれど、とてもとても時間が足りず、それはまた次回へとお預けに。帰りはアソーク周辺のルンピニー公園あたりで結構な渋滞に巻き込まれたものの、他に大きなトラブルなどなくホテルへ帰着。ホテルで奥さんが休憩している間に自分は今日もジムのトレッドミルへ。昨日ヒマ過ぎたので今回はちゃんとウォークマンを持参。昨日に続けて遭遇した外国人が「頑張れよ」ってな感じで何か言ってきたけど聞こえず。1時間ほど走って、部屋でシャワーを浴びてから近くのBarへ。
Radisson Blu Plaza Bangkokの屋上にある『BREWSKI CRAFT BEER BAR』というカジュアルなお店。我々夫婦2人とも、ふだんBARとかまるで縁のない生活なので、これぐらいカジュアルなところじゃないと緊張して行けない。2人でクラフトビール3杯と、写真のNACHOなんとかという食べ物を頼んで1,500THBほど。今日も満足度の高い1日。
できるだけ簡単にしたいけど、どうしても無駄に長くなってしまうお目汚しをお許しくださいませ。6泊8日間のタイ旅行記録。今回はLCC格安航空券でバンコク入りし、数日滞在してからチェンマイへ飛び、最後にまたバンコクへ戻ってくるという行程。12月11日19時10分発のPEACHに搭乗すべく夕方から関空へ。海外へ旅立つのは実に9年ぶり。関空の第2ターミナルを利用したのは初めてだけどなかなかの場末感。これが格安便の宿命か。
そして予定より30分以上遅れて離陸。7時間弱のフライトだったが、アイマスクを手持ちにするのを忘れてこともあってまったく眠れず。自分の場合、寝るのは最初から諦めていたのでしょうがないかと思ったが、奥さんもまったく眠れなかったようで、普段はそんなことがないので心身ともに結構なダメージを受けてしまったよう。日付が変わってバンコクのスワンナプーム国際空港へ到着。久々の異国の景色に少しドキドキする。
今回は事前にタイ国内で使用するeSIMを登録しており、到着してからそちらへ切り替え。ホテル予約とあわせてagodaから配車を予約(クレジット決済で先払い)していたのだが「Hello,你好」って書いた紙を持ったスタッフが立ってるよ、というメールを頼りに探してみるも、到着ロビーはなかなかのカオス。張り紙多すぎてわからん。結局、そのスタッフを探して周辺を3~4往復ウロウロする羽目に。んで、スタッフが見つかったもののドライバーはヘヴィな渋滞で遅れているとかでそこからさらに20分ほど待つ。ようやくドライバーが到着したと聞いて発着場へ出てみるも、こちらも物凄い人と車のカオティックで乗車するそれを見つけるのも一苦労だった。ようやくホテルに到着したのは現地時間で2時過ぎ。日本だと4時過ぎ。もう朝である。さすがに疲れた。尻が痛い。
12月12日木曜日。バンコクで3泊したJasmine City Hotel。賑やかなアソークの中心に位置し、利便性は高い。が、後述するように朝晩を中心に交通渋滞が酷いため、タクシー移動する際には思っていた以上に面倒なところもあった。
当初は7時過ぎに起きて行動する予定だったが、到着がかなり遅くなったのと、ほとんど寝れなかったことで奥さんがかなり参ってしまっていて、9時過ぎからホテル近くにある食堂でクイッティアオをいただく。自分はこれだと量が足りないので、屋台で売っていた肉まん的なものも買って帰って部屋で追食。
その時は「ちょっと元気がないなー」ぐらいに思っていたのだが、後で聞いたところ奥さんのほうは寝不足とストレスからくる疲労で心身的にかなりヤバかったらしい。とりあえずBTSに乗車してワット・ポーへ向かう。BTS/Sukhumvit駅~最寄りのSanam Chai駅まで20分弱。
歩いて10分足らずでワット・ポー(涅槃寺)へ到着。今日のバンコクは晴れ時々曇りといった感じで、暑いは暑いが、耐えられないようなそれではなくて観光するには丁度良かった。
小規模なコンテンポラリーアートの展示がされていて、足元には気持ちよさそうに昼寝する猫が。
そしてこちらが有名なリクライニング・ブッダ。ニルヴァーナ。寝大仏。圧巻の存在感。
