今はもう売っていない古いゲームをサンタさんにお願いされ、「売ってませんよね…」――。
泣きそうな顔で相談してきたお客さんに対し、あるゲームショップ店員が取った行動が「まるで本当のサンタさんのよう」と絶賛されています。
一連のエピソードをX(旧Twitter)に投稿したのは、Xユーザーの黒口リ子様(@_Black_Lolita_)さん。もともとは2017年に一度投稿していた内容でしたが、クリスマスを前に再度投稿したところ「サンタクロースって本当にいるんだ」「なんて素敵な方なんだ」など大きな話題になりました。
当時、ゲームショップでアルバイトをしていたという投稿者さんは、お店にやってきたクリスマスプレゼントを探す1人のお母さんから、今は売っていない古いゲームソフトについて「売ってませんよね……」という相談を受けたそうです。
そんなお母さんのためになんとか在庫を見つけたそうですが、届くのは最短でも12月25日。これでは、クリスマスに間に合いません。
それでも、サンタさんを信じるお子さんをガッカリさせたくないと思った投稿者さんは、とあるアイデアを思いつきました。
サンタのフリをして「このお店にこのチケットを持っていき、プレゼントを受け取ることができるかな?」と、ひらがなによるクエスト方式の手紙を書いて、お子さんの枕元に置くことを提案。
25日に、その手紙を持ってきたお子さんに「サンタさんから預かってますよ」と一芝居を打って、ゲームを渡してあげたそうです。
投稿者さんによると、喜んだお子さんはその場で開けて狂喜乱舞していたとのこと。
なんて素敵な人助け! まるで本物のサンタクロースのような機転の利かせ方ですね。
素敵なエピソードには投稿者さんを称えるコメントのほか、25日に間に合わせてくれた配送業者さんの仕事ぶりに「サンタさんだけではなく、日本のトナカイさんにもありがとう」というコメントも寄せられ、温かい反応と9万件を超える“いいね”が寄せられていました。
気になるのは、当時のお子さんが欲しがっていたゲームソフト。
投稿者さんによると、「グレーでカセット方式の超有名メーカーによるゲーム機で、何でも吸い込んだり吐き出したりするピンクの丸いアイツがメインキャラクターのゲームソフト」とのことでしたが……。
黒口リ子様さんにお話をうかがいました
──ゲームのタイトルはなんでしたか?
ソフト名は、スーパーファミコン用の『星のカービィ スーパーデラックス』(1996年発売)です。
当時としてもスーパーファミコン用ソフト自体がもう生産終了していたにもかかわらず、箱・説明書付きの美品でお届けできたこと自体が奇跡でした。
子供のころのうれしかった思い出は一生の宝物だと思うのです。それを壊したくなかったというのが一番の理由でした(笑)。
──な、なんとスーパーファミコンの『カービィ』……当時を振り返って、今の心境を教えてください。
いつの時代も、お子様の夢を壊さずにどうにか望むものを用意してあげたい、と奔走する親サンタさんの苦労がおありかと思います。
一年でいちばん激しい繁忙期ですから疲れがピークに達する店員さんも多いと思います。
それでも『子供の夢を壊さないように』と同じ目的に気持ちが合う日でもあるので、たまにこんなちょっとしたドラマが生まれるときもあるということで、ほっこりしていただければ幸いです。
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正解は、スーパーファミコン専用ソフト『星のカービィ スーパーデラックス』でした。PS3の時代にスーファミのソフトを探すのは大変だったでしょうね……。
星のカービィ スーパーデラックス
サンタさんの粋な計らいに、その場でプレゼントを開けて狂喜乱舞していたというお子さんの喜ぶ顔が目に浮かぶようです。クリスマスならではの心温まるお話でした。