資本主義 が機能しなくなってきた理由

今や、世界の人口の1%、あるいは0.1%の人たちが、世界の富のおよそ半分を独占している状態にあります。その格差は天文学的となっており、その結果、 資本主義 は段々と機能しなくなってきました

写真1 世界の超富裕層1%、資産の37%独占 コロナで格差拡大

注)本記事は、自然科学の問題点について考察してきた結果の延長上にあります。自然科学の問題点について、過去記事は100件ほどあります。2つだけ挙げます。

 

このままでは、人類は滅びます。問題の一つは、人々があらゆる出来事の抽象化に何の問題意識も持っていないことです。優秀とされる人ほど、物事を抽象化して考えるに戸惑いがありません

この過度な抽象化を屁理屈(理論)と言います。

お金もまた抽象です。抽象化によって、人々は劣化して滅びます。

 

抽象化に歯止めがかからないのは、言葉が繰り返し循環だからです。言葉が繰り返しになるのは、物と事の関係にあります。弧理論での物と事の関係を示します。

図1 物と事(運動)は互いに規定し合う繰り返し

物と事は互いに規定し合う繰り返しです。物と事を音韻に割り当てたのが言葉ですから、必然的に言葉は繰り返しになります。これは、如何なる言語であっても同じです。

それで、人がわかるのはです。物には量があります。事には質があります。物と事については、後述します。

 

自然科学にはもう一つ問題があります。

  • 自然科学には、物と事の区別がない

図2 基本量と7つの基本単位

図2の中で、時間は基本”“となっていますが、時間は量ではありません。


運動から時間を作りますが、平たく言えば、時間は角度です。角度は量ではありません。運動にかかる一つの状態です。つまり、時間は事の質にかかるに過ぎません。このことは自然科学に途轍もない影響を与えていますが、ここでは省略します。

 

"自然科学に物と事の区別がない"ことの何が資本主義と関係あるのかをご説明します。

金融資本家は、科学者の出資者・金主・パトロンです。資本家は、経済活動の基礎となる科学が金融資本家にとって都合のよい仕組みであること絶対に必要です。これは、歴史を見ればわかります。

19世紀のある時点で、自然科学の発達が金融資本家によって歪められました。その結果、科学の発達において、物と事を区別する絶好の機会を失いました。それを象徴するのがアインシュタインによる相対性理論(E=mc)です。この説明は省略します。

注)一言だけ説明。例えば、物としてのサイコロは、事である確率にはなりません。また、確率がサイコロにはなりません。

 

人がわかるのは物と事です。物と事はいずれも""に置き換えることができます。

  • 物の量にかかる数
  • 事の質にかかる数

それで、お金について考えます。貨幣は金(GOLD)や銀を元に発達しました。金も銀も物の量にかかる数として扱えます。物の量には単位を付けることができます。

  • 金1グラム
  • 銀1グラム

その上で、お金へ置き換えられます。(例えば、田中貴金属工業

  • 金1グラム 13,000円
  • 銀1グラム 150円

 

現在では、金価格は変動しますが、1971年までは米ドルとの間は固定でした。1971年のニクソン・ショック以来、米ドルは金との兌換は停止になりました。それまでは、ドルと金の交換は固定比率でしたが、交換すら停止されました。不換紙幣となった米ドルは、物の量との関係を絶たれて、事の質にかかる数になりました。

言わば、お金は抽象的な存在に過ぎないのです。人々の頭の中や通帳、カードの磁気記録、オンラインに接続中のPCの数字であって、紙ですらありません。

写真2 インクの染み

「物の量にかかる数」と「事の質にかかる数」との間をGOLDが媒介していたのを切り離したということです。

単なる事の質にかかる数に過ぎないお金について、物と事の比例関係は固定ではありません。為替も同じです。これら事の仕組みを使って、人々から物の量を収奪することができます。

で示されるとあたかも正しいような錯覚に陥ります。1万円は数としては変化しませんが、物に交換(買い物)するに(物の価値が)変化することは誰でも知っています。ここで、物の価値は人によって異なります。

  • 物と事の区別がない仕組みによって、金融資本家は、お金を使って(気づかれずに)人々から物を奪うことができる。

その行き着いた先が、天文学的な格差のある社会だということです。抽象であるに過ぎないお金の性質によって、 資本主義 は行き詰まり、機能しなくなっています。

自然科学を正せば、この歪みはなくすことができます。

 

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Φ について

2010年より研究しています。
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