足裏の螺鈿細工は千輻輪相と言い、仏が備える三十二相の一つだそう。この32の大きな特徴と80の細かい特徴をあわせて三十二相八十種好というらしい。さすがにこちらの本殿には観光客が集中していたけど、それでも芋洗いのような状況にはならず、わりとゆっくりと鑑賞できた。
そしてなぜか、こちらの本殿を出るあたりで僧服姿の若い僧侶に日本語で話しかけられる。日本のことが好きで、日本語を毎日勉強しているらしい。26歳。LINEを交換してくださいと言われて交換したけど、なかなかに謎の時間だった。
涅槃仏のところ以外は観光客もそれほどおらず。ここまで気力でもっていたらしい奥さんのほうは、それも限界が来たようで一時離脱。自分ひとりで寺院内を散策。さすが第一級王立寺院。国の威信をこれでもかと感じさせる隙間のない装飾と物量がどこもかしこも凄まじい存在感を放っている。
続いてワット・アルンに向かう予定だったけど、奥さんの体調からしていったんホテルへ戻ろうかと相談。一度、近くにあるカフェで休憩して様子を見ようということになり、こちら「Make Me Mango」へイン。
扉に「引く」と書いてあって、お客さんも日本人が多かったけど、旅行誌とかで紹介されているのかしらん?ここがめちゃくちゃ美味しくて、シグネチャーのセットも、マンゴースムージーも大満足の内容。
そしてこのお店の通りに入った瞬間に、突如として眼前に姿を現したワット・アルン(暁の寺)がまた最高で。こういった出現の仕方には本当に興奮する。
「どうする?やめるか?行けるか?」と少し体調が戻った奥さんと相談した結果、予定通りそのワット・アルンへ向かうことに。先のお店から歩いて5分ほどの場所にあるtha tienター・ティアン船着き場から渡し舟で対岸へ渡る。船賃は20THB。ちなみにター・ティアンの「ター」は「平らな」という意味だそうで、昔々、ワット・アルンのヤック(寺院を守っている鬼神。日本の仁王像みたいな)とワット・ポーのヤックが、金の貸し借りを巡って大喧嘩をした結果、あまりの激しさに周囲の土地が平らになってしまったことに由来する、、、というのを何かの本で読んだ。神様も金の貸し借りで喧嘩するのか・・・
先のワット・ポーでもその窒息しそうな装飾の重ねっぷりに圧倒されたが、ワット・アルンはさらにさらに自分好みの密集度で、ただただ言葉を失いその威容を見つめ続けてしまう。以前はこの急峻な階段を上まで登れたそうだけど、どこかの観光客が転落して訴訟沙汰になったせいで現在は上れなくなったとか。どこの阿呆だ本当に。
神々が住まう須弥山(標高164万km)を象った仏塔は、なるほど確かに少なからず宇宙を感じさせる。
こちらがワット・ポーのヤックと大喧嘩をしたヤックです。こっちのほうが強そう。
奥さんの体力が再び厳しくなってきたので、フレッシュジュースを飲みつつ電車で帰路へ。
ホテルのすぐ近くにあり、夜にはいかがわしいネオンと爆音が鳴り響く通り「Soi Cowboy」
奥さんがベッドに横になって休んでいる間に、自分はホテルのジムへ。トレッドミルで1時間ほどランニング。ふだんやらないトレッドミルなので、とにかく退屈だったけどとりあえず少し運動ができて満足。というか自分もかなりの寝不足と疲労でこんなことやってて大丈夫か?と思わないでもなかったけど。
再び「どうする?やめるか?行けるか?」と相談して、ホテル近くでチェックしておいたイサーン料理が食べられる食堂へ歩いて向かう。
お店の名前は「チャーンノーイ」。訪問した人が揃ってオススメしていたソムタム、コームーヤーン(豚の喉肉の炙り焼き)、パークペットトート(アヒルの嘴の唐揚げ)は必食。他に牛肉のハーブスパイスマリネしたスパイシーなサラダ、サイウアを注文したはずが違ったオーダーで通ってしまったっぽいハツ系の何か、もどれもこれも本当に美味しくて、タイに来てようやく「うぉー、本場のタイ料理、うまい~!」と満足した瞬間。満ち足りた気分で歩いてホテルに戻り、風呂に入って就寝。明日は結構早起きなのだ。
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