空から見た熱海土石流

朝日新聞社撮影の空撮写真を合成

2021年7月3日午前10時半ごろ、静岡県熱海市で大規模な土石流が発生し、住民や家を襲った。被害の全容に迫る。

2021.7.3 10:30ごろ土石流発生

現場画像切り替え

被災後
被災前

盛り土 土石流の最上流部

熱海市によると、もともとは谷だったが、土砂が階段状に固められて盛り土に。推定約5万4千立方メートルだった。

盛り土の被災前の状況

谷あいを一気に

土砂は谷あいの地形に沿って流れ下ったため勢いを失わず、狭い範囲に力が集中したとみられている。

住宅街をのみ込む

石や倒木が混ざった大量の土砂が住宅をのみ込んだ。土砂が建物をなぎ倒す轟音(ごうおん)が一帯に響いた。

相模湾へ

逢初川は相模湾に流れ込む。土石流は全長2キロ、被災した範囲は延長1キロにわたった。

現場付近の雨量(静岡県・網代)

出なかった避難指示、割れた判断 災害「的中率」に課題

被害状況2021.7.8現在

死者
9人
安否不明
22人
けが人
3人
被害棟数
131棟
出典:静岡県の発表資料

土石流は谷あいの地形に沿って、勢いを失わないまま流れ下ったとみられている。住宅がのみ込まれ、熱海市の伊豆山地区の風景は一変してしまった。警察、消防、自衛隊による捜索が続くものの、多くの住民らの安否は分からないままだ。

あの日、広い範囲で激しい雨が降り続き、東海や関東は記録的な大雨に見舞われていた。梅雨の終わりを控える7月上旬は、毎年のように豪雨に関連する災害が起きている。

熊本県を中心とする豪雨(2020年)、岡山県などを襲った西日本豪雨(2018年)、福岡県や大分県の九州北部豪雨(2017年)。今年は静岡県だった。「災害大国」に住む私たちにとって、決してひとごとではない。

東海・関東の記録的大雨に関する記事はこちら

「空から見た熱海土石流」

公開 2021/7/8

撮影
迫和義(空撮)、福留庸友
デザイン
小倉誼之
ウェブ制作
朝日新聞メディアプロダクション(佐久間盛大)
画像提供
©Google
